2015/12/18

あゝ野麦峠


枕元に置いたiPadで、睡眠薬代わりに聴いていた「通信高校講座 現代国語 II  ”あゝ野麦峠”」の講義が意外と面白く却って寝つかれなくなってしまった。その内容はおおよそ次のようなもの。

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明治の歴史では銭を使った者だけが褒めそやされ、その銭を稼いだ人達のことはめったに語られない。

明治国家の富国強兵と殖産興業をなし得たのは、"坂の上の雲"のエリート海軍でも、"鹿鳴館"でダンスに興じていた貴婦人達の力ではない。それは雪の野麦峠を往来して、岡谷、松本、上田、佐久地方の工場で厳しい労働に耐えた製糸工女達だった。

日清・日露戦争を勝利に導いた最新鋭軍艦は、彼女達の稼いだ外貨なくして手に入れることは不可能だった。薩長の官吏によって設立された官営工場の多くが垂れ流す赤字も彼女達の織る生糸で穴埋めされていたと言えなくもない。

明治治世への製糸工女達の貢献の事実は、今生き残っている元工女達がいなくなれば人々の記憶から跡形もなく消え失せてしまう。松本平の農家に生まれた著者は、当時まだ生きていた400名近い老婆達へのインタビューを繰り返し、彼女達の証言と関連資料を丹念に集めてドキュメンタリー「あゝ野麦峠」を著した。

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最近読んだ「明治維新という過ち」と同根の話と感じ、早速、「あゝ野麦峠」と「あゝ野麦峠と山本茂実」の2冊の古本を手に入れ読み始めたがこれがまた面白い。

観客の涙を誘うため、暗く悲しい側面だけを強調した映画「あゝ野麦峠」では原作の意図が歪められてしまったとの批判もある。だから「あゝ野麦峠」に興味のある方は、DVDの映画からではなくまずは著書を読むことをお薦めしたい。私は25円の高値を支払ったが今ならアマゾンで19円で買える


野麦峠は、毎年鷹柱見学に訪れる白樺峠のすぐ近くに位置する。
新潟や群馬方面から松本平に南下してきたハチクマやサシバは、梓川渓谷に沿って進み、野麦峠を越えて沖縄諸島や東南アジア方面へと向かう。製糸工場での年季が明けた工女達は、何がしかの銭を懐にして飛騨や富山の実家を目指して麦草峠を越える。
鷲鷹と工女が、それぞれの思いを胸に、それぞれの故郷へと同じ峠を越えて行く姿を想像するとなんとなく楽しい。

注記:「通信高校講座 現代国語II ”あゝ野麦峠”」 1980年 NHKラジオ放送   講師:清水富雄 朗読:広瀬修子アナ

2015/12/12

シダーローズの季節

昨日は一日中尋常でない天気だった。
朝間のドシャ降りは11時ちょっと前にはパタリと止み、あっという間に雲一つない青空に変わった。と思う間もなく突風が吹き始め大木の梢を大きく揺らす。真夏のような強い陽射しで気温はグングン上昇し上着を脱いでも汗をかくほどの暑い午後になった。(注) 

"この風なら . . . "と直ぐ近くの大学の構内に生えているヒマラヤスギの下を歩いてみると無数の雄花に混ざってお目当の球果が散らばっていた。雨で濡れたせいか鱗片は固く締まっているが松ぼっくりの頂部が抜け落ちたものだ。

頭上には、先端部が落ちた後のキャンドルスタンドのような球果基部があちこちに残っている。

拾い集めた数十個の球果を庭先に並べておいたら、今朝の陽光で鱗片が開き始めた。ピンポン球ほどの大きさだった球果が、乾燥とともに鱗片を開いて大きなバラの花ほどに成長する様は見事なもの。これにシダー・ローズ(Cedar Rose)と命名した人のセンスにも感心する。

十分乾燥したら底部から木工ボンドを注入して鱗片がバラけないようにすればクリスマスリースの素材ができる。リースのデザインはまだ決まっていない。

注記:
午前9時台の降雨量16.5mm。
午前11時27分に記録した最大瞬間風速は16.8m/s。
午前3時15分の最低気温6.5度Cが、午前12時29分には24.6(℃)まで上昇。
(気象庁府中観測所の記録から)

2015/12/11

冬入り


隣る木も なくて銀杏の 落葉かな   (鈴木道彦 1757~1819)

