2010/02/28

採蜜は秋か春か?


八ヶ岳高原での養蜂で秋の採蜜は正しいか?これまで漠然と持っていた疑問が、蜜源調査を進めて一層強くなってきた。

八ヶ岳高原での開花は、遅く来る春から短い夏の間に集中する。標高の高い場所では、秋の花は限られ、冬の花木は皆無に近い。

ミツバチは採蜜直後から、新たな巣板を作り、蜂群を増強し、越冬に必要な蜜や花粉をゼロからの蓄えなければならない。秋の採蜜では、周辺の花粉源・蜜源は限られ、集蜜活動も効率が悪いはずだ。
ミツバチの越冬準備がまだ整わないうちに冬に入ってしまう、ということもあるに違いない。

先駆者達の間でも「採蜜のタイミング」について様々な意見があるようだ。例えば . . .
. . . (採蜜は)春季が最も適当で、秋季がその次である。. . .
(実験養蜂新書 - azumasy)

. . . 春になり野山で草木の花が咲き出し、花の蜜が溢れ出す頃になって始めて採蜜する。
(History of Beekeeping - suite101.com)

. . . 紀伊山地地方では六月から七月中旬までに採蜜を行う。. . . 秋はニホンミツバチが集める蜜源植物が少なく、秋から冬にかけてあまり蜜を採取できないからである。
(ニホンミツバチの文化誌 - 日本財団図書館)

. . . 冬期間の蜂群喪失の最大要因は“飢餓”である。春まで十分な食料をミツバチのために残すよう養蜂家は慎重に判断しなければならない。
(Preparing for the winter - エジンバラ養蜂組合)

+ + + + +

それぞれの結論には多少の違いがあっても、“越冬に十分な貯蜜をミツバチに残せる”ような、採蜜のタイミングと採蜜方法を重視していることはどの説にも共通だ。

八ヶ岳高原の養蜂で秋の採蜜にはかなりの疑問を感じる。ましてや、「全巣板からの採蜜」は無謀な行為と感じるのだが?

(写真は、Crabtree Pub Co刊、Runny Honey (Tadpoles)の表紙の一部です)

2010/02/27

アンコールワット展

山梨県立博物館で開催中のアンコールワット展へ。

2001年、上智大学アンコール遺跡国際調査団によってバンデアイ・クデイ遺跡で発掘され、大きな話題を呼んだ彫像の数々も展示されている。

その調査団の生みの親、上智大学学長石澤良昭氏の特別記念講演は、同種のイベントとしては“開館以来最高の人出”と館員の一人がつぶやくほどの盛況。

昨年秋、アンコール遺跡への旅の際にバイヨン寺院の回廊で撮影した上写真。何をしている姿だろうかと分からないままだったが、寺院を建設している石工達の姿だということを今日の講演で知った

2010/02/26

蜜源マップ


最近、元気の良い都会派のミツバチの話をよく耳にする。
銀座ミツバチ物語」を読むと、東京都心でも自然巣ミツバチからの分封がかなり多いらしい。

活発なパリのミツバチ銀座のミツバチともに、その背景には、緑化が進んだ都会の蜜源の豊かさをあげている。であればと、試みに八ヶ岳山荘と東京自宅周辺の蜜源分布を調べて見ようと思い立った。

まずは、ミツバチの採蜜飛飛行距離半径2〜3キロ圏内にあるミツバチが好んで蜜を集めそうな花木で、「巨木」あるいは「かなり群落」しているものだけをプロットしてみたのが上図。

まだデーターも不十分だが、この調査を進めて行けばなにかが見えてきそうな気がしてきた。もちろん、養蜂適地を蜜源だけで評価するわけにはいかない。とは言え「衣食足りて . . . 」は、人間も含め全ての生物にとっての基本だ。

2枚のマップを眺めていると、高度1300メートル近い八ヶ岳高原の養蜂では、“蜜源”は(防寒と同レベルに)もっと重要視すべき養蜂管理上のファクター、ではとの感が強まってくる。

