去年と同じ営巣場所を利用する習性のフクロウには、巣箱は同一場所にかけっ放しにするのが原則だが、全く利用されない巣箱は時折その設置場所を変更する。
巣箱前方には親鳥の飛翔経路に十分な開けた空間があり、餌場になりそうな草地やブッシュもそう遠くはない。
- 営巣場所を物色中の親鳥夫婦に、人間の気配をあまり感じさせるようではこの場所を選んでくれないだろう。
- 観察で抱卵中の親鳥を不用意に驚かすと、途中で抱卵を放棄してしまうかもしれない。
- ヒナが孵った後も近くの梢で見張っている母鳥に、度々現れる人間の姿で不安を感じさせるようでは困る。
身を隠すには十分な太さがあり、巣箱方向からもそう目立たない。
巣箱と観察ポイントを結ぶ直線上には、春の芽吹きの後でも視野を遮りそうな木々は生えていない。
車道を外れてから、鹿の造ったケモノ道に沿って歩けば観察ポイントに到達できるのも好都合だ。雪が積もった朝には、まず鹿達が踏み固めて経路を作ってくれるだろう。
近くの梢で巣箱を見守る親鳥の姿や、. . .
ヒナに餌を運ぶ母親の姿が瞼に浮かんでくる。
でも、これは幻影。フクロウが本当にここに営巣してくれるかどうかはまだ分からない。ミツバチ分蜂群の待受け巣箱を設置する時と同様、このドキドキ感もフクロウウォッチングの楽しみの一つ。
注記:フクロウの写真の全ては昨シーズン(2011年5月〜6月)に撮影したもの。