他の落葉樹に比べ黄葉や落葉が遅れて進むせいかイチョウの樹は特に晩秋から初冬に目立つような気がする。
「銀杏(ぎんなん)」は秋だが、「銀杏落葉」は冬の季語だということを初めて知った。
(写真 : 野川公園)

2015/12/08

水木しげる氏逝去


11月30日 水木しげる氏逝去。享年93。

深大寺山門の鬼太郎茶屋をはじめ、天神通り商店街のオブジェ、市内ミニバス車体のラッピング、. . . 等々、調布市民にとって水木しげるの"妖怪ワールド"は身近にある日常の風景の一部。

NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の効果もあって、深大寺はいまや国内だけでなく海外からの日本アニメファンのホットスポットになり、境内には韓国語、中国語、そしてシンガポールかららしい英語が飛び交っているのが当たり前の光景になった。

そんな水木しげる氏の調布市への貢献に敬意を表し、市文化会館のホールだけでなく、鬼太郎茶屋の店先、調布銀座商店街の「鬼太郎」や「ねずみ男」のオブジェの前など、今調布市内には献花台が溢れている。
事故現場やお別れ会に設けられた献花光景は、痛ましかったり、物悲しい空気を醸し出しているのが常だが、水木しげる氏の献花台は、どこもなんとなくユーモラスで明るい雰囲気で、献花をする人も笑顔なのが妖怪ワールドらしくていい。
合掌。

2015/11/29

柿と雪山


雪山を背景にした柿の木。撮影場所は津金集落。やや時期が遅くなったこともあり柿の実は随分と数が少なくなっていたが目に入るとつい撮影したくなる光景。

2015/11/28

レタスポット

この夏一番お世話になった生野菜が大泉駅下のパノラマ市場で売られているレタスポット。

朝食の添えにいつも新鮮な青菜が欲しい。でも、つい買い過ぎて食べる前に傷ませてしまうことも多い。そんな問題を解決してくれたのがこの根付きリーフレタス。一週間〜10日間ぐらいであれば毎日新鮮な"朝採り野菜"を食べることができる。単身滞在時には随分と重宝させてもらった。

2015/11/16

カラスウリ(烏瓜)のタネ


この季節、多摩丘陵の山道を歩くと真っ赤に熟したカラスウリの実があちこちで目につく。果実を切り開くとヌルヌルとした果肉に包まれた十数個の種子が姿を現わす。そしてその独特な形状から、人は色々な物を連想し、呼び名も人によりいろいろ異なる。


打出の小槌
形が打出の小槌に似ているこの種子を財布に入れて持ち歩くと大黒天の御利益でお金に苦労しなくなる、と信じている信仰心の厚い人達に支持されている呼称。
結び文
結び文に見立てるのは日本語の雅趣を重んじる文人派。結び文(むすびぶみ)の別名の「玉章(タマズサ)」にちなんでカラスウリをタマズサとも呼ぶ。野草愛好家に多い。
明治マカダミアチョコ
その他、カマキリの頭、結び昆布などという人もいるが、形状が似ているのはなんと言っても明治マカダミアチョコというのが私見。このチョコは、味もチョコレート界の傑作(と自分は思っている)。

2015/11/15

東京蚤の市


東京オーヴ京王閣で開催されている東京蚤の市へ。初日の昨日から続いた雨が昼前にやっと上がったせいもあってか午後はかなりの人出だった。

見慣れたものが多い中で東京蚤の市初お目見え品は、アンティークショップKUMUTOの店先に並べられていたビー・スケップ。この春自分が購入したのと同様バルカン半島から来た蔓細工のヨーロッパ伝統の蜜蜂篭だ。

欧米では以前からレトロなインテリアグッズとしてビンテージ蜜蜂篭のファンがいた。最近では養蜂の実用用具として使いたい、という新しい需要もあるようだ。"サステイナブル・ビーキーピング"の潮流が、伝統的な巣箱で蜜蜂を飼育したいという趣味の養蜂家を増やしているようだ。だから、蔓(あるいは藁)細工のビンテージものスケップは "レアもの" として eBayなどで結構な値段で売られている。

そんなビースケップも日本での知名度はいま一のようで、今日も壁際に置かれた展示品に足と止める人はほとんどいなかった。まだ在庫があるようなのでご興味のある稀有な方がいらっしゃればぜひアンティークショップKUMUTOまで。


