ミツバチは巣を襲おうとするスズメバチに一斉に襲いかかり蜂球の真ん中にスズメバチをオシクラマンジュウのように包み込む。そして飛翔筋を動かし熱を発生させ球内の温度をスズメバチの致死温度まで高めて熱殺する。
ニホンミツバチの致死温度は約48度、それに対しスズメバチは約46度と2〜3度の差があり、このわずかな温度差を利用するという頭脳プレーだ。
もちろん戦いの過程で噛み殺されてしまうミツバチが出るのは承知の上での捨て身の戦法。時計で計ってみると、一匹のスズメバチを熱殺するのに約30分の時間がかかる。ミツバチもかなりエネルギーを消耗する戦法だ。
しばらく経ってからミツバチの塊を棒で突いて中を覗いて見ると、スズメバチは犠牲になった一匹のミツバチに噛み付いたまま悶死していた。この防御行動はニホンミツバチ特有のものでセイヨウミツバチには見られないそうだ。