2013/10/08

床下養蜂

築30年近くにもなると、山荘のあちこちにガタがくる。漏水事故を起こした水道・給湯管の取替え工事がやっと終わり、今は床下の断熱材の入替え工事中。

作業の邪魔になるので、ここ数日は、この30年間に床下に溜め込んできた物品(端材や廃材、捨てる決断ができない不要品ばかりなのだが)の整理作業で忙しい。

そして、片付けた後の床下には、思いのほかスペースがあることに気づいた。その空間を眺めていると、ここにミツバチの巣箱を置いて「床下養蜂」をやってみよう、という思いが募ってきた。

天井裏や床下に住みついたミツバチが、長期間生存した例はしばしば見聞する。すぐ近くの陶芸家氏のログハウスの天井裏に住んでいるミツバチは、今年で12〜3年目になるそうだ。

敬愛する吉田弘蔵翁も;
. . . 信濃國埴科郡坂城町宮澤甲子之助氏の土蔵の床下に住む蜜蜂は、氏の祖父さへも其の来歴を知らぬ程永年居るのであるが . . .
と「實驗養蜂新書」に記している。

巣箱飼育群で、10年以上にも渡ってミツバチが継続して住み続けた、という話はこれまで聞いたことがない。天井裏や床下には、飼育巣箱にはないなにかがあるのに違いない。

我家の貧相な床下を、宮澤家の土蔵の床下と比ぶべくもないだろうが、「床下養蜂」は試してみる価値はあるだろう。
  • コンクリートの布基礎に通用門の穴を開け、ミツバチは通れるがスズメバチは通れないような鉄格子を取り付けよう。
  • むき出しの土の表面に土間防湿シートで覆って湿気の発生を抑えよう。
  • 手持ちの巣箱でもなんとか置けそうだが、床下専用の巣箱を新たに設計した方がいいだろう。
  • この床下群からは採蜜は一切しないで、毎春の分蜂群の供給元としてだけの役割を負ってもらおう。
  • . . . 
断熱材工事もまだ終わっていないというのに、頭の中は既に「床下養蜂」作業へと移行している。

2013/10/07

(続) 山葡萄ワイン 2013

. . . 「山葡萄ワイン 2013」からの続き


昨年と違い今年の山葡萄ワイン作りは発酵がうまく進んでいるようで、気泡が次々とエアーロックを通過していく。

「ガラス製のエアーロックの方が澄み切ったいい音がして好ましい」・ ・ ・ ノルマンディーのワイン師匠のご託宣だが、まだガラス製を入手できていないので、今年もとりあえずはプラスチック製エアーロックで我慢している。“ボワン!”と少々濁った音だが、それでも夜の室内にその音がリズミカルに聞こえると、なんとなく部屋が温かくなる。

以下がこれまでの作業の記録:
  • 9月25日 ブドウ採取、採取量 7.0kg
  • 9月26日 摘果・瓶詰め
    - ブドウ菌を残すため水洗いは一切せず。
    - 渋みを抑えたいので果柄は全て外し果粒だけに。
    - 少量づつポテトマッシャーで潰し8L果実酒瓶に充填。
    - ぶどう液量(皮、種込み)= 5.7kg
  • 翌日(9/27)から発酵気泡が発生し始めたが、発生頻度は徐々にスローダウンし、9月29日には気泡の流れはほぼ停止。
  • 9月30日 ワインイースト菌 5g、砂糖100gを添加して発酵を促す。加えた一時間くらい後から発酵が再開。エアーロック内を盛んに(一分間に10回くらい)気泡が通過する。
  • 10/7 気泡の通過は一分間に2〜3回までにスローダウン。
. . . 「続々 山葡萄ワイン 2013」へ続く