2015/11/14

Flow Hive

「Flow Hive」= ハチミツ自動搾り機能付き蜜蜂巣箱

今年3月、この巣箱の開発者が "クラウドファンディングの募集を開始した" というニュースを聞いた時、 "何となく怪しい話" と感じたのが正直なところだった。ところがところがこのクラウドファンディング、世界140カ国から応募が殺到し15億円近い資金を集めたのだそうだ。(ABC TV、"Australian Story")

「今世紀最大の養蜂技術革新」、「クラウドファンディングのサクセスストーリー」などと賞賛の大合唱の中で否定的な意見が全くないわけではない。「人間の都合で蜜蜂の生態を狂わしかねない . . . 」、「ネット社会特有のフィーバー現象。熱はすぐ冷める」などの声がそうだ。
そんな批判に対し開発者は、「煙をかけ、巣板を引き抜き、遠心分離機にかけて蜂蜜全部を奪い取ってしまう現在のやり方の方がよっぽど非自然的だ」と反論する。どちらの意見が正しいかは数年も経てば自ずから明らかになってくるだろう。

それにしてもこの製品の開発者がヒッピー思想信奉者一家というのも面白い。"Back to nature" を信条とするヒッピー父子が、「バズマーケティングを駆使し、クラウドファンディングで資金を集め、プラスティック製品で事業展開をする」と、チグハグなところがアメリカ的だ。

備考:
クラウドファンディング/「群集 (Crowd)」と「ファンディング(資金調達=funding)」の組み合わせ。寄付型、 購入型、投資型などがあるがFlow Hiveのケースは購入型ファンディング。
(上写真はhoneyflow.comから借用)

2015/11/11

木村屋のあんぱん

銀座のアップルストアに行ったついでに立ち寄った木村屋総本舗、久しぶりに"木村屋のあんぱん"に対面した。

創業者木村安兵衛が初めてあんぱんを世に出したのが明治7年、「洋風のパン」と「和風のあん」の融合は文明開化の落とし子。山岡鉄舟の推奨で明治天皇のお花見の席に供したところ 皇后陛下がことのほかお気に召され宮内庁御用達となった。そのニュースが木村屋のあんぱんを一躍有名にし、日本全土にあんぱんブームが沸き起こったのだそうだ。

というわけで「あんぱん」は、「新聞・郵便・瓦斯灯・蒸気船・写真絵・展覧会・軽気球・岡蒸気」と並んで”文明開化の7大流行”としてリストアップされたというからあんぱんの出現には相当なインパクトがあったようだ。(木村屋ホームページから)

木村屋のあんぱんには、桜、小倉、けし、うぐいす、白あんの5種がある。明治天皇は桜あんぱん(右写真)がお好みだったらしいが、自分はやはり小倉が一番あんぱんらしくて好きだ。

2015/11/07

坂の上の雲

森 麻季ソプラノ・リサイタルへ。
森麻季の名前を知ったのはNHKドラマ「坂の上の雲」でだった。エンディングのStand Aloneの澄み切った歌声がなんとも印象的だった。


私は信じる
新たな時がめぐる
凛として旅立つ
一朶(いちだ)の雲を目指し

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「坂の上の雲」はつい先日の仲間内での会合でも話題になった。日清〜日露〜大東亜戦争へと、長州軍閥が支配した帝國陸軍の無謀な戦争の歴史の愚を、長州出身の安倍晋太郎が再び繰り返そうとしている、という参加者の一人の発言が発端だった。


「坂の上の雲」に描かれた幕末維新や明治は司馬遼太郎の作り話。"勝てば官軍" の長州人が、己を美化するために作り上げた偽りの史話だ。なのにそれをあたかも真実かのように語り、日本国民に誤った歴史認識を持たせた司馬遼太郎の罪は大きい。今年の初めに出版された「明治維新という過ち」を読めばそのことが分かる、とのが彼の言い分だ。
であれば次の会議ではその本をネタに議論をしようじゃないか、ということで散会した。

この齢になると本は整理して減らすぶんでももうこれ以上増やしたくはない。そこで市立図書館から借りて読もうとしたらウェイティングリストに66人もの登録があって半年待ちの状態。止むを得ず購入したが今年1月に初版を発刊した本が既に第十五刷まで増刷され、駅前の小さな本屋でいまも平積みで売られていた。山籠もりの身で無知だったが世間ではかなり話題になっている本のようだ。

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座席の抽選でステージ直近のシートが当たったので、森麻季の細かい表情から、息継ぎの息を吸う音まで聞こえるという、まるで自宅の居間で開ているプライベート・コンサートのような贅沢な時間を楽しんだ。コンサートの後のビュッフェ・ディナーもいつも通り満足のいくもの。

