藁の中で保存している干柿をのぞいて見ると、ところどころに白い粉らしいものが付いている。
でもまだ、白粉(おしろい)美人というにはほど遠い。そこで、白い粉をたっぷり付ける方法をネットで探してみた。
- 2週間くらい寒風にあて水分を抜き仕上げた後にじっくりと室内で乾燥させると表面に白粉がふいてくる。
- 干して柔らかくなってきた柿の表面をタワシでごしごしこすると白粉が吹き出す。
- ていねいな柿もみと寝かせ込みを3〜4回程繰り返すと、白い粉に覆われた干し柿が出来上がる。
- ポリ袋に入れ、冷蔵庫に10~20日入れておくと真っ白になる。
- 紙箱に立てかけて置くと、少しずつ自然に白粉が吹いて来る。
更には、干柿に付く白い粉には . . .
- 果糖(α-D-グルコース)が果肉から染み出て結晶化したもの、と
- 果肉表面に麹菌が繁殖したもの
(1)の果糖が結晶化したものは「柿霜(しそう)」とも呼ばれ、漢方では清熱、潤燥、化痰、止咳(咽喉痛、咳、口内炎)作用があると言われているそうだ。「先人の知恵」のワラに寝かせる方法は、稲ワラの納豆菌を利用して(2)の麹カビを増殖させるためのようだ。
白粉美人を望むなら、まず、麹菌と果糖結晶のどちらの白粉を付けたいのかを決め、その後で作業方法の検討に入る必要がありそうだ。
蛇足:ついでに、以前から疑問に思っていた「ころ柿」と「あんぽ柿」の違いを調べているが、いまだに良く分からない。
- 「島根県農業試験場だより」第92号には、「白粉がふいた干し柿を“ころ柿”、白粉をふかさないで少し柔らかく干したものを“あんぽ柿”と呼ぶ」と記述されいる。
- 一方、ウィキペディアには「あんぽ柿は、渋柿を硫黄で薫蒸した干し柿」とある。
- でも、以前伊那谷へ市田柿の工場を見学に行った折、硫黄燻蒸をしていたのを見た記憶があるが、長野県下伊那地方事務所農政課のホームページでは「市田柿はころ柿に区分される」と書かれている。