先日林道で出会った猟師。鮮やかなオレンジ色の山梨県猟友会のジャンパーを着て、カラマツ林の中で鹿を追っていた。
その若い猟師の話 . . .「生え変わって出てきたばかりの鹿の角はブヨブヨに柔らかいんだよ」。
今日の昼間、車の窓から見た鹿(写真上)、数日前に温泉帰りの薄暮の中で見た鹿(写真下)、どちらの角も柔らかそうに見えた。今、鹿の角は彼の言う“ブヨブヨ”時期のようだ。
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鹿の角が生え変わる時、一歳の鹿は枝無し角、2歳鹿では枝1本、3歳鹿は2本、4歳以上になると3本枝の角が生えてくるのだそうだ。
3本にも枝分かれした角が、鹿の頭からどのようにして生え出てくるのだろうと疑問に思っていたが、その柔らかい角を見て合点がいった。
- バルーン風船か作業用ゴム手袋のような、枝分かれした型紙状の袋が体内にできる。
- 古い角が落ちると、その袋が角の付け根リング部から押し出されてくる。
- 外に出た袋に石膏状の“ツノ粘液”(と呼ぶかどうかは知らない)を流し込んで膨らませる。
- そのツノ粘液が固まると堅い角の出来上がり。
枯れ枝の茂る林の中や、牧場の鉄条網をかいくぐって移動する鹿達。“ブヨブヨ時期”の角を鉄条網に引っ掛けたら粘液が漏れてしまうのでは、と心配になる 。