2014/08/05

蜜源植物:ビービーツリー


「ビービーツリーの花が咲き出したから見に来ない?」七里岩のベテラン養蜂家HW氏からの誘いを受けて早速お邪魔した。樹高はゆうに10メートルは超えていると思われる見事な大木のビービーツリー(学名: Evodia Daniellii)が丘の上にそびえ立っている。

樹の下に立つと頭上からウォ〜ンとミツバチの翅音が聞こえてくる。梢の先端に望遠レンズを向けると、ニホンミツバチとセイヨウミツバチが入り乱れて夢中で花粉や花蜜を集めているのが見える。近隣のミツバチが全員集結したのでと思えるほどの賑わいようだ。「ミツバチ磁石(A magnet for honeybees)」の異名もあるビービーツリーだが、その呼び名が決して大げさではないことがよく分かった。

標高1200メートルを越えるわが家の蜂場の頭痛の種は、花木の開花が短期間に集中し過ぎること。マメザクラ、アイヅシモツケ、サラサドウダン、カスミザクラ、ズミ、アオハダ、. . . などが次々と咲き出す春が過ぎ、7月に咲く山栗やリョウブの花が終わると後に続く樹の花はほとんどない。

ミツバチ達は越冬用貯蜜を、アキノキリンソウ、ヤクシソウ、ナギナタコウジュなどの草花に頼らざるを得ないが、それらの野草の流蜜量はたかがしれている。侵略的外来種として嫌われものだが、冬用食糧の供給源としては有益なセイタカアワダチソウでさえここの標高まで来ると生えていない。

そんなことから、4年前に庭にビービーツリーとハチミツソウを植えた。どちらも開花時期が比較的遅いことに期待してのこと。今日の光景を見てその期待が一層膨らんできたが、我家のビービーツリーはやっと2メートルを超えたばかり。HW家のミツバチ達のような豊かな蜜源環境での生活を送れるようになるのはまだまだずっと先のことになりそうだ。