2014/07/04

「待ち箱」を「飼育巣箱」へ


連日の梅雨空。外仕事ができないのでここ数日はKT式待ち箱を飼育巣箱として使用するための木工作業で時間を費やした。

“分蜂群捕獲トラップ”としての性能を追求して開発されたKT待ち箱は、分蜂群が入ったら飼育巣箱に移し換えることを前提にしている。ただ、巣箱を移し替えた時の逃去リスクを軽減したり、その他の理由で捕獲群をそのままKT式待ち箱で飼育したいこともままある。
その際に問題になるのが「巣箱容量」と「換気機能」。これらの点を改善しようというのが今回の改造目的だ。

巣箱容量:
分蜂群が入居したKT式待ち箱の下にもう一つ待ち箱を継箱とし連結する。これで巣箱容積は約32リットルになり、日本ミツバチの飼育巣箱として十分な巣内スペースが確保できる。
蜂量の変化に応じて第二蜂室を簡単に追加したり取り外せるよう、連結は固定せず4本の木製フレームで行う。

台座箱:
巣クズの掻き出しや手鏡で巣板観察をするため、下部に台座箱を置く。この台座箱はスムシが寄生する場所になるはずなので、複数個のボックスを準備しこまめに日光消毒ができるようにした。

除湿・換気機能:
野山に置きっぱなしにする待ち箱では、風雨を避け、蟻などの侵入を防ぐためある程度の高い気密性が必要になるが、この高い気密性が飼育巣箱としては時には支障になる。天板に湿気が溜まりやすく、特に流蜜期には巣内壁面や床面がびしょ濡れになり、ミツバチの生育環境としては好ましくない。そんな問題を軽減するため作業部屋に吸気孔、屋根裏部に排気孔を設けた。

換気流量調整口:
一方、厳冬期には、湿気やCO2の排出と同時に巣内の暖気をできるだけ逃さないようにする必要がある。そのために天井部に換気流量の調節口を作り、そこに充填する保温材の種類と量でこの課題に対応してみようと思う。養蚕部屋の知恵を真似たものだがどの程度機能するかはやってみないと分からない。

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最初はノッポビルのようなデザインに違和感を感じたが、立木の空洞を巣としているミツバチにとっては案外馴染みの形なのかもしれない。

ちなみに、屋根に使用した板はかって甲州街道台ケ原宿の水車小屋で使われていた由緒ある古材。縁あって手に入った銘入りの貴重な遺物だ。