分蜂群を捕獲した際には、Sスクリーン(あるいは、ハチマイッター)を巣門に設置する。新居を嫌って群が逃亡するのを阻止するため、女王蜂が外に出られないように巣門を狭くする。逃去を企てたハタラキバチ達も女王が追随して来ないことが分かると、また巣に帰って来ざるを得ない。
ハチマイッターを設置した時に悩むのが、どのタイミングでそれを外すべきか、ということ。
特に、二次分蜂以降の群の女王蜂はまだ未交尾。できるだけ早く交尾飛行に外出させたい。とは言えそれが逃去飛行になっては元も子もなくなる。
そこでポイントは、“蜂群が新巣箱を自分達の住処と決める可能性が高まった”ことを見極めるサイン、ということになる。
- 花粉を“ドンドン運び込む”ようになったらOK、というのが通説。この“ドンドン”を藤原誠太氏は「1分間に10回以上」としている。*「だれでも飼える日本ミツバチ」 P90
- 巣クズや死骸を運び出し巣箱内の掃除を始めるようになればもう大丈夫、という意見もある。(この行動は、通常花粉持込より早い段階で見られる。)
“自分の家と決めたから掃除する”という理由。なんとなく納得し易いが、やや人間的習性での判断という気がしないでもない。
- さらには、巣門で門番蜂が警護に励んでいる姿がみられるようになれば問題ない、という意見もある。ただし、“警護に励む姿”の判定で多少意見が別れるのがこの説の弱点。
- 新しい巣板を作り始めたらOK、という説もあるがこれは要注意。逃去後の巣箱内に2〜3枚の小さな巣板が残されていることはしばしば目にする。
ー 定住の意思を固めた時、巣箱内で何か変化が起きているのか?
ー そのことが巣門の蜂達の行動にどのような形で現れるてくるか?
これが解明できれば、蜂飼い人の大きな悩みの一つが解決される。
今回の群の女王蜂は既に交尾を終えているので、出入りの不自由はもうしばらくハタラキバチ達に耐えてもらうことにする。
(写真は、雄蜂の死骸を巣箱外へ運び出そうと苦戦している働き蜂の姿。)