2013/10/06

山栗が豊作

風が吹いていようがいまいが、昼間であろうが夜中であろうが、ここ数日、栗の実が屋根を転がる音がひっきりなしだ。ドスンと大きな音がして、驚かされることも度々だ。


小粒で食べるのが面倒なので無視していたが、通路に転がっているのを踏み潰すのも忍びないので、掃除がてら拾い始めたら直ぐに洗い籠が一杯になった。
圧力鍋で10分間茹でて自然放熱。冷めた実をナイフで真っ二つに割り、小さなスプーンで果肉をほじって食べる。

これが思いのほか美味しい。香ばしさと、ほどよい甘さがいかにも山里の秋の味。つい夢中になって食べ続けていた。
明日もう一篭拾拾うことにする。

2013/10/03

御嶽山


一泊二日で御嶽山の“山頂の紅葉”見物へ。快晴の秋晴れというわけにはいかなかったが、時折、風で雲が流されて山頂が姿を現すと9合目付近は今紅葉のピーク。出足が遅れ雪の御嶽山を見るはめになってしまった去年の借りを返した思いだ。

宿泊したのは昨年同様「おん宿蔦屋」。食事の美味しさが気に入っている木曽福島の老舗旅館。メニューが豊富だけでなく、一品一品が丁寧に調理されているのがよく分かる味。

中山道木曽路十一宿の中で木曽福島は、古い宿場の街並み保存の点では、妻籠、馬籠、奈良井ほど有名ではないかもしれない。
でも通りを歩くと、自分たちの街を美しくしたい、という住民の意思がそこかしこに感じられて好感の持てる街だ。

朝早く、路地のあちこちに響く鈴の音。小学生のランドセルに付けられた熊除けの鈴だが、山国の風物詩のように耳に心地よい。早朝の散歩ですれ違う小学生達が、皆元気の良い朝の挨拶をしてくれるのも気持ちが良い。

2013/09/29

アサギマダラ二態


昨日の鷲鷹ウォッチングの時に見かけたアサギマダラ。標高1600mの白樺峠のはるか上空を風に流されるように飛んでいた。九州や沖縄、あるいは、台湾への渡りの途中なのだろうか?思わず「ガンバレ!」と声をかけた。

「タカの渡り観察ガイドブック」(文一総合出版刊)によると、クマタカとほほ同じ時期に、秋の渡りのアサギマダラが白樺峠を通過するそうだ。飛翔する陰影をワシタカと見間違うこともあるらしい。(右スケッチも同書から)


そして、ここ数日山荘の庭で頻繁に見かけるアサギマダラ。もうとっくに花期を終えたタムラソウやサラシナショウマの花で羽根を休めているがいまひとつ元気がない。旅立ちは断念し、ここを終の棲家と決めたかのだろうか?
こちらにも同じように「ガンバレ!」と声をかけたくなる。

2013/09/28

再び白樺峠へ


今シーズンせめてもう一度と9/22に出向いた白樺峠を再訪した。今回の同行仲間は、バードウォッチングだけでなくバードカービングにも長けたKM氏と、野生生物の撮影ではプロ並みの腕と実績を持つKT氏。

午前10時半に現地に到着し、午後2時半までの4時間の観察の間、上空には次々と鷲鷹の姿が現れ、ミニ鷹柱も数回発生し、昼食のおにぎりをゆっくりと食べる間もないほどエキサイティングな時間が続いた。

自分の判断の正否を即座に確認してくれるベテランウォッチャーが側にいるお陰で、サシバ、ハチクマ、ノスリの基本三種が見分けられるようになったのが今日の大きな収穫。

また、鳥種の判定で写真撮影の重要さも認識させられた。例えば上の写真。KT氏撮影のものだが、ノスリ識別のポイントが見事に写し込まれている。

一方自分で撮影した右の写真。「ハチクマ?それともノスリ?」と、いつも「?」マーク付きでしか同定できないもどかしさがある。カメラの差だけではないことは重々知りながらも、ついネットで新しいカメラを探し始めている。

