2018/12/30
朝焼け
ここ数日日本列島は厳しい寒波に覆われている。府中観測地点の今朝の最低気温はマイナス2.5度。八ヶ岳南麓の状況はどうだろうかと北杜市ライブカメラにアクセスして目に止まったのが、日の出直前、真っ赤に映える赤岳の光景だった(写真上左)。昨年のスイス旅行で滞在したZermattのシャレーのベランダから見たマッターホルンの朝焼けの姿にそっくりだ (写真上右に 撮影 2017/6/26 5:51:15)。
マッターホルンの朝焼けは”キャンドルの炎(Candle Flame)”と呼ばれているそうだが、であれば今朝の赤岳はさしずめ ”火鉢の熾火(おきび)”とでも呼べそうだ。
そこで「火鉢の熾火」は英語でどのように表現するのだろうと調べると英語で "火鉢"は”hibachi”らしい。屋外で炎をあげて燃やす "Fire pit"や "brazier" と呼ばれる焚き火道具はあるが、火鉢のように室内で熾火を使う器具は存在しないのだろうか?
もっとも本家の日本でも、今では "hibachi" は骨董市でお目にかかる程度で、それも買手のほとんどは外国人らしい。火鉢の熾火で手を暖めたり、餅を焼いたりする生活スタイルはすっかり姿を消してしまった。
2018/12/15
ネズミの骨拾い
(資料:麻布大学いのちの博物館)
すっかり恒例の催事になった感のある麻布大学いのちの博物館主催の公開ワークショップ「フクロウの巣からネズミの骨を取り出す」。参加申込者が予想した以上に多く急遽2日に分けて実施することになった。
第一回目の今日の参加者は31名、うち小・中学生が15名と、若手参加者が年々増えていることも好ましい。
私のすぐ隣で作業をした小学4年生のお嬢ちゃん、作業開始直後にモグラの手の骨を見つけたことが彼女の探究心に火をつけたようで、作業終了間近には、”これはハタネズメでしょ”、”これはアカネズミだよね”と、下顎骨が見つかるごとに骨格からネズミの種別を正確に判定して報告してくる。本人自身もかなり満足した様子で、"次回も必ず参加します"と言いながら元気良く帰って行った。今日の体験がきっかけで、彼女が野生生物研究者への道を歩むこともあり得なくもない。
分析対象の巣材は八ヶ岳自然クラブ フクログループの活動から収集されたもの。フクロウグループは、多少の例外者はいるがおしなべて高齢者メンバーで構成された自然保護活動グループ。そんな高齢者の手で集められたフクロウの営巣巣箱残留物が、未来の若手研究者を産み出すトリガーになっているかもしれないと思うと嬉しくなってくる。
ちなみに今日のワークショップ参加者の年齢構成は9才から78才まで。
2018/12/13
アオゲラ対策
ミツバチの冬支度と言えば以前は巣箱を防寒材で覆うことだけだったが、今年からはアオゲラへの対策も加わることになった。昨年の冬、山荘の庭で越冬させた8群のうち4群の巣箱がアオゲラの襲撃を受けるという災難に見舞われたせいだ。
何年間も大事に育んできたミツバチを失うことが辛いのはもちろんだが、それに加えて、. . .
手間暇かけて作ったコモ巻き巣箱のムシロを破られたり、. . .
