Wikipediaには “つぼみの形が蓮華(仏像台座)に似ているから”と書かれている。でも仏像台座はハス(Nelumbo nucifera)の花を模したものということが定説なので、レンゲツツジ(Rhododendron molle subsp. japonicum) がここに割り込むのにはなんとなく違和感がある。であれば直裁的に”ハスの花に似ているから”とする方が分かりやすい。あるいは ”つぼみが田圃に咲くゲンゲ(Astragalus sinicus)に似ているから” とする別説の方が素直に感じる。
興味深いのは中国伝来説。レンゲツツジは漢字で蓮華躑躅と書く。中国語で躑躅(てきちょく)は“行っては止まる”という意味。レンゲツツジの花の美しさに見惚れて近くを通る人が歩みを止めるからこう呼ばれるようになったとある。
さらには、歩みを止めたのは人ではなく羊だとの説も。毒性のある躑躅(=レンゲツツジ?)を食べた羊がその毒性で2〜3歩あるいてうずくまってしまったことに由来するのだという。
この中国伝来説、”ツツジ(躑躅)”の説明としては面白いが ”レンゲ(蓮華)” については何も語ってくれないのが残念。
ちなみに”日本産ツツジで毒性があるのはレンゲツツジだけ”だけなのだそうだ。