2010/02/25

必読の一冊



「実験養蜂新書」(明治40年発行、吉田弘蔵著、杉本翰香堂刊)
        . . . ブログ知人、[O島@山梨]さんが教えてくれた本。

明治の末、日光の山奥でこれほど科学的な目でニホンミツバチを見つめていた養蜂家がいたことに驚く。その上、その語り口が軽妙で実に楽しく読める。特に、分封についての記述は、不思議でエキサイティングな分封時の様子が生き生きと伝わってくる。

次の「著者あとがき」を読めば、ニホンミツバチ愛好家は一読せざるをえなくなるはずだ。ただ同時に、同書巻頭には上写真のような墨書も掲げているのは意味深ではあるが . . . 。

“本書は養蜂上に於ける余の實驗を基とし蜜蜂飼育法の大要を叙述したものであるから、養蜂家は本書の指導する所に遵由して之を實際に試みなば、其の趣味と實益とを了知せらるるに至るのみならず、萬に一つも失敗を招くことは無いと信ずる。...(以下略)”

+ + + + +

分蜂前夜:

. . . 夕方にその巣箱に耳をあて、静かに巣内の動静に注意してみよう。. . . 盛んに別れの宴を催すようである。時に、清らかで上品な音楽が聞こえることがある。. . . その音はあたかも天使の吹笛のようである。およそ1分ごとに「ヒュー、ウー」と、か細いが高く響く非常に奥ゆかしい特別の羽根音がする。演奏は夜を徹して行われ止まることがない。. . .

分蜂当日:

. . . 蜂群は先を争って巣門を出て空中に飛び出し、輪形を描きながら狂乱したかのように舞い飛ぶ。. . . 女王蜂がゆっくりと巣門を出てくると、宮城を譲り受けることになっている新女王蜂の部隊が、まるで雪崩のような勢いでこけたり転んだりしながら一時にどっと出ててくる。遠征軍を盛んに見送るかのようである。. . . ようやく城の中は静かになり、分封式のすべてが終わるのである。. . .

2010/02/24

Look West!


最近読んでいる「ABC and XYZ . . . 」の影響か、ニホンミツバチを学ぶには、もっとセイヨウミツバチに教えを乞うべきではないか、との思いが強まっている。

確かに両者の間には色々と異なる点はある。でも、ニホンミツバチ愛好家は、ついその“違いの部分”に目を奪われ、同じミツバチ科ミツバチ属の仲間であることを忘れてしまい勝ちだ。

同書で述べられている、養蜂場周辺での蜜源の評価、巣箱設置における留意点、分封群捕獲用トラップの形体や設置場所の選択、. . .  。その個別・具体的な内容の多くがニホンミツバチにも当てはまる。

「古老に学ぶ」的傾向の強いニホンミツバチ界、「分析的・実証的」にミツバチにアプローチしようとするアングロサクソン流手法。どちらにも長短はあろうが、少なくとも後者の方が頭で納得し易いのは確かだ。

ミツバチに関しては、生態研究、養蜂技術の両面で欧米に百日の長があるのも事実。これからは、もう少し青い眼の異人さん達からも学ぶように努めようと思う。

(写真は、BLUEBIRD MARKETのホームページから拝借し一部修正したもの)

2010/02/23

TBH:ビー・スペースと乱雑巣


“ミツバチの乱雑巣は、通常、ビースペースが乱された時に発生する。”

. . . 「ABC and XYZ . . . 」を読んでいて目に止まった説明と写真。(上埋込み写真)

TBH巣箱の設計で最も悩んだのがトップバーの設計。現在入手できる資料はセイヨウミツバチを対象にしたものがほとんどで、ニホンミツバチについて述べたものはまだ見当たらない。

やむを得ず、市販されている巣枠式ニホンミツバチ用のフレームをまねて、バー幅30mm、バー間に5mmの隙間を設けて、バー中心間の距離が35mmになるように試作してみた。(下写真)

そして09/09/11の内検で見た明らかな乱雑造巣。(上写真) もちろんこの一例だけで、その原因がトップバーの寸法とはまだ100%断定できないが、その可能性はおおいにありそうだ。

