2011/08/30

蜜ドロボー

山荘の庭で咲いているツリフネソウとキツリフネ。

蜂からみた花の世界」(佐々木正己著)によれば . . .
  • 距の先端を巻き込んでいるツリフネソウは長舌種のトラマルハナバチしか蜜腺まで口吻が届かない。
  • そこで口吻の短いマルハナバチは、外側から花に穴を開けて盗蜜する。
. . . とある。

この行動は、「マルハナバチは、ツリフネソウに対して盗蜜者(nector robber)」と呼ばれる。
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盗蜜者の手口は、花に穴を開けて外から蜜を吸い取るだけではない。
  • 花びらや蕚(がく)の隙間から蜜を吸う。
  • 長い口吻を延ばし、葯や柱頭に触れないで花蜜を吸う。
  • 小さい身体で、葯や柱頭を避けて蜜腺までもぐり込む。
  •  . . . . .
どんな方法であれ「Give(=受粉活動)をしないでTake(=集蜜)だけする」昆虫の行動は全て盗蜜者。だから、マルハナバチが開けた穴を拝借して、そのおこぼれを頂戴するミツバチもこの時は当然「ツリフネソウの盗蜜者」と呼ばれることになる。

“蜜ドロボー”をしているミツバチの姿を撮影しようとツリフネソウを見回っているがまだその瞬間に出くわさない。

追記:
ミツバチが他の蜂群の巣箱の蜜を盗む行動も「盗蜜」(または盗蜂)と呼ばれる。花に対する盗蜜行動と区別するため、このブログでは“蜂群間の貯蜜の奪い合い”行動は全て「盗蜂」と書き改めた。