2013/09/27

北八ツ池巡り


北八ヶ岳には、白駒池、雨池、双子池、亀甲(きっこう)池、血の池、七つ池、茶水の池、みどり池、. . . と、大小様々な多くの湖が点在する。

今日の企画「北八ヶ岳池巡り」(八ヶ岳自然クラブ主催)は、大河原峠〜双子山(2223m)〜双子池(雄池、雌池)〜亀甲池をハイクし、早秋の景色を楽しみながら湖沼生成の過程を学ぼうというもの。

快晴。清涼な秋の大気。南アルプス、中央アルプス、北アルプス、浅間山、八ヶ岳と、日本列島中央地溝帯が遠望でき、今日のテーマにお誂え向きの絶好の天気が終日続いた。

台風18号と20号がもたらした雨のせいか亀甲池は満水。湖底の亀甲文様を見ることはできなかったが、湖畔で行われたクラブメンバーで地質学者のKM氏の戸外授業は、テーマの対象の山塊や湖沼を眼前にしながらなので一層の臨場感が湧く。

130万年前の八ヶ岳古火山の生誕に始まり、幾度もの噴火を繰り返しながら標高が3400Mまでになった八ヶ岳。その後の大噴火で頂部を吹き飛ばし、新参者の富士山に高さ比べで追い抜かれてしまったのが10万年ほど前の話。北八ヶ岳に数多くの湖ができたのはそれからずっと後のことで、地質学的には"ごくごく最近の出来事"なのだそうだ。

KM氏の次回戸外授業は、フォッサマグナを挟んだ対岸、南アルプスの麓の精進ヶ滝で10月10日に予定されている。

2013/09/22

鷹柱見学


八ヶ岳自然文化園主催の「八ヶ岳講座: タカの渡り観察会」に参加。フィールドは上高地乗鞍スーパー林道の白樺峠。猛禽類ウォッチングを思い立ってから2年、やっと念願の白樺峠デビューが実現した。

タカの渡り観察ガイドブック(注)によれば、信越、関東北部で子育てを終えたワシタカの渡りは、
  • 上昇気流を利用してできるだけ高く舞い上がり、
  • 次のポイントめがけて一気に滑空飛行 . . . 
  • を繰り返し、体力を消耗しないで、ハイスピード飛行での移動を実現するそうだ。
白樺峠は . . .
  • ハチクマのように朝鮮半島・中国大陸経由で東南アジアへ向かうグループ、
  • サシバのように沖縄諸島・台湾経由で東南アジアを目指すどちらのグループも通過する渡り鳥銀座。
  • 松本平野から梓川沿いの渓谷に流れ込んだ風が、奈川の渓谷で上昇気流を立ち上げる。その上昇気流を利用しようとワシタカが新潟、群馬、埼玉、栃木方面から集結する。




信州ワシタカ類渡り調査研究グループの調査によれば、今年の白樺峠での渡りは、台風18号が通過した9月17日にハイシーズンを迎え、その後に続いたここ数日の晴天を利用して、付近の山野で待機していた多くの鷲鷹も既に南を目指して旅立ってしまったようだ。

ということで、今日は大きな鷹柱の出現は無かったが、それでもサシバ、ハチクマ、ハヤブサなどの猛禽類が確認できたのでデビュー初日にしては上出来の成果だろう。
(上写真の円内は飛翔するハチクマ。米粒のように写った姿を思いっきり拡大したもの。)

前述の研究グループの調査では、昨年秋(9/1〜11/13)に白樺峠を通過したワシタカの総数は18,679羽。今シーズンはこれまでまだ7,843羽しかカウントされていないので、今年も昨年とほぼ同数のワシタカが白樺峠を通過するとするとすれば、これから10,000羽近い数のワシタカを見られるはずだ。

鷹柱が多く発生するのは、上昇気流が発生する雨上がり後の晴天日。台風20号が予定どおり通過すれば、今週金曜日(9/27)は今シーズンのピークになりそうな気配なので再度の白樺峠詣になりそうだ。