“ビースペース”は、かのラングストロース氏が開発した近代養蜂技術の中でも最も重要なポイント。ニホンミツバチ用TBH巣箱のトップバーについては、まだまだ研究の余地があるような気がする。

2010/02/22

ハリウッド桜の開花


足踏みしていたハリウッド桜の蕾がやっと開き出した。

ここ数日続いた肌寒い気候で、蕾が膨らんでから2週間近くかかっての開花。満開は去年よりかなり遅くなりそうだ。

2010/02/21

Honey Bee Phone


いつも誰かとブンブン気分。

いっぱい話して、いっぱい笑って、いつも誰かと陽気でハニーな関係でいてほしい。そんな願いを込めてミツバチのようにちっちゃく可愛く仕上げました。

ミツバチはダンスで花のある場所を仲間に伝えます。とっても会話上手なミツバチのように、密の味のおしゃべりをお楽しみください。 

. . . . . (複数のBee Phone広告コピーから抜粋して再構成)

+ + + + +

そろそろ新しい携帯電話に変えようかと、ネットで候補機種を探していて目についた京セラの「BEE PHONE」

製品ネーミングに興味を惹かれたが、宣伝コピーを読むと、自分には不似合いな機種であることがよく理解できた。

2010/02/20

モグラ体験


京王線、調布~布田~国領間の地下化工事が始まってからほぼ6年が経った。今日はその工事現場の一般公開日。

よほどの物好きしか集まらないだろうと思っていたらとんでもない。集合時間の朝10時、現場の国領駅前に到着した時には既に長蛇の列だった。

結局坑道に入ることが出来たのは午後1時を過ぎてから。遅れて来た人達の待ち時間は5〜6時間にもなったらしい。

国領〜調布駅間の1キロ弱の地下坑道の散策。“必見”とまでは言わないが、“一見の価値”はある体験。完成予定は2012年。

蛇足:
写真は、地上の布田駅付近。写っているレールは、工事資材運搬用のもので電車が使用するものではないそうだ。

追記:2010/02/21
YOMIURI ONLINE報道によると今日見学に集った人は2600名。別情報では、希望者が多すぎるので急遽2/28に追加公開日を設定することになったらしい。

2010/02/19

複合汚染


今日は煙突不具合のチェック。

全体的にススの付着はまだ少ない。ただ、外部煙突のL字箇所が、ススとタールでできた“消し炭状の固形物”で完全に目詰まり状態になっていた。

煙突垂直部分に . . .「ススが付く」→「そのススが湿気や結露で湿る」→「夜間凍結する」. . . を繰り返し、ススとタールの塊を筒内壁に生成する。

それがある程度の大きさになると、凍結→溶解の過程で . . . 「煙突内壁から剝離し落下」→「落下した塊がL字箇所に徐々に堆積」. . . を繰り返し、ついに、2/17朝にはそのレベルが限界に達したのが原因と推測できる。

垂直煙突下部には取外し可能な蓋があるので、定期的にそのチェックをしていれば避けられたトラブル。蓋がタールでくっつき外しにくいことを理由にこの冬は一度も蓋を開けていない。

ただ、二十数年間、同じストーブを、同じように使用してきて初めての経験。なぜ今年だけ?との疑問は残る。いつものコナラやブナでなく、今年の薪は小仏峠から運び込んだケヤキがほとんどという違いはあるが、それが原因とは思えない。気候条件?

ベルギー産ヒマワリの種


ヒマワリの種が底をつきそうになったので長坂J-マートで補充。

これまでは “Sun Seeds ひまわりの種” (中国製)を愛用してきた。ただこの製品の欠点は、タネが軽く全く実の入ってないのも結構あること。バイオエタノール用の不合格品だけを集めたものでは、と疑念を持っている。

それに比べこの冬初めて店頭に並んだベルギー産ヒマワリは良質そうだ。小粒だが色は黒々とししっかり実が詰まっている。Sun Seedsに比べかなり割高にはなるが、こちらの方が野鳥が喜びそうなので奮発することにした。

参考:
ベルギーBENELUX製=15kg入り、2980円  (199円/kg)

Sun Seeds = 5kg入り、598円  (120円/kg)

