今年の干し柿は、「むらに生きる先人の知恵」(農文協、昭和53年刊)に書かれたとおりにやってみようとしている。著者の稲村半四郎氏が、子供時代に母親と一緒に干し柿作りをした思い出を述べた「つるしんぼ」の章がその手引書。
以下がその抜粋:(できるだけ原文のままで。)
. . . 「ああ、へえ北風が出て、お天気がつづきそうだからつるしんぼをむくかな。」母がいう。まだ健在だった母と私で柿をもぎとった。果柄と丁字形になるように枝を短くつけて切る。「むらに生きる先人の知恵」の文章は、かっての週刊新潮の谷内六郎の表紙絵のような懐かしさがある。その上いろいろな先人の生活の知恵が具体的に述べられているのでカントリーライフには結構役に立つことが多い。
. . . へたのまわりをきれいにして皮をむく。果の頂部の小さい黒点だけ残す。頂部までむくと、柿の実がやわらかくなった時にくずれやすいのだ。
. . . むいた柿をこでなわと呼ぶ細縄の片側に五個づつ丁字形の部分をさしこんで、ひとつれにして軒につるす。
. . . むき柿の膚が日に当たって、あめ色に変わりはじめると一個一個もむのだ。「一度に力をいれないで、しこんしこんもむだど。そうすると、種ばなれもいいし、乾きあがりの色もいいど。」母の言葉。
. . . 耳たぶよりすこしかたいくらいのやわらかさに乾き上がると、わらを間に入れながら柿を平たい形にして木箱に入れる。そうして白くこうがふいてくるのを待つ。
備考:
甲州丸 50個(+5個サービス) 1500円 パノラマ市場