注記:信州ワシタカ類渡り調査研究グループ著、文一総合出版刊、2枚のスケッチは、同書掲載の図を転写し一部加工したもの。

2013/09/21

秋日和

野草畑のあちこちに咲いているアキノキリンソウの株をミツバチ達が忙しそうに飛び回っている。わが家周辺で、アキノキリンソウは初秋〜中秋の主要蜜源花。

一方、秋の陽光を浴び巣門前でのんびりと日向ぼっこをするミツバチ達も。それぞれが秋日和を満喫している風情だ。

2013/09/20

赤山椒シーズン


山椒の実がやっと色づいてきた。昨年に比べて約一週間ほど遅い。大半の樹が今は②〜③の段階。今から一週間も経たないうちに④へと進み時を経ずして果皮は地上に散ってしまう。収穫のチャンスはここ数日のようだ。

乾燥後の色合いは3週間前に収穫したものと比較するとこれだけの差がある。味覚や香りにどのような違いがあるのか楽しみだ。

2013/09/19

山葡萄ワイン 2013

ここ数日の好天気で一気に山葡萄の実が熟し、気の早い房はパラパラと果粒を落とし始めた。昨年は醗酵が今ひとつうまくいかず、ワインではなくジュースに終わってしまった山葡萄のワイン作り、今年こそはと念入りの準備を進めた。

昨年ワイン作りの手ほどきを受けたのはノルマンディーの賢人YM氏。氏の薦めに従いまずは「First Steps in Winemaking」の書籍を購入し、ワイン作りの全体像を理解することから始めた。

さらには、「ワイン作りはまさにバイオテクノロジー。科学的な管理が必要な奥の深い作業です . . . 比重計は手元に置いた方が良いでしょう」とのYM氏のコメントを思い起こし比重計も購入した。

ということで、今年は理論武装と生産設備はずいぶんと前進したが、YM氏が求める肝心の“科学的な管理能力”となると一朝一夕にはむずかしい。ともあれ、去年の失敗を踏まえながら再度挑戦してみようと思う。


. . . 「続 山葡萄ワイン 2013」へ続く

2013/09/09

御所の花展

武蔵野の自然がそのまま残っていると言われる皇居吹上御苑に咲く草花を、安野光雅画伯が1年4か月通って描いた画集「御所の花」(朝日新聞出版、2013年7月刊)の原画展。

ノアザミ、ツリフネソウ、ユウスゲ、キキョウ、オミナエシ、ワレモコウ. . . など、描かれた植物の多くは八ヶ岳高原でも馴染みのある草花。御所の庭には、天皇・皇后両陛下が、軽井沢や那須の御用邸から種子を持ち帰って育てた高原の野草も多いらしい。

野の花と小人たち―画集」のような、克明繊細な筆致で描かれた植物画を勝手に想像して出向いたが、予想とはずいぶん違っていた。


. . . 暮色が深まるほどに花色が明るく輝いてくるユウスゲ
. . . 種子を飛ばす大役を終え、今は風の吹くままにたなびくススキ
. . . モノトーンの冬の雑木林でひときわ目を引くイイギリ

画伯の心象風景を描いたのではと思えるほど、背景や細部の描写を簡素化した水墨画のような雰囲気の作品には、「野の花と. . . 」や「旅の絵本」シリーズとはまた違う安野ワールドがあった。

今日は巡回展覧会の東京での最終日。かなりの混雑を覚悟して出向いたが、ウィークデイの午前中ということもあってか、意外とゆっくりと鑑賞できたのは幸いだった。

(中写真はパンフレットからの転写)

2013/09/08

粉山椒用乳鉢

粉山椒はやはり使用する都度擦り潰した方が香りも麻味も引き立つ。で、購入したのがパキスタン産オニックス大理石の乳鉢。頑丈で使い勝手も悪くない。

2013/09/04

2013年度 かかしコンテスト

春から秋にかけて、八ヶ岳南麓〜七里岩〜釜無川流域の里山を飾ったカカシ達。ノミネートされた数多くの中から、最終選考で2013年コンテストの栄えある受賞者となった3人の発表です。(なお、選考は筆者の独断と偏見で行いました。)