2010/02/18

篠竹刈り


昨日は野草畠の支柱にするための篠竹(シノダケ)刈りをした。春に入ると水を吸い上げ、茎が柔らかくなるだけでなく筒の中に虫も入るので今が最後の刈りどき。収穫したのは、二年生以上で幹が硬くなったもの。長さは2メートル前後にした。去年、一番背の高かった野草は210センチ。この長さがあれば十分だろう。

後は、冬の寒気で乾燥させれば、強くて何年も繰り返し使える支柱ができる。長いのはハバヤマボクチ、ヤマユリ、ツリガネニンジン用。市販の樹脂コーティングしたスチール製支柱より、やはり天然の篠竹支柱の方が野草畑には馴染む。

雪の朝


夜に降り積もった雪のせいか、バードフィーダーは朝早くから千客万来。

繁盛するのはおおいに結構だが、席の奪い合いで喧嘩が絶えないので困る。

普段は仲良く並んで食べているイカル同志でさえ、今朝は激しい闘い。

2010/02/17

煙突のトラブル

朝、ストーブの火着きが悪い。部屋の中に煙が漏れ、屋外煙突の継ぎ目からも水蒸気が吹き出している。

H型の煙突トップなので雪が吹き込んだせいではないだろう。煙突掃除も12月初めにしたので、まだススが詰まったとも思えない。

昨晩就寝後に、ストーブの火が燃え尽きる前後に煙突内部の排気温度が下がり、そのためにできた結露が氷結したためのトラブルに違いない。来年の冬までには断熱煙突に換えた方が良さそうだ。

氷の羊歯(シダ)


今朝はかなり冷え込んだ。浴室や玄関の二重窓の窓ガラスに窓霜ができた。宮沢賢治が“氷羊歯”と呼んだ厳寒の朝だけに見られる自然の造形。
気象庁の観測データーでは、今朝の最低温度はマイナス5.6度。山荘付近ではマイナス8〜9度まで下がったのかも知れない。
追記:数軒隣りのNF氏によると今朝の気温はマイナス11.5度だったらしい。

2010/02/16

夕方から雪


夕方4時半ころ雪が音もなく降り出した。気温マイナス3.5度
(写真は午後5時半撮影)

氷上の楼閣


今年の凍上は激しいようだ。庭の地面のうねりが例年以上に大きい。この冬は、雪でなくて雨の日が多いせいかも知れない。

薪小屋の柱に吊るしておいた、手製の“下げ振り”の示す傾きが大きくなってきた。

薪小屋を建てた時ある程度は予測した問題。ただ、薪の重量があるので、コンクリートブロックを2個も埋めれば十分だろうと考えたが甘かったのかもしれない。

あとは、凍土が融ける春先、地中で起きる土崩れがどう作用するのか?

2010/02/15

雨の露天風呂


日本ミツバチの会へ出席した帰路、パノラマの湯へ立ち寄って早めの夕風呂。

午後3時とあってはさすがに浴客の姿はまばら。山荘を出る時の雪は雨に変わり、露天風呂は雨の中。以前は壁に吊るしてあった雨傘がこのごろは見当たらない。でも、頭に冷雨を受けながらの湯浴みもそう悪くはない。

以前は大泉村で2箇所だった公共温泉が、市町村合併で北杜市内で12箇所と増えた。もっぱら利用するのはこのパノラマの湯。“泉質はいまいち”との噂もあるが、天気の良い日、露天風呂からの富士山や南アルプスの眺めは何ものにも代え難い。

蛇足:写真は雨傘でなく日傘。

綿雪から粉雪へ。そして雨。


目を覚ました時はフワリフワリと舞っていた雪が、昼前には枯れ葉に当ってサラサラと音を立てる小粒の雪に変わった。

樹氷 or 雨氷?」の延長で、この際、雪の種類も調べてみようと手をつけたがこちらも負けず劣らずややこしい。
  • まず、“降っている雪”と “積もった雪”でそれぞれの呼び方がある。
  • そして、“降っている雪”だけでも気象用語(8種)と、通常の会話で使われる語彙(7種)では微妙に差があるようだ。(注1)
  • さらに歳時記には、“かざはな(風花)”、“ゆきひも(雪紐)”、“しずりゆき(枝り雪)”、. . . など、普段はあまり耳にしない美しい名称が数多く並んでいる。(注2)

