2010/02/08
CCDは針小棒大?
最近、CCD(蜂群崩壊症候群)は騒がれ過ぎでは?、との思いが時折浮かんでくる。
例えば、最近読んだ論文 注1) . . .
歴史を紐解けば、大規模なミツバチ消失事件はそんなに特別でないことが分かる、との記述。
1906年、イギリスで大々的な蜂群崩壊現象が起きた。原因究明の議論は長期間に渡って続き、その最終結論は複合要因説。. . . 最近のCCD騒動とそっくりだ。
また例えば、上のテーブル図で示す調査結果 . . .
「あなたの消滅した蜂群、その主な原因は何だったと思いますか?」との質問に対する米国養蜂家の回答。注2)
養蜂家の関心は、(1)十分な貯蜜、(2)元気な女王蜂、(3)穏やかな冬の気候。 昔から言われてきた冬越し成功の3大要因に変化は見られない。
「CCDでミツバチ大激減」というマスコミ報道から受けるイメージとはかなり様子が違う。
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CCD問題、実は自然の生態系では普通に起きている、生物増減現象の一局面というだけの話なのかも知れない。我が山荘でも、カメムシが大量に発生する年もあれば、ほとんど姿を見せないこともある。
注1) : "Honey bee colony losses" (Journal of Apicultural Research 49(1):1-6(2010), By Peter Neumann and Norman L Carreck)"
注2): 上図グラグは、 "A survey of honey bee colony losses in the United States, fall 2008 to spring 2009"の調査結果から引用。
調査機関:IBRA(国際蜂研究所)、USDA(米国農務省)、BEEL(ペンシルベニ ア養蜂組合)
回答サンプル数:養蜂家 647,931人(総飼育群数=2,300,000箱)
調査対象期間:2008冬(08/10〜09/03)
回答件数(%):回答数(重複計上) ÷ 総回答件数