金賞①
「雀退治」から「地産米PR」へと、時代の変化に合わせて役割を変えた営農センス、シックな装いと肩に掛けたビンテージ物の除草機でエコ農法をさりげなく宣伝し、軽く上げた左足で動きを加え、. . . と、心憎いばかりの工夫が随所に見られる秀作(長坂ブロック代表)


銀賞②
コスプレとメイドカフェをミックスしたようなファッションには賛否両論が出そうだが、衣服やアクセサリー小物、カラオケマイクの握り方など、細部にまで一切手抜きをしない真面目な創作態度を高く評価。物珍しさで雀が集まってきそうだ。(白州ブロック代表)



銅賞③ 
都会でのキャリア生活を捨て、無農薬栽培に夢を抱いて最近移住してきたアラフォー、 . . . 。そんなストリーを感じさせるブルーベリー畑のカカシ。奇抜なデザインのカカシが幅を利かす傾向の中で、控え目で質素な姿が好印象。(蔦木宿ブロック代表)





* * * * *


番外編:
なんとなく気になった顔、顔、顔。


A: 農民歌舞伎役者
B: 大泉高原一の美形
C: 白州のマイケル・ジャクソン

2013/09/02

茶色スズメバチ?

ミツバチ巣箱の周りを飛んでいる見慣れない姿のスズメバチ。図鑑で調べるとチャイロスズメバチではと思われる(?)。

森林総合研究所の森林生物データーベースには、“攻撃性はかなり強い”とある。確かに、ネットで捕獲しようとすると反抗的な態度でこちらに向って来る。

チャイロスズメバチは、. . .
発見例は少なく,現在でも極めて稀な種である。. . . キイロスズメバチやモンスズメバチの巣に女王が単独で入り込み,相手の女王バチを殺して巣を乗っ取る . . .
. . . のだそうだ。(「都市のスズメバチ」)

+ + + + +

あまり姿の美しい蜂ではないので、スズメバチ酒の素材として使うのは気が進まない。生け捕りにすることは考えないで見つけ次第捕殺することにした。

2013/08/29

粉山椒


山椒の実が色づき始めた。粉山椒作りは、果皮が緑色の青山椒を収穫して作る緑色粉山椒がベストという人もいれば、果実が真っ赤になってからの赤山椒で作る完熟赤山椒粉でなければという声もある。

わずかに赤味を帯び始めた果実もあるが、今はまだ青山椒の状態。一粒噛んでみると種子は固く真っ黒に熟し、粉山椒作りには十分な状態だ。明日は天気も良さそうなので夕方の散歩がてら青山椒の実を収穫。今年は青と赤の両方を試してみようと思う。

8月28日 10:00〜15:00 天日乾燥初日

快晴、微風、気温25度前後。湿度も低く絶好の天日干し日和。昨夜小枝を除き、水洗いしておいた実山椒を早速日向に出して天日乾燥の開始。

5時間の天日干しで実のほとんどが裂け、中の黒い種子が顔を出した。外皮の色は緑褐色に変わり、重量も乾燥開始時の158gが68gまでに減少。

8月29日 10:00〜13:00 天日乾燥2日目

昨日同様の天日干し日和。3時間干しても重量は68gから67gにまでしか減らない。水分はほぼ抜けたようだ。太陽光に晒し過ぎると果皮の緑色が消えてしまうらしいので乾燥作業を終了。

+ + + + +

乾燥させた実を粉山椒にする方法についてはネット上に様々な情報がある。

"種と皮の両方をすり潰す"という大まか派がいる一方で、"まず果皮と種を分離する。次に、果皮内側の薄皮をピンセットで取り除き、外側の緑皮だけを挽く"と言う小まめ派もいる。最も多いのは、"種を除いて(薄皮はそのままで)果皮を挽く"派。