今日の雪は“綿雪が粉雪に変わった”もの。そして昨日中央道から見た裏高尾の雪景色は、“ゆきしぐれ(雪時雨)が作った風景”らしいということは分かった。

ところが、午後になり粉雪がハラハラと降る雪に変わった時、それを“わた雪”と呼ぶべきか、“はい雪”なのかになるともう確信が持てない。と思う間もなく、雪は雨に変わってしまった。

(注1) 「気象観測の手引き」(気象庁)
(注2)  資料:「カラー図説 日本大歳時記[冬号]」所収

      (写真は「森田さんのお天気ですか?」から。天気に関する詳しい解説がある。)

    2010/02/14

    中央道からの雪山


    移動の途上、中央道から見た山並み。

    裏高尾〜上野原〜大月と、山の中腹から上が真っ白な雪山がずっと続く珍しい光景。

    この様子では、八ヶ岳もかなりの積雪では、と予想していたが山荘付近の雪はそれほどでもない。

    到着寺(午後5時)、外気温、室内気温ともマイナス2度。

    (写真は初狩パーキングから撮影)

    2010/02/13

    樹氷 or 雨氷?


    「樹氷ではなく雨氷のようです」. . . 先のメールへの訂正がOS氏から。

    “雨氷”という言葉に興味を引かれ調べてみると、樹木に氷がつく現象は、その生成条件(気温、風、水分、など)や姿形から、色々と違った呼び名があるようだ。

    結構説明がややこしく、「ウィキペディア」 →「気象庁着氷現象分類」 →「八ヶ岳の自然」(信濃毎日新聞社刊) →「大辞林」と調べ進んでやっとできたのが下の私流まとめ。
    念のため、それぞれの典型的な姿の写真も上に並べてみた。

    霧氷:以下の樹霜、樹氷、粗氷の総称。
    • 樹霜:空気中の水蒸気が凍りついたもの。木の先端まで付着し、結晶は雪の構造に近い
    • 樹氷:(水蒸気より小粒の)霧粒が凍りつき元の樹形が判らないくらいまでになる。一見、雪がついているように見えるが、よく見ると筋状の結晶構造の氷。粗氷より気温が低く風が比較的強い時に発生する。
    • 粗氷:樹氷と比べ透明度の高い霧粒の氷結。表面は滑らかで結晶構造は見られない。風があると風上に向かって大きく成長する。
    雨氷:雨が付着して凍ったもの。

     + + + + +

    小難しく考えないで「がついたら“樹氷”」。日常生活では、これ一つで用を足すのが無難、というのが今回の “労多くして”の結論。
    橋幸 夫の“霧氷”は、樹霜、樹氷、粗氷のどれを歌ったものだろうか?」という疑問も湧いたが、これ以上深入りするのは止めにした。

    2010/02/12

    自然の造形

    “今夜の気象条件では、明日の朝は美しい樹氷が楽しめそうですよ”. . . 昨夜野辺山の地質学者OS氏から届いたメール。比較的暖かい上空から降る雨が、樹々の枝を濡らし、地上近くの氷点下の冷気で氷結し始めているらしい。

    (2010/02/01撮影の縞枯山)

    自然の造形は、色々な条件が重なった時だけ姿を現し、毎年必ず見られるわけではない。だから、そんな風景にでくわすとよけいに感動する。

    左写真は、昨年の3月3日、県営八ヶ岳牧場天女山分場で撮影したもの。

    その時、雪原では“氷のカミソリ”が林立していた。同一方向から絶え間なく吹き続ける風が作り出したもの。

    2010/02/10

    遅ればせの新年会


    六本木の某会員制倶楽部で「新年会 兼 フグを味わう会」。参加者15名。

    今夜のサプライズはフランス、ノルマンディー半島から一時帰国中のY氏の登場。以前「干し草と銀のスプーン」の調査を依頼した御仁だ。8年振りの参加で席は大いに盛り上がった。

