2012/06/01

風呂好きのミツバチ

庭で三次分蜂群の取り込み中に突然の来客。

「風呂場にハチがたくさんいて困っている。なんとかしてくれませんか?」客人は、近くに住む陶芸家のご主人だった。

訪ねてみると、カナディアンログハウスの外壁からニホンミツバチが盛んに出入りしている。巣門前を飛び交う蜂の数から推測するとかなり大きな群。十年以上も前からここに住み続けているのだと言う。

正規の外壁の出口でなく、ログの隙間を縫って浴室に出てきた一部のミツバチが、外へ出ようと明るいガラス窓に群れている。力尽きて死に絶えたミツバチの死骸が、毎日チリ取り一杯分ほども床に積もるらしい。

我家の山荘にミツバチが住み着いたのも浴室の天井裏だった。十年ほど前の出来事。浴室のログ壁に滲み出てきた液体を舐めてみると甘いハチミツ。天井裏をのぞいて見ると巨大なミツバチの巣板が何層にもなってできていた。

陶芸家宅のミツバチと我家のミツバチが姉妹関係にあったことに疑問の余地はない。住み始めた年代がほぼ同じだし、どちらもお風呂好きという性格もそっくりだ。

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それ以上に興味深いのは、天井裏の群が10年もの長期に渡って住み続けていること。(最後は屋根工事で強制撤去してしまったが、我家の群も確か6年以上は住んでいた。)

素人養蜂家が、冬のミツバチ消失の原因を求めて色々と理屈を捏ねているその時に、同じ地域に住む天井裏のミツバチ達は、スムシやオオスズメバチに壊滅させられることもなく、貯蜜不足で凍死することもなく、農薬禍も被らず、女王の産卵能力低下も起きず、だから逃去もしないで、同じ群が同じ場所に10年以上も住み続けている。

ログハウス内部の防寒効果のせいだけではなさそうだ。去年の分蜂では、巣箱を嫌って軒天の天井裏に居を構えたケースも2度経験している。天井裏には、ミツバチの飼育管理に係わるなにか重大な秘密が隠されていそうな気がしてきた。スイスやスロベニアのビー・ハウス(蜂小屋)もそんな効果があってのことかもしれない。

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陶芸家ご主人との話合いで . . .
  • ミツバチは神の使い、縁起の良いことなのでこのまま屋根裏に住まわせることにしましょう。

  • 浴室問題は、ログの隙間に詰め物をすることで対応しましょう。(次々と新しい通路を見つけるミツバチとのイタチごっこになることは覚悟の上で。)
. . . と合意し、ついでに、来年からは敷地内の数カ所に待ち箱を置いて飼育群を手に入れましょう、ということにもなった。