2009/04/16

東京蜂群消滅レポート その(3)


この冬、東京での越冬に失敗し消滅した蜂群の原因調査の中間報告

1) AR氏に依頼した実体顕微鏡による検査結果、
2) 八ヶ岳南麓日本ミツバチの会主催の“分蜂群捕獲研修会”の折に信州日本みつばちの会 会長富永朝和氏への質疑応答、
. . . に、観察した 蜂の異常行動を加味して考えると、現時点では以下の推論が最も可能性が高いと思われる。

A :”地を這う蜂”は、翅を傷めて飛ぶことが出来なかったため。空腹や病気、あるいは寒さのせいの可能性は低い。
B:仲間からの攻撃で翅を傷めた
C:仲間が何故攻撃行動に出たかその理由は不明。この件は調査継続中。


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AR氏による顕微鏡検査の所見:

1) 翅のつけ根付近に鬱血と思われる痕跡が見られる。
2) 表面皮膚にミツバチヘギイタダニなどは見当たらない。
3) 解剖下で内蔵顕微鏡検査をしたが、気管に寄生すると言われているアカリンダニの寄生の痕跡は見つからない。
(写真は、AR氏提供の、胸部内蔵の400倍顕微鏡写真、フロキシン染色下)

信州日本みつばちの会 会長 富永朝和氏コメント:

1) 飛べない蜂の発生は時折見かける現象
2) 理由の多くは、仲間の蜂に噛み付かれ、翅を傷めたため
3) これは、蜂群が将来の貯蜜不足など、“蜂群全体にとって不都合な事態”を予見し、蜂総数を減らそうとする自然調節行為と思われる
4) 女王蜂の事故死、弱体化からこのような“統率のない行動”が起きる可能性ももある
5) 地を這う蜂が見られる時、巣箱内を覗くと数匹の蜂が一匹の蜂によってたかって攻撃している光景を目撃できるはず
6) 攻撃を受けた蜂は、仲間から無視され、巣箱外へ排除される
7) そのような蜂が地を這っている

観察された現象:記録写真参照

1) 飛翔する力がない (= 空中に投げ挙げるとそのまま地面に落ちる)
2) 外見から、それらのほとんどの蜂が翅の形状が異常(= その多くが内側の翅)
3) 貯蜜不足のせいではないようだ(= 給餌器を置いても飲もうしない。= 消失後、巣房には大量の蓋がけされた貯蜜が残っていた)
4) 地面を這う姿はあたかも自分の意思で巣箱から遠いところへ逃げようとするよう見える
5) 強制的に巣門直近に移してみると、巣門に入る意思は全く見せない
6) 巣門直近に置いた蜂に対し、門番蜂は無関心
7) 消滅後の巣板様子:
(a) 死骸=巣箱底に全く無し。巣房内に頭を突っ込んで死んだ蜂らしい形骸がある。
(b) 幼虫の死骸らしきものもあるが既に日数が経過し乾燥状態のため確認できず。(現在継続調査中)
(c)残された貯蜜は多く、その全ては蓋掛けされた状態
(d)7枚の巣板の中央板の中心部に防寒蜂球を作るため巣板空洞

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次の課題は仲間が攻撃を仕掛けた原因は何か?ということ。蜂群消滅後の巣板に多くの貯蜜が残ってたことから食料不足を予見した行動とは思えない。文献やWEBで関連情報を探しているが現在までのところこれといったものは見当たらない。調査継続。

末筆ながら協力・指導をいただいたAR氏、富永朝和氏に深謝申し上げます。