    この仲間が集うようになってから今年でちょうど30年。記念行事に「Y氏を訪ねてノルマンディー巡り」をやろうとの緊急動議があり、ヒレ酒の酔いも後押しして全員一致で即刻可決。最近話題のモン・サン=ミシェル(Mont Saint-Michel)も近いらしい。

    前回企画の「向島芸者と遊ぶ会」は参加申込者が少なく沙汰止みになったが、今回は実現しそうな雰囲気だ。

    注記:
    イラストは、長崎市の「味工房 蔵」さんのブログから無断拝借したもの。長崎に出向かれた折にはぜひご利用のほど。

    2010/02/09

    ハリウッド桜


    春一番に開花する桜として、近所で親しまれているハリウッド桜の蕾がずいぶん膨らんできた。

    今から8年ほど前、マンション建設で切り倒をされそうになったが、地元住民の署名運動で生き延びた樹齢50年、幹回り2.5メートルの大樹が2本ある。

    ちなみに、ハリウッド桜という樹種があるわけではない。生えている場所が、元ハリウッド化粧品の工場跡地ということで地元ではそう呼ばれているオオカンザクラ(大寒桜)。

    2010/02/08

    CCDは針小棒大?


    最近、CCD(蜂群崩壊症候群)は騒がれ過ぎでは?、との思いが時折浮かんでくる。

    例えば、最近読んだ論文 注1) . . .

    歴史を紐解けば、大規模なミツバチ消失事件はそんなに特別でないことが分かる、との記述。

    1906年、イギリスで大々的な蜂群崩壊現象が起きた。原因究明の議論は長期間に渡って続き、その最終結論は複合要因説。. . . 最近のCCD騒動とそっくりだ。

    また例えば、上のテーブル図で示す調査結果 . . .

    「あなたの消滅した蜂群、その主な原因は何だったと思いますか?」との質問に対する米国養蜂家の回答。注2)

    養蜂家の関心は、(1)十分な貯蜜、(2)元気な女王蜂、(3)穏やかな冬の気候。 昔から言われてきた冬越し成功の3大要因に変化は見られない。
    「CCDでミツバチ大激減」というマスコミ報道から受けるイメージとはかなり様子が違う。

     + + + + +

    CCD問題、実は自然の生態系では普通に起きている、生物増減現象の一局面というだけの話なのかも知れない。我が山荘でも、カメムシが大量に発生する年もあれば、ほとんど姿を見せないこともある。

    注1) : "Honey bee colony losses" (Journal of Apicultural Research 49(1):1-6(2010), By Peter Neumann and Norman L Carreck)"


    注2): 上図グラグは、 "
    A survey of honey bee colony losses in the United States, fall 2008 to spring 2009"の調査結果から引用。
       調査機関:IBRA(国際蜂研究所)、USDA(米国農務省)、BEEL(ペンシルベニ ア養蜂組合)

       回答サンプル数:養蜂家 647,931人(総飼育群数=2,300,000箱)

       調査対象期間:2008冬(08/10〜09/03)

       回答件数(%):回答数(重複計上) ÷ 総回答件数

    2010/02/07

    端境期


    午後、散歩で訪れた神代植物公園グリーンギャラリーの庭。

    池の水面は一面の氷結。そして、地上には満開のスノードロップ、ユキワリイチゲ、フクジュソウ。

    季節はもう冬と春の“端境期”に入ったようだ。

    メモ:
    我が家の植物図鑑には、この場所のユキワリイチゲが3月11 日に咲いていたとの2000年のメモ書きがある。
    10年間で開花時期が一ヶ月も早まったのだろうか?