2015/11/03

ミツバチ巣箱の菰まき


少し遅くなったが今日は蜜蜂巣箱の菰まき作業。越冬ラッピングをスタイロフォームから稲わら菰に変えてからこの冬で4年目になる。菰のまき方は試行錯誤を重ねながら少しづつ変化している。

今年の改良点は、北米の養蜂家に習い菰の外側をタール紙で覆ったこと。防風・防水性を高め、太陽光熱の吸収を図るためだ。

巣箱の換気・除湿性能を確保するために巣箱上部に切り藁を詰めるスペースを設けた。同時に菰巻きの上部と下部にタール紙を巻かない部分を作り多少空気が流れることを目指した。実際にはどの程度効果があるか分からない。
(右写真は "The Newbee, That's Me" から拝借したもの)

2015/11/01

みずがき湖で「紅葉狩り+オシドリ観察+ダム見学会」


紅葉狩りに出向いたみずがき(瑞牆)湖、緑、赤、黄が適度に混じり合った "山のふもとの裾模樣"は今が一番の見ごろだった。

去年の秋、この湖でオシドリを見たのは11月3日。であればと探してみると、ダム湖の奥の奥、崖下の日陰に20羽ほどのオシドリがひっそりと群れていた。

締めくくりはダム見学会。エレベーターで70メートル下の放水路に降り、職員の方から塩川ダムの全容を詳しく解説してもらうという貴重な体験。塩川ダムが平成10年に完成した比較的新しいダムだということも初めて知った。

. . . と、盛りだくさんの紅葉狩りの1日でした。

2015/10/28

ヒース耐寒試験


寒冷高地の養蜂でヒースが蜜源植物として役立つかどうかを調べようと、何種類かのエリカを植えつけた。

品種:
今回植えたのは以下の4品種。
  • カルーナ・ブルガリス (Calluna vulgaris)
    花期/冬咲き、花色/ピンク、苗木サイズ/H20cm x W18cm
  • エリカ・品種名不詳 (Erika ? )
  • 冬咲き、白、H39cm x W30cm
  • エリカ・メランセラ (Erica melanthera)
  • 秋咲き、ピンク、H30m x W15cm
  • エリカ・カルネア (Erica carnea)
  •  冬咲き、白、H15cm x W20
後は、入荷待ちの(1)エリカ・ダーレーエンシス "シルバースクメルツ" と、(2)エリカ・カルネア "ディッセンバー・レッド" の2品種を追加し、この冬は合計6品種を栽培してみる予定。すべての品種を同時に東京でも栽培し八ヶ岳との成長の違いも比較してみたい。

開花状態  (2015/10/28)
秋咲きのエリカ・メランセラは今満開。他の品種はまだ固い蕾。

2015/10/23

カルーナ・ブルガリス (Calluna Vulgaris)

エリカ・カルネア(Erica Carnea)に混植する"ヒース"樹種をカルーナ・ブルガリス(Calluna Vulgaris)に決めた。

蜜源環境を向上させるため山荘の庭にヒースを植えようと思い立ってから、ネットで情報を集め、関連本に目を通し、大型園芸店を何軒か訪ね歩いたが、俄かガーデナーにはそうたやすい作業ではなかった。

樹種の選択基準は . . .
  • 花期が晩秋〜早春(特に晩秋〜初冬)で、
  • 小さい花をたくさんつけ、
  • それらの花の流蜜期間はできるだけ長く、
  • 氷点下20度前後の寒冷地でも露地で育ち、
  • ミツバチが好んで訪花する。
. . . とハッキリしているのだが、「エリカにすべきか、カルーナにすべきか?」と、まず入り口で立ち止まってしまった。

英語のHeathという言葉は、ヒース(heath)とヘザー(heather)の両方の花木を指すようだが、植物学的には、ヒースはツツジ科(Ericaceae family)エリカ属(Erica genus)、ヘザーはツツジ科カルーナ属(Calluna genus)と、それぞれ違った「属」に分類される二種類の異なる常緑樹なのだそうだ。

映画「嵐が丘」の舞台になった英国ヨークシャーの荒野(上写真)に群生している灌木の多くがカルーナ属のブルガリス種(Calluna vulgaris)。ヨークシャーはヘザー・ハニーの産地としても有名だ。

