バリ島のミツバチ (2)の続き
ミツバチは「満月の日」にこの蜂洞に入ってきて、一年間ほど住みついて「満月の日」に出て行った。
. . . . . 巣箱を譲ってくれたWarung氏が "この蜂洞にミツバチはどのくらい住み着いていたの?" という私の問いに応えて。
採蜜作業は「満月の日」の深夜、ミツバチが皆眠りについてから始めた。
. . . . . バリの伝統的様式でミツバチを飼っているPermaculture Centerのブログ。
何のてらいも気取りもなく「満月の日に . . . 」と語るWarung氏やPermaculture Centerの言葉の背景には、バリ島の人々の月に対する深いシンパシーがあるようだ。イスラム教徒の多いインドネシアで、バリ島は例外的にヒンズー教徒が多く、今でもバリ・ヒンズー教が生きている「神々の棲む島」でもある。
そんなバリ人にとって欠かすことのできないのが満月祭。満月の日は、大人も子供も、男も女も民族衣装で着飾り、近くの寺院や、家寺(自分の屋敷内にある私有寺)に参詣し、神への供物を捧げ、瞑想と祈りの時間を過ごす。
汗水流して稼いだお金の大半を、供物や祭の御馳走に費やし、この一ヶ月間に遭遇した幸と不幸、善と悪の全てを浄化し、新たな生活をリスタートする。
満月祭は、バリ人の生活サイクルに組み込まれ、"日常"の一部としてしっかり根付いているように見える。
今後の養蜂生活のテーマの一つに「月齢とミツバチの行動における相関性」を加えようかとかなり本気で考え始めているのは、バリ島のスピリチュアルな空気に感化されたせいかもしれない。
(写真上はimgLOP、中・下はSurfing The Planetからの借用)