多数派に従おうと、スリコギで軽く押して種と皮を分離し、竹製狭匙(セッカイ)で種と皮を掻き分けようとするがこれが結構面倒な作業。途中で作業を放棄し、種・果皮が混在したまま真空パックに袋詰して冷凍で保管することにした。種子を除いて果皮だけを粉にして利用するか、種も一緒に挽くかは、粉山椒を使用する時の気分で決めることにする。

2013/08/25

(続) インドネシアのフクロウ

インドネシアで入手した木彫りフクロウのモチーフはマレーワシミミズク(Malay Eagle Owl、Bubo sumatranus)の可能性が高まってきた。

(右写真は、掛川花鳥園WEBから拝借した。)

フクロウの「種」の峻別では鳴き声が重要な要素らしい。でもその鑑別方法を木彫のフクロウに適用するのは無理な話だ。そこで、インドネシアに生息する42種のフクロウの写真と、木彫りフクロウの外観を丹念に比較してみたが、マレーワシミミズクに一番似ているように感じる。

科学技術研究所のWEBに記述されているマレーワシミミズクの3つの特長 . . .
① サングラスをかけているように見える目。
② 基部は白く先端が黄色い嘴。
③ 白い細かな縞模様の耳角(ジカク)。
. . . とも一致する。デフォルメされてはいるが木彫りフクロウにはそれらの特長が忠実に表現されているように見える。

おとなしくて愛嬌のあるマレーワシミミズクは、ペットとしてよく飼育されているらしいので、木彫り作者は身近にいたマレーワシミミズクをモデルにしてこの飾り物を製作したに違いない。

2013/08/18

インドネシアのフクロウ

シンガポール滞在中の週末に出向いたバタム(Batam)島で、インドネシア国に初めて足を踏み入れた記念にと椰の木に彫られたフクロウを買った。
(サイズ:100cmLx15cmW、価格:日本円換算で約8000円)

購入時には、彫り損なったのではと思った最上段フクロウのいまにも泣き出しそうな顔つきも、何度も眺めていると田中邦衛風でこれはこれでまた味がある、と感じるようになってきた。



モチーフになったフクロウの「種」は何だろうと調べていて、インドネシアのフクロウに関する多くのことを知った。

ジャカルタの街ではフクロウが子供のペットとして売られているそうだ。バタム島でも地元の商店街を丹念に探せばそんな店が見つかったのかもしれない。(と言っても、生きたフクロウをお土産として購入するつもりがあったわけではないのが。)

国よって(あるいは時代によって)、フクロウは忌まわしい凶鳥と考えられたり、吉鳥として慕われたりと毀誉褒貶の激しい鳥だが、インドネシアでは明らかに後者のようだ。
フクロウ学のエンサイクロペディアとも言えるThe Owl Pagesによると、スラウェシ島のマレー系ミナハサ(Minahasa)族は、旅行に出る時フクロウの鳴声でその旅の吉凶を占うそうだ。民族旗にフクロウの姿が描かれていることからも、フクロウに対する並々ならない敬愛の念が汲み取れる。

今年の2月、インドネシアのロンボク(Lombok)島で新種のフクロウが確認され「地球上を調べ尽くした」と信じていた鳥類学者の間に、"まだ新種の鳥がいたのか!"と驚きと興奮が走ったのだそうだ。発見されたロンボク島にある火山の名前をとりリンジャニ・コノハズク(Rinjani scops owl)と命名された。(米科学誌PLoS ONE研究論文

インドネシアの野鳥一覧」には、「フクロウ目フクロウ科」と「フクロウ目メンフクロウ科」で41種のフクロウがリストアップされている。一方、日本では留鳥のシマフクロウを加えても7種。注(1) この数字の比較だけからでも、インドネシアの自然が “生物多様性の宝庫”と呼ばれる由縁が伺える。
大小1万8千以上の島からなるインドネシアには、さらなる未知の野鳥が生存しているのでは、との期待が高まっているらしい。