また、中世から伝統的養蜂が続いているドイツ、リューネブルク(Lüneburg)の原野に生えているのも主にカルーナ属の"ヒース"。であれば、蜜源樹種としてはカルーナ属のヒース(右写真)が本命であることはまず間違いないだろう。

とは言え、一方ではイギリスやスイスで市販されている蜂蜜の多くに"エリカ・ハニー"と名前がつけられているものが多いのも事実。エリカ属ヒースも検討樹種から排除するわけにはいかない。

("エリカ"・ハニーは、花蜜の樹種に関係なく、荒地、痩せ地、不毛の地、ジメジメした湿地、. . . など、"Heath"という言葉に欧米人が感じるネガティブイメージが嫌われ、美しい響きの”Erica”のネーミングを使うため、と私は勝手に推測しているだが?)

というわけで、結論はエリカ属とカルーナ属の両種から”冬咲き種”の代表樹種を選抜し、それぞれが、八ヶ岳高原の冬にどのように適応するかまず見ることにした。耐寒性には不安があるが、秋咲きのエリカ・メランセラ(Erica Melanthera)系の樹種も念のため数品種植えてみる。

備  考:
  • 外観や植生がソックリなこともあって、日本の園芸店だけでなく、本場イギリスやドイツでもヒース、ヘザー、エリカ、カルーナなどの語句はしばしば混同され(あるいは誤用され)ているようだ。その上、園芸用のエリカやカルーナには花期などの植生の異なる無数の変種・改良種があり話はよけいにややこしくなる。購入樹種を決める時にはよほど注意しないといけない。(Better Homes and Gardens)
  • この時期、日本の園芸店で販売されている”ヒース”の多くは「カルーナ属」のヒース、中でもドイツの会社が品種改良した「GardenGirlsシリーズ」が圧倒的に多い。このガーデン・ガールズ系のヒースは、花の色を長期間保持するため、蕾のままで開花をしないように品種改良されているようだ。鑑賞用の園芸種としては良いだろうが花が開かないのでは蜜源花としては困る。
  • ヒースに関する日本語情報源としては「ヒースランド岩手」のWEBが詳しい。

2015/10/17

クロスズメバチ

高島屋二子玉川店の屋上に置かれていたエリカの寄植えに二匹のクロスズメバチが訪花していた。クロスズメバチといえばスガレ追いが盛んな長野や山梨などの自然豊かな田舎のものと思っていたので奇異に感じた。

調べてみるクロスズメバチはそう多くはないが都市部でも生息しているそうだ。都会のクロスズメバチは、人家の壁間や天井裏などに営巣するらしいが、ここ二子玉川にはすぐ近くに多摩川や等々力渓谷がある。田舎のクロスズメバチ同様、土中で営巣できる環境もありそうなので、高島屋の屋上で数匹のクロスズメバチを見たからと言ってそう驚くことではないようだ。

毎年山荘の庭に巣を作るクロスズメバチはおとなしいが、今日のクロスズメバチは違っていた。カメラのレンズを近づけると威嚇するかのように顔に向かって飛んでくる。限られた蜜源を独占するため、都会のクロスズメバチが身につけた生活の知恵?それとも、ミツバチがそうであるように、寒くなってくると気性が激しく攻撃的になってくるのだろう。

2015/10/11

エリカ・カルネア (Erica Carnea)

(写真はHeather Hills Firm, ScotlandのWebから)

カラミンサ効果に気を良くし、次は晩秋から冬の期間の蜜源環境の改善を試みてみようと思い立った。導入予定の樹種はヒース。八ヶ岳高原の寒さに耐え、冬の間でも花を咲かせ、ミツバチが好む花蜜を出す花木と言えば、ヨーロッパの養蜂で実績のあるヒース以外に思い浮かばない。

多くのヒースはアフリカが原産地で基本的には寒さに弱い。でも、ヨーロッパを原産地とする種の中には耐寒性もある種がいくつかあり、その代表的な樹種がエリカ・カルネア(Erica Carnea)だ。

ヨーロッパ中央アルプスやイタリヤアペニン山脈などの高度1500メートル以上の高山帯に自生していて、「アルペンヒース(Alpine Heath)」や「冬咲きヒース(Winter Heath)」とも呼ばれる。氷点下30℃位まで耐え、花期は晩秋〜春先らしいので、八ヶ岳高原の蜜源枯渇期を補完するには理想的な花に思える。

