2010/02/04

Beekeeper's Bible


誕生日プレゼントにと、海外から送られてきた「ABC and XYZ of BEE CULTURE」。以前から手元に一冊置きたいと考えていた本だった。今回贈ってくれたのは、1990年発刊の第40改訂版。

米国の富豪実業家で養蜂家のAmos Ives Root氏が書き貯めた記録を一冊の単行本として出版したのが1879年(明治12年)。爾来、Root氏の志を受け継いだRoot家のファミリーや、その時代時代のトップクラスの研究者や養蜂家の手によってこれまで41回の改訂が重ねられてきた。

一冊の本が、130年以上もの長い間改訂を重ねながら“新しい本”として読み続けられているというのは希有なことだろう。上写真は米国John Pluta氏のコレクション写真(注1)だが、41冊の全ての刊が並ぶ書架は想像しただけでも壮観。養蜂技術の歴史的変遷を知る上でも貴重な資料だろう。

米国では“Beekeeper's Bible”と呼ばれ、コレクターズアイテムとして時々オークションにかけられてもいる。516頁とかなりな大書だが、百科事典形式にテーマごとに短い節でまとめられているので興味ある項目を拾い読みできるのが良い。

米国からセイヨウミツバチと養蜂技術が輸入され、日本で初めて近代養蜂がスタートしたとされているのが明治10年頃。ほぼ同時期に出版されているので、当時の日本人パイオニア養蜂家も、きっとこの本を片手に新しい養蜂技術の習得に励んだに違いない。

(注1) John Pluta氏が公開しているPicasaウェブアルバムから拝借したもの。