注記:
(1) 野鳥観察ハンディ図鑑「新・山野の鳥」1998年初版第一刷発行。以前はヨタカもフクロウ目ヨタカ科として分類されていたが、その後ヨタカは独立したヨタカ目組み変えられた。
(2) 右上写真は同論文から、他の2点はFlickrから借用した。

2013/08/10

超強烈的痺味本格四川麻婆豆腐


辛子の辣(ラァ)と山椒(=花椒)の麻(マァ)との両方が中途半端でないのが四川麻婆豆腐の証らしい。シンガポール中華街の「老成都」は知る人ぞ知るそんな本格的四川麻婆豆腐の店なのだそうだ。

最初は誰もがそのホットさにたじろぐ。
そして、"一度体験したからもういいや"と店を後にする。
しばらくするとあの辛さが懐かしく感じまた足を向ける。
 そんなことを何度か回を重ねているうちにその刺激の虜になってしまう。

. . . いうのが、ご馳走してくれたシンガポールでの在住歴が長い案内人の解説。

確かにすごい。"ためしてガッテン"の「美味しい感を増幅させるなどという生易しいレベルの話ではない。粉山椒と、粒のまままの実山椒の両方がタップリ混ぜ込まれた「麻味」は、最初の一口で舌が痺れ、二口目で口全体が麻痺する。薬味や隠し味ではなくそれ自体が味付けの主役だ。強烈な刺激はアク抜きなどの前処理はしていないに違いない。

中華人にとってはこの「麻」こそが旨辛味の本質なのだそうだ。これまで自信を持っていた自分の"ホット"舌はもっぱら「辣」に対してで、「麻」にはからしき軟弱であったことを認識させられた。そして、実山椒にはこんな利用方法もあったのかと目を開かされた。

2013/08/05

大泉村とキセキレイ


北杜市大泉総合支所(旧 大泉村役場)の玄関横に飾ってあるマンホールの蓋。キセキレイが大泉村の村鳥だったことを初めて知った。
村政施行120周年(平成8年)に作られた村歌にもキセキレイが歌われており、大泉村の観光名所、吐竜の滝でもキセキレイの姿はよく見かける

富士の峯に 朝日昇れば
アルプスは 黄金に輝く
野は広く 大気は澄みて
夏の日の 暑さを知らず
おのずから 温泉の噴き出でて
冬の夜の 寒さを忘る

キセキレイ 水辺に舞えば
カラマツは さみどりに萌え
ホトトギス 空に名乗れば
ヤマツツジ 地に咲き匂う
名にし負う 多き泉は
水清く ヤマメ瀬をのぼる

村人は 勤勉律儀
睦み合い 他と争わず
田を開き 畑を返し
豊かなる 秋を楽しむ
八ヶ岳の峯 夕映え赤し
明日の日も 幸多からん

(作詩 金田一春彦 作編曲 坂田晃一)

2013/08/01

ニホンミツバチとニホンザル

窓際でPCに向かっていると視界の隅を横切る影。顔を振り向けると、こちらの様子を伺いながらベランダをゆっくりと猿が歩いていた。背中には小猿がしっかりとしがみついている。30年近い八ヶ岳南麓での生活で猿の姿を見るのは初めてだ。それもこんなに身近で!

以前は釜無川の南アルプス側にしかいないとされていたニホンザルだが、ここ数年七里ヶ岩台地や小淵沢近辺でも見かけるようになったとの噂は聞いていた。でもわが家の山荘は釜無川から最短部の直線距離でも10キロ、その間には国道20号(甲州街道)と釜無川、そして七里岩ラインや中央道、と二重三重に分断されている。時折餌を求めて遠出をして来る猿がいるにせよ群れで移住してくることはまずないだろう、とたかをくくっていた。

そう言えば数日前に歩いた信州下蔦木宿近くで、集落全体の農地が2メートル以上の高さの電牧柵で囲まれた光景を目にした。ニホンシカにしてはずいぶんと大仰だなと感じたがサルへの防御ネットだったようだ。
ニホンザルは . . . 町内に2群以上(300頭以上)生息していると推定される。. . . 電牧柵の設置や年間100頭以上の捕獲を実施しているところであるが、被害の発生は抑止できていない。. . . (富士見町鳥獣被害防止計画)

