2014/08/28

今日の庭の野草

午後、久しぶりに雲間から陽の光が射したが気温は15〜16度と肌寒い一日。夏草を十分楽しむ間もなく、庭の野草畑はもう秋に向かってグイグイと進んでいる様子だ。

ナナカマド:
随分と色ずいてきた。でも地上には完熟する前に散ってしまった果実も多い。
ツリガネニンジンとワレモコウ:
オミナエシがほぼ終わり。今はワレモコウとツリガネニンジンが一番の見頃のはずなのだが、長雨の中で花の色はいま一つさえない。

タムラソウ:
開花間近の蕾はたくさんあるのだが、日照りが少なく一週間ほど前から足踏み状態。
アキノキリンソウ:
みつばちにとって秋の重要な蜜源花。今年の株はなんとなく小ぶりなので花蜜の量はあまり期待できそうにない。

2014/08/20

ワインビネガーの仕込み


液体の中に浮遊するクラゲのような奇妙な物体。これがワインビネガーを造る時のスターターになる発酵菌の一種「酢母(さくぼ)」だと分かる人はそう多くはいないはずだ。

夏休みを終え帰国(来日?)したワイン造りの師匠YM氏が、フランスの自宅で熟成させているワインビネガーの赤白二種類の菌をはるばるノルマンディーから持って来てくれた。

日本では馴染みの薄いホームメイド・ビネガーだが、フランス、イタリア、スペインなどではかなり盛んに行われているそうで、その"種"は母から娘へ引き継がれ、あるいは親しい知人・友人間で譲ったり譲られたりするらしい。日本の“ぬか床”や、(いまではすっかり廃れてしまったが)"自家製味噌"の食文化に通じるものを感じる。

造り方に関する情報はもちろん、楽しそうな器具類を紹介したホームページも海外には数多い。ネットの解説では、「造り方は実に簡単。飲み残したワインにスターター(=vinegar mother)を入れ、後は熟成するのを待つだけ」とある。

とは言え、今回が初体験の自分にはそう気楽な作業という訳にはいかない。酵母という生き物を扱う作業の工程では何が起きるか分からない。遠くノルマンディーからやって来た酢母の命をここで途絶えさせるわけにはいかない。


ということで、酸化防止剤無添加、100%国産葡萄の赤白ワイン2本を買い求め、蜂蜜瓶を丹念に熱湯殺菌し、食品用無蛍光晒の蓋を準備し、酸素を好み光を嫌う酢母のために、蜜蜂巣箱用の厚板桐材で熟成期保存箱も作った。

この酢母が順調に成長してくれたら、将来は山葡萄やその他の野生果実でのビネガー造りにも挑戦してみたい。そして、自家製ビネガーに興味を持つ友人・知人達へ増やした酢母を分けてあげよう。(そんな人がもしいればの話だが。)

増産体制に入った時に使用する仕込み壺は既に手元にある。ずっと昔、出張で鹿児島県の阿久根市を訪れた折に古道具屋で買い求めた高さ60センチの壺。形と色合いに惹かれて衝動買いをしたが、鹿児島空港で預かり荷物として拒否され、周りの乗客からの怪訝そうな眼差しを受けながら座席で抱きかかえて持ち帰った古壺。

地元では「あまん壺」と呼ばれているご当地名産「黒酢」の仕込み壺であることは後から知った。これまでは野鳥フィーダーのヒマワリ種保存容器として使用してきた。今回のワインビネガープロジェクトがうまく運べば、このあまん壺も九州から八ヶ岳に引っ越してきてから数十年経ってやっと本来の役割を受け持つことになるのだが . . . 。

2014/08/18

蜜源植物:ヤマウド

雨上がりの合間を見計らっていたかのように、たった数株しかない庭のヤマウドの花にミツバチが集まっている。雨続きの中で、近場で食料を集めているのか?