グランドカバーやロックガーデン用に、ヨーロッパでは人気の高いエリカには、園芸種として改良されたものが多く(一説には800種以上あると言われている)、花の咲く時期や、花や葉の色合いなど、それぞれ異なる変種・改良種があるようなので、開花期の異なるいくつかのエリカを混植すれば、八ケ岳の寒冷高地でも一年中蜜源花の絶えないビー・フレンドリー・ガーデンを造ることが可能かもしれない。

スイストレッキングで、エリカを訪花しているミツバチをみつけることはできなかったが、エリカが蜜源花として優れていることは、ドイツ北部のヒース地帯でHeath Beekeeping(German: Heideimkerei)と呼ばれる独特の養蜂術が中世から伝えられていることや、Erica Heather Honey とジャンル分けされるハチミツが存在することで十分に裏付けられている。

この春たまたま"Heath Beekeeping" の特異な分蜂群捕獲方法のことを知り、その手技を来春の分蜂シーズンで試してみようと画策しているところだった。蜜源花のヒース導入と併せて「Heath Beekeeping 八ヶ岳版」の序章になれば楽しいのだが。

2015/10/09

夏をゆく人々

光と緑あふれるイタリア中部・トスカーナ州。人里離れた土地で、昔ながらの方法で養蜂を営む一家の物語。 
. . . の広告コピーに惹かれて、昨晩山を降りて今日は神田神保町の岩波ホールに出向いた。

思春期の少女ジェルソミーナのひと夏の成長物語。カンヌ映画祭グランプリ受賞作ということなので映画はもちろん素晴らしいものなのだろうが、こちらの感性がそれについていけず今一つ感動のないままにホールを後にした。

2015/10/04

フクロウ巣箱


八ヶ岳自然クラブの活動の一環として先月から手掛けていたフクロウの巣箱作りも大詰めを向かえた。今日は仲間三人の加勢を得て塗装作業。秋の強い陽光と適度な風に恵まれ作業は大いにはかどり、明々後日(10月7日)に予定している組立作業会までに必要なパーツはなんとか準備できそうだ。

11年間の使用ですっかり痛んだ古巣箱は全て差し替えられ、八ヶ岳南麓のフクロウ達は来春からは新築物件での営巣になる。

2015/10/03


リュウノウギクが満開。一足先に咲き始めたノコンギクとともに、今花畑は菊一色。

どちらの菊にも小さな虫がたくさん集まっているが今年はミツバチの姿を見かけない。他にもっと好ましい蜜源があるのだろう。

2015/09/30

最後の待ち箱回収


分蜂群捕獲待ち箱の最後の二箱を昨夜持ち帰った。春に入居を確認していながら何となく回収作業のタイミングを失し、野辺に置きっ放しになっていたもの。

巣箱総重量を計ってみると13.4kgと10.2kg。待ち箱の自重が2.5kg前後なので、それぞれの群は10kg、7kgを超える蜜を貯めていることになる。冬越しに必要な最低限の貯蜜量はほぼ確保しているようだ。

巣板は底板近くまで垂れ下がっている。春、入居直後に山荘に連れ帰り、飼育巣箱に移して管理してきた群と比較しても、巣板の大きさ、蜂の総数、推定貯蜜量など、どの面でも遜色がない。待ち箱を置いていた場所が、夏の蜜源環境にも恵まれていたのだろう。

周辺の花も数少なくなり、日に日に気温も下がっているこの時期になってから、待ち箱から飼育巣箱に群を移すのは負荷が大き過ぎるだろう。ということで、待ち箱の下部に作業部屋を、上部に換気部屋を連結して、去年から始めた「KT式待箱をそのまま飼育巣箱として転用」する実験飼育群に加えることにした。
また、この群は建物南面の日当たりの良い場所に設置して "日向養蜂" 群として冬越しさせる計画でもある。

2015/09/27

日本の満月とバリ島の巣箱

(撮影:9月27日18時17分)

日本とバリ島との時差は1時間、今頃バリの東の空にも月が昇り始めたに違いない。そして、Warung氏の蜜蜂がそうであったように、今夜の満月を分蜂( or 逃去)の日と決めて旅立ち前の宴を催している群もあるかもしれない。

今回の満月は今年最大のスーパームーン、バリ伝統巣箱の背景にはこれほどの好機はないだろうと記念写真の撮影会。(上写真は巣箱と月を別撮りして合成。下写真は合成なしの一枚撮り。)

(撮影:9月27日18時52分)