ベランダを歩いていたニホンザルが、子供を背負って国道20号や中央道を横切って、はるばる南アルプスから出向いて来るとは考えにくい。既に八ヶ岳南麓に集団移住してきた群がいて八ヶ岳南麓で出産した子供の可能性が高い。

ミツバチとサルの関係を調べてみると、みつばち協議会作成の「養蜂マニュアル」に次のような記載があった。
ニホンザルが巣箱から巣板を抜き出して蜂児を捕食する被害が東海地方で報告されています。今のところ大きな被害は報告されていませんが、ニホンザルがいる目の前で巣箱を開けたり 、蜂蜜や蜂児が残っている無駄巣などを近くに捨てると 、サルは蜂児の味を覚えてしまうので、サル用のネットと電気柵を利用して追い払ってから作業を行いましょう 。
ネットにせよ、電気柵にせよ、知恵者のニホンザル相手ではこれまでの鹿対策とは比べものにならないほど厄介な作業になる。文章から察すると熊のようにニホンザルがハチミツを狙って巣箱を荒らす、ということは無さそうだが、八ヶ岳南麓で農産物の被害のニュースが出るようになったら何らかの対応策を考える必要があるだろう。

注記:カメラを準備する前に姿を消し自分では撮影ができなかったので、上写真は、目撃したのとそっくりの姿の写真を愛宕山自然動物園のホームページから拝借した。

2013/07/25

巣箱の話 2/2「ミツバチ巣箱のニューウェーブ」

Langstroth式巣箱(ラ式巣箱)が誕生したのが1852年、今でもミツバチ巣箱のスタンダードと言えばラ式巣箱だ。そんな静かだったミツバチ巣箱の歴史に、ここ数年の「趣味の養蜂ブーム」が小さな変革が起こし始めているかに見える。

流れの一つは伝統巣箱への回帰。丸太巣箱、スケップ(藁編巣箱)トップ・バー・ハイブ、ウォーレン神父・ハイブなど、LA巣箱が開発される以前に使用されていた古典的巣箱が再評価されている。そこには、過剰な管理養蜂に対するアンチテーゼも含まれているようだ。


もう一方の流れはラ式巣箱に装飾を施すアート巣箱の誕生。無機質な木箱に装飾を施し、庭のエクステリアとしての機能も持たせようとするもの。ホビー養蜂家ならではのトレンドで、日本でも徐々にそんな動きが出てきた。

そして第三番目の動きは、全く新しいコンセプトのニューウェーブ巣箱。そんな中でいま注目を集めている代表格が以下の三種。

Sun hive
スケップの現代バージョン。ドイツの彫刻家がデザインし、欧米の一部の趣味の養蜂家の間で注目を集め、イギリス、ドイツ、アメリカなどで製作教室が盛んに開かれている。
Urban beehive
2009年、アーバン・ビーキーパーをターゲットにして英国Omlet社が開発したハイテク巣箱。デザイン性だけでなく、換気、断熱、採蜜作業、. . . など、機能面でも数々の工夫があるらしい。
ただ、天然素材、シンプル、ミツバチのあるがままに、. . . を良しとするナチュラル・ビーキーパーの中にはやや抵抗を感じる人もいるようだ。
Sky Hive
7mの高さのポール上に巣箱を設置するタワー型。巣箱の昇降はソーラーパワーで行う。
"Save Bee!"運動のPRや、ミツバチプロジェクトのモニュメントなどで利用されている。第一号機が設置されたオランダの公園では、この夏、タワーの周りで採蜜祭りが開催されかなりの人出で賑わったらしい。




 注記:
最上段写真はHistorical Honeybee Articles - Beekeeping Historyから、それ以外の写真はそれぞれの製品メーカーのウェブサイトから拝借したものです。