2014/08/05

蜜源植物:ビービーツリー


「ビービーツリーの花が咲き出したから見に来ない?」七里岩のベテラン養蜂家HW氏からの誘いを受けて早速お邪魔した。樹高はゆうに10メートルは超えていると思われる見事な大木のビービーツリー(学名: Evodia Daniellii)が丘の上にそびえ立っている。

樹の下に立つと頭上からウォ〜ンとミツバチの翅音が聞こえてくる。梢の先端に望遠レンズを向けると、ニホンミツバチとセイヨウミツバチが入り乱れて夢中で花粉や花蜜を集めているのが見える。近隣のミツバチが全員集結したのでと思えるほどの賑わいようだ。「ミツバチ磁石(A magnet for honeybees)」の異名もあるビービーツリーだが、その呼び名が決して大げさではないことがよく分かった。

標高1200メートルを越えるわが家の蜂場の頭痛の種は、花木の開花が短期間に集中し過ぎること。マメザクラ、アイヅシモツケ、サラサドウダン、カスミザクラ、ズミ、アオハダ、. . . などが次々と咲き出す春が過ぎ、7月に咲く山栗やリョウブの花が終わると後に続く樹の花はほとんどない。

ミツバチ達は越冬用貯蜜を、アキノキリンソウ、ヤクシソウ、ナギナタコウジュなどの草花に頼らざるを得ないが、それらの野草の流蜜量はたかがしれている。侵略的外来種として嫌われものだが、冬用食糧の供給源としては有益なセイタカアワダチソウでさえここの標高まで来ると生えていない。

そんなことから、4年前に庭にビービーツリーとハチミツソウを植えた。どちらも開花時期が比較的遅いことに期待してのこと。今日の光景を見てその期待が一層膨らんできたが、我家のビービーツリーはやっと2メートルを超えたばかり。HW家のミツバチ達のような豊かな蜜源環境での生活を送れるようになるのはまだまだずっと先のことになりそうだ。

2014/08/03

(続) 「Into Great Silence」


映画「Into Great Silence」を観たかったのにはもう一つの理由があった。

昨年の春、庭の苗床で突然花を咲かせたカルトジアンピンク(学名:Dianthus carthusianorum)。「花の名前はカルトジア会の僧侶を讃えて付けられた」という一文に接し、その背景を詳しく知りたいとこの一年折にふれネット情報を探してきた。

見つかったのは;
  • 「カルトジアンピンクが英国に持ち込まれたのは1536年以前と推測される。. . .  。修道士達はこの植物を筋肉痛やリュウマチの治療薬として利用していた。」(英国王立植物園ホームページ)
. . . というようなコマ切れ情報だけ。肝心の名前の由来に関する疑問を解明するだけの情報はまだ見つかっていない。"もしかしたら映画の中でその解答のヒントになりそうなシーンが見られるのでは"という期待もあって岩波ホールに出向いた。

映画の中で期待するような情報は見つからなかったが、ネットサーフィンの過程でカルトジアンピンクとマツムシソウを混生させた目を見張るような美しい野草畑の写真に出会った。それはスウェーデンの造園家、Peter Gaunitz氏がデザインしたランドスケープの光景。

マツムシソウは我家の庭にも自生している。予期しない形ではあったがカルトジアンピンクも庭の野草仲間に加わって少しづつだが株数を増やしている。であれば、わが家の庭にもミニミニミニ版だがPeter Gaunitz氏デザインのガーデンを真似た光景を再現できるかもしれない。一朝一夕にはいかないだろうが実現してみたい楽しい構想ができた。

(上写真はGaunitz氏のブログから拝借)

2014/08/02

Into Great Silence (邦題:大いなる沈黙へ)


岩波ホールで上映されている「Into Great Silence (邦題:大いなる沈黙へ)」を鑑賞。

「現世の騒音と愚味を遥かに超越して、. . . 絶えまない祈願と霊的読書に沈潜し、. . . 神との神秘的一致」を求めてアルプス山中で清貧な隠生を送るカルトジオ会修道士の日常を記録したドキュメンタリー映画。※(注)

沈思するのは修道士だけでく映画も同じ。わずかばかりの字幕解説があるだけで、セリフ、ナレーション、BGMはもちろんのこと撮影照明も一切なく、モノトーンに近い映像が初めから終わりまで淡々と映し出される。

「何を見て、何を感じる取るか。それはあなた次第です」と言わんばかりの“挑戦的”な作品。そして、こんな映画が連日入場制限がでるほどの盛況らしい。岩波ホールでの好評を受け全国ロードショーが決定

(注)上智史学第28号、「カルトゥジアン会 創立九◯◯年を記念して」(鈴木宣明教授)の講演からの抜粋。写真は映画の中でしばしば映しだされた自室での祈りの光景。