今年はラングストロースの生誕200年。米国では、特別行事や記念切手の発行などを求める運動が展開されているらしい。
牧師であり教師、そして、backyard beekeeperの草分けでもある
L.L.Langstroth氏は、“近代養蜂の父”と呼ばれている。
巣箱の巣枠間同士、あるいは巣枠と天井板や側壁との間に一定の隙間(=“ビースペース”)が必要なことを発見し、そのことが養蜂管理を飛躍的に改善し、移動式養蜂を可能にしたとされている。ジョン万次郎が漂流してアメリカ大陸に流れ着き、再び日本の地を踏んだ1851年頃のことだ。以来、ラングストロース式巣箱(
Langstroth's bee hive)は、商業養蜂巣箱のスタンダードとして今でも世界中で使用されている。
「ビースペースや開閉式天板は、以前から既にヨーロッパでは知られていた。彼の新発見ではない」との声もある。たぶんラングストロースの功績は、それら個別の知見や技術を統合し、養蜂技術として一つのシステムとして体系化したことにあったのかもしれない。
ハチ飼い仲間では常識の「ビースペース」も、一般的にはあまりしられていないようだ。日本語で “ビースペース”の語句でGoogle検索をかけると、ビリヤード場(billiard)、地階レストラン(basement)、耐衝撃性設備(burst-proof)、レンタルボックス屋(space)、. . . などの社名や店舗名のサイトが続き、一向にミツバチの話には行き着かない。