    2010/02/06

    藤棚工事


    去年の秋の台風で倒れ、応急処置で凌いできた藤棚の取替え工事を。

    藤棚と言っても狭い庭では公園で見かけるような本格的な藤棚を造るだけのスペースはない。

    ネットで探しまわりやっと見つけた一番コンパクトなものが「村の鍛冶屋」が販売している“アルミ製ユニット藤棚”。 (UFN-1G、180W x 90D x 200H、38,500円)。

    ネットでの買物はいつも現物を見るまで一抹の不安があるが、今回の製品は溶接の骨組みもしっかりしており、ダークグリーンの塗装も落ち着いた色合いでほぼ期待どおり。

    セットを組み立てるだけなので楽勝の作業と始めたが、結局はまるまる半日を費やすことに。地中にビッシリとはびこったナンテンの根で、支柱を埋める穴堀りにすっかり手こずってしまった。4月末のフジの開花が待ち遠しくなった。

    2010/02/04

    Beekeeper's Bible


    誕生日プレゼントにと、海外から送られてきた「ABC and XYZ of BEE CULTURE」。以前から手元に一冊置きたいと考えていた本だった。今回贈ってくれたのは、1990年発刊の第40改訂版。

    米国の富豪実業家で養蜂家のAmos Ives Root氏が書き貯めた記録を一冊の単行本として出版したのが1879年(明治12年)。爾来、Root氏の志を受け継いだRoot家のファミリーや、その時代時代のトップクラスの研究者や養蜂家の手によってこれまで41回の改訂が重ねられてきた。

    一冊の本が、130年以上もの長い間改訂を重ねながら“新しい本”として読み続けられているというのは希有なことだろう。上写真は米国John Pluta氏のコレクション写真(注1)だが、41冊の全ての刊が並ぶ書架は想像しただけでも壮観。養蜂技術の歴史的変遷を知る上でも貴重な資料だろう。

    米国では“Beekeeper's Bible”と呼ばれ、コレクターズアイテムとして時々オークションにかけられてもいる。516頁とかなりな大書だが、百科事典形式にテーマごとに短い節でまとめられているので興味ある項目を拾い読みできるのが良い。

    米国からセイヨウミツバチと養蜂技術が輸入され、日本で初めて近代養蜂がスタートしたとされているのが明治10年頃。ほぼ同時期に出版されているので、当時の日本人パイオニア養蜂家も、きっとこの本を片手に新しい養蜂技術の習得に励んだに違いない。

    (注1) John Pluta氏が公開しているPicasaウェブアルバムから拝借したもの。

    2010/02/03

    雪国


    東京への帰路に見た南アルプスの山並み。

    一昨日からの雪で、大泉集落はすっかり雪国の景色になった。

    氷柱の朝


    快晴。気温マイナス3度。

    朝日があたる東側の屋根の雪が融け、ツララがドンドン延びていく。
    午後3時、一番長いツララは126cmまで成長した。

    2010/02/02

    ホオジロとアトリ

    ここ数日、フィーダーに集まる野鳥に、ホオジロとアトリの姿が目立つ。

    (写真はダンコウバイの枝に止まって、フィーダーの順番を待つアトリ。)

    寒いほどお得フェアー


    毎冬恒例の清里の「寒い程お得フェアー」が昨日からスタート。

    そして、早速今朝の気温はマイナス3度C。ということで、昼食は清泉寮レストランへ。

    キノコライスをチキンのポワレで包んだメインディッシュは香ばしく美味。

    ポテトスープ、サラダバーでお代わり自由の根菜サラダ(写真)、食後のコーヒーがついて通常価格2100円のランチが30%割引の1470円。

    静かな冬の清泉寮でスローなランチタイムが楽しめた。

    この冬一番の積雪



    眼を覚ますと一面の銀世界(積雪 23cm)。昨夜から風が静かなので、バードハウスの屋根もキリンソウの花殻も、厚い雪の綿帽子を冠っている。
    外気温はプラス1度。この雪景色もそう長続きしそうにない。

    2010/02/01

    スノーシューハイキング


    八ヶ岳自然クラブのスノーシューハイキング。フィールドは縞枯山(標高2403m)。参加者19名。

    午前中は、北・中央・南アルプスに加え、八ヶ岳、浅間山もみえる絶景のパノラマ風景。予定していたコーヒータイムは、縞枯山荘がクローズのため実現せず。

    コースの終点に近づいた午後3時頃から降り出した雪は夕方には本格的な降りに。夜、山梨県全域に大雪注意報。