日本で最初のキノコ中毒の記録は「今昔物語集」と言われる。以来、800〜900年の間に、犠牲的パイオニア (あるいは運の悪い人) により毒が確認されたキノコは二百数十種類。そう多い数ではない。
であれば食キノコを知るにはまず毒キノコを学ぶべき、と思い立ち購入したのがこの図鑑。これまでに確認された毒キノコのほとんどを網羅しているという。中毒の症状や応急処置の方法まで詳細なフローチャートで示されているのも役立ちそうだ。
ちなみに、厚生労働省の統計ではキノコの食中毒死亡例は年間1〜2名。過去5年間にスズメバチに刺されて死亡した107名に比べると微々たる数だ。