- 山椒の実は他の食材の味を強める万能調味料。ウナギに振りかけるだけではもったいない。
- と言っても、料理の味が変わったわけではない。山椒の実が発する刺激物質が大脳の味覚神経を刺激し、"美味しい感"を増幅させてどんな料理も美味しく感じるようになる。
この時期山道を歩くと、山椒の大木がしばしば目に入る。まだ黄葉していない濃い緑色の葉と、熟して真っ赤になった実のコントラストに目を引かれ、つい足を止めてしばらく眺めることになる。
梅雨〜初夏の、実がまだ緑色のころは青山椒(あるいは実山椒)と呼ばれ、香りと辛味が一番強く良質の香辛料ができるらしい。鰻にふりかける粉山椒は、今の時期の赤山椒を乾燥させ、種は除き果皮だけを砕いて作るのだそうだ。
山椒の木に出会うと、これまでは若葉を数枚摘んで、刺身に添えたりおひたしに浮かべる程度だったが、これからは実の方も時折利用させてもらうことにしよう。