貴重な御神木巣箱に穴を開けられる災難をこの冬はなんとしても避けたい。
ネットで調べても、”ミツバチ巣箱をキツツキから守る法”などの記事は見当たらない。
で、この冬はとりあえず園芸用ネットで巣箱全体を囲って様子を見ることにした。アオゲラは嫌がるが、ミツバチの出入りにはそう支障がなさそうな角目の大きなネットを選んだ。
2018/11/13
リンゴの蜂蜜煮
長野に住む蜂友TY氏が「規格外品だけど」とダンボール一箱のシナノゴールドを持ってきてくれた。ごく小さな”つる割れ”ができたために規格外になったようだが、味は贈答品と比べて全く遜色がない。たまたまフクロウの巣箱作りで我が家に集まっていた仲間や近所の蜂友へおすそ分けしたら大好評だった。
であれば、この日本のリンゴの美味しさを冬休みに帰国する海外住まいの孫たちにも教えてあげたいと考えたが帰国予定は一月半後、それまでこの美味しさを保ったまま生リンゴとして保管する自信がない。そこで蜂蜜煮にすることを思い立った。
レシピはかなり大雑把に;
- リンゴ vs 蜂蜜 vs レモン =10:1:1
*重量比 リンゴは皮をむいた後、レモンは絞る前の重量。蜂蜜は子供向けにやや多めにした。 - アルミ無水鍋で弱火でコトコトと30分
追記(2018/12/18):帰国した孫たちも朝食のトーストにのせて”おいしい、おいしい”と良く食べる。これまでに提供した料理に対しても気に入らなければ”マズイ”と率直なコメントをする二人なので本当に美味しいのだろう。
2018/10/31
クリスタルラインの紅葉
(本谷釜瀬林道)
東京への帰路、いつものように甲府盆地を中央道で突っ走るのではなく、遠回りして秋の林道を走ってみようと思い立った。
清里から高須林道に入り、本谷釜瀬林道〜観音峠大野山林道〜池の平林道〜荒川林道〜杣口林道のクリスタルラインを走って、乙女高原経由で甲州市牧原へ抜けようというのが今日のコースプラン。
スタートラインの旧清里村の里山を囲む山並みはすっかり秋色に染まり、今日のコースの紅葉の色づき具合への期待が膨らむ。
林道とはいえほとんどが舗装され、乗用車でのドライブに支障を感じるようなタフな道路は全くない。
フロントガラスを通して見える山々は、”濃いも薄いも数ある山もみじ”に染められ、 . . .
車は”流れにもみじが散り浮く渓(たに)”に沿って走る。
かっては遠く信州川上村からも信者が詣で、売店が出るほど賑わったという岩屋堂も、今では訪れる人もなく秋の陽光の中で森閑とし、 . . .
法面が崩れ池の平林道は通行止めで甲州市牧丘へ抜ける計画は断念せざるを得なかったが、途中たびたび停車して付近を散策したりと、6時間もかけてのゆったりのんびりのドライブ。クリスタルラインが予期した以上に絶景の紅葉名所だということを知った。
2018/10/30
つるしんぼ 2018秋
”北風が出てお天気がつづきそうだからつるしんぼをむく”ことにした。昨日の本谷川渓谷への紅葉ドライブで立ち寄ったみずがき湖ビジターセンターの売店で仕入れた甲州百目柿だ。たった24個の干し柿作りだが、山荘生活での晩秋の歳時記になり、この作業を終えないとなんとなく冬を迎えられないような気がする。
市長の仲立ちで、我々東京の若手ビジネスマンの勉強会グループと、飯田市青年会議所や飯田市役所の若手職員の皆さんと交流を重ねていた頃の話なのでずいぶん以前の話になる。昭和の出来事は、すっかり年寄りの昔話になってしまった。
干し柿の渋みの中の齢かな (能村登四郎)
ツルウメモドキ
この季節になると入れ替えたくなるツルウメモドキの壁飾り、緑色の果皮にほんのりと朱色がさし始めていたものを数日前に収穫しておいたが、すっかり皮がむけ中から独特の朱色の実が姿を現した。
ツルウメモドキは東アジア原産の蔓性植物で、クリスマスリースや生け花の材料として人気がある。(蔓梅擬 英語名/ Asian bittersweet 学名/ Celastrus orbiculatus Thunb.)
アジアから輸入した米国でも、一時はオーナメント素材としてもてはやされた時期もあったようだが、野鳥のフンと一緒にばら撒かれアッというまに米国東部・南部の広範囲で野生化し、寄生した樹木を枯らしたり、在来種のアメリカツルウメモドキ(Celastrus scandