2015/09/30

最後の待ち箱回収


分蜂群捕獲待ち箱の最後の二箱を昨夜持ち帰った。春に入居を確認していながら何となく回収作業のタイミングを失し、野辺に置きっ放しになっていたもの。

巣箱総重量を計ってみると13.4kgと10.2kg。待ち箱の自重が2.5kg前後なので、それぞれの群は10kg、7kgを超える蜜を貯めていることになる。冬越しに必要な最低限の貯蜜量はほぼ確保しているようだ。

巣板は底板近くまで垂れ下がっている。春、入居直後に山荘に連れ帰り、飼育巣箱に移して管理してきた群と比較しても、巣板の大きさ、蜂の総数、推定貯蜜量など、どの面でも遜色がない。待ち箱を置いていた場所が、夏の蜜源環境にも恵まれていたのだろう。

周辺の花も数少なくなり、日に日に気温も下がっているこの時期になってから、待ち箱から飼育巣箱に群を移すのは負荷が大き過ぎるだろう。ということで、待ち箱の下部に作業部屋を、上部に換気部屋を連結して、去年から始めた「KT式待箱をそのまま飼育巣箱として転用」する実験飼育群に加えることにした。
また、この群は建物南面の日当たりの良い場所に設置して "日向養蜂" 群として冬越しさせる計画でもある。

2015/09/27

日本の満月とバリ島の巣箱

(撮影:9月27日18時17分)

日本とバリ島との時差は1時間、今頃バリの東の空にも月が昇り始めたに違いない。そして、Warung氏の蜜蜂がそうであったように、今夜の満月を分蜂( or 逃去)の日と決めて旅立ち前の宴を催している群もあるかもしれない。

今回の満月は今年最大のスーパームーン、バリ伝統巣箱の背景にはこれほどの好機はないだろうと記念写真の撮影会。(上写真は巣箱と月を別撮りして合成。下写真は合成なしの一枚撮り。)

(撮影:9月27日18時52分)

スーパームーン

(撮影:9月27日18時14分)

明日の夜も月が顔を出してくれるかどうか分からない。で、一足先のスーパームーン撮影。
「月の軌道は太陽や地球などの影響を受けて変化するため、月が地球に最も近づくとき(近地点)、最も遠ざかるとき(遠地点)の距離が毎回異なります。 今回は、9月28日午前10時46分に月が地球に今年最も近づきます(約35万6900キロメートル)。そして、その約1時間後の午前11時51分に満月の瞬間を迎えます。ただし、日本では月が地平線の上に出ていない時間帯となります。」(国立天文台「ほしぞら情報」抜粋。下図も。)

中秋の名月

(撮影:9月27日18時32分)

夕方まで空を覆っていた雲も月の出の直前には消え、見事な「中秋の名月」(十五夜)。そして明日は今年最大の "スーパームーン" の「満月」になり、その上皆既月食まで加わるという多彩なムーンショーが繰り広げられる。バリ島の満月熱に罹ったばかりの身にはなにかが起こりそうな心落ち着かない二日間になりそうだ。
「今年の中秋の名月は9月27日です。 . . . (中略) . . .  中秋の名月が9月27日、その翌日の9月28日が満月と、中秋の名月と満月の日が1日ずれています。中秋の名月は、新月となる日から数えて15日目の夜の月のことを、満月は、地球から見て月と太陽が反対方向になった瞬間の月を指します。このように決め方が違うことから、それぞれの日のずれが生じることがあるのです。(国立天文台「ほしぞら情報」の抜粋)

2015/09/23

この秋の蜜源花



今年の春に植えつけたカラミンサは期待以上に蜜源環境を向上させてくれた。これまでこの時期のわが家の蜜源花は、アキノキリンソウ、ヤクシソウ、ナギナタコウジュなどの主要蜜源花と、ノコンギク、ハギ、クズなどの補助的な花だけ。その花蜜総量は、ミツバチ達が長い冬越しの準備をするには決して十分な量とは言えなかった。

今年はこれらの自生種の野草にカラミンサが加わったことで蜜源環境にボリューム感と連続性が出たように思う。

例年であれば山栗の花が終わってからアキノキリンソウが咲き始めるまでしばらくの蜜源ブランクがあったが、今年はその穴を花期の長いカラミンサがうまく繋いでくれている。

そんな環境の変化を喜んでいるのはミツバチだけではないようで、この秋はハチ、アブ、蝶などの昆虫も、これまではあまり見かけなかった種が数多く訪れてくる。

2015/09/20

キノコの季節

タマゴタケ:
”ヨーロッパでは”皇帝のきのこ”と呼ばれ珍重される。一度味を覚えると病みつきになる。”(「森のきのこたち」柴田尚著 )らしいが、初めて食べるには結構勇気がいる。

ヌメリスギタケモドキ(ヤナギタケ):
ジゴボウ(イグチ)とならんで八ケ岳南麓ではごくごく一般的。生える場所、姿形から他の毒きのこと間違える可能性もほとんどなく安全・安心のきのこ。
ハタケシメジ:
シャキッとした歯ごたえでクセのない味。和え物、きのこ鍋、炊き込みご飯、. . . と、万能型。日持ちも良いので重宝するきのこ。今年は豊作。


一見おいしそうだが ???

2015/09/07

野辺山観測所のセイヨウミツバチ


東京からの来客に同行して野辺山宇宙電波観測所へ。
見学通路に沿って植えられたヒマワリやブルーサルビア(?)の花にチラホラとミツバチの姿が。付近の農家で飼われている受粉用蜜蜂がハウスから抜け出してきたものだろうか?全て西洋ミツバチで日本ミツバチらしい姿は見かけなかった。

2015/09/05

コッツウォルズのビースケップ


はちみつ色の石造りの古い家並みや、「ハリー・ポッターと賢者の石」の撮影舞台として有名なイングランド中央部の丘陵地域に位置するコッツウォルズ(Cotswolds)、そのコッツウァルズ地方で使われていたスケップ(蜜蜂篭)が手に入った。

ヨウシュヌマガヤ(と思われる)で編まれたスケップは、中世にはイングランド、スコットランド、デンマーク、北ドイツなどの北ヨーロッパで広く使われていたミツバチ巣箱。近代式養蜂の巣枠式ラングストローグ巣箱が世に出てからすっかり廃れていたが、英国の "趣味の養蜂家"の間で
リバイバルの兆しがみえるそうだ。

この機会にスケップのことをもっと知りたいとAmazon UKから購入した「SKEPS - Their History Making and Use」。わずか105ページの小冊子で、本代 £9.95、送料 £7.98はちともったいないが、スケップの歴史、その作り方、使用方法、スケップを設置するシェルター(置台)などが豊富な絵図を混じえて事細かに説明されているので満足はしている。

蜜蜂スケップは、飼育巣箱としてより分蜂群捕獲トラップとして利用されることが多いようなので、自作スケップが完成したら一度その効能を試してみたい。

2015/09/02

Orchardのミツバチ自然巣


バリ島からシンガポールに帰り、オーチャード(Orchard)のショッピングストリートを歩いて久しぶりの "都会の空気" を味わっていた時、ふと見上げた街路樹の枝の中に奇妙な形状の物体を見つけた。樹皮の塊や枝の曲がりとは少し違う。

もしや!と思いカメラを取り出して望遠ズームでのぞいて見ると予想通りミツバチの自然巣だった。写真では何度も見たことはあるが解放空間に作られたミツバチ自然巣の実物を目にするのは初めて。それも世界の有名ブランドショップが並ぶシンガポール随一の繁華街のど真ん中でだ。

Honeybee in Singaporeで調べるとGiant honey bee(オオミツバチ)か、Dwarf Honey Bee(ヒメミツバチ)のどちらかのようだが正確には分からない(あるいはApis Javana?) 少しでも近くから撮影しようと隣のビルの二階に駆け上って写したのが上の写真(倍率20倍)。

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養蜂が盛んなインドネシアやマレーシアとは違いシンガポールはミツバチにとって決っして住みやすい国ではない。プロの養蜂家は一人もおらず、厳しい条件が課されるためホビー養蜂家も皆無に等しい

 "Pest Control" と呼ばれるシンガポールの徹底した防虫対策もミツバチにとっては厳しい環境だ。公的私的を問わず管理責任のある土地には週一回の殺虫剤散布が義務付けられており、そのすさまじい噴煙を見ると虫害以上の薬害があるのでは、と感じることさえあるほどだ。

自宅のベランダや庭の植木鉢などに水を貯め、ボウフラを発生させていることが立入検査で見つかると200ドル(約18,000円)、累犯になると最高5000ドル(=450,000円)もの罰金が科されるというのはよく知られた話だ。デング熱やマラリヤの予防が主目的らしいが、それだけとも思えない。蚊、蝿、蟻、ゴキブリなどと並んでミツバチもしっかりと" 害虫"対策の対象として敵視されている。*下写真は民間駆除会社のWEB広告

Pest Controlは厳しすぎると異論を唱える人もいるがそれはごく少数派。そんな少数派の中に"Bee Rescue Program" いう活動を展開している組織があったのでコンタクトし、Orchardの自然巣をPest Controlに抹殺される前にどこかに移せないものかと相談してみたが、「敷地のオーナーからの依頼なら別だが今回のケースはちょっと . . . 」と乗り気ではない。
シンガポールを発つ前日(8/31)に様子を見にいったが、巣はまだ健在だった。