“両側につくられている巣房は水平のようにみえるが、巣脾の上半はだいたい3〜4°上方に向かい、蜜がこぼれないようにつくられている。”. . . と書かれている。(左埋込み写真は同書p23のイラストを拝借したもの。)
ところが、TBH巣箱群の巣房を観察すると、実際には入口が下方に向いた巣房もかなり多い。この上方傾斜説は、“通常は” の枕詞付きで理解すべきで、“全ての巣房”がそうだと信じることはできなそうだ。
同時に、井上丹治氏は同書で「巣房の形はだいたい正六角形を呈しているが、精密に測定すると3〜5°の誤差がある」とも記している。ミツバチの巣はかなり精緻に作られるもの、と考えていたが意外と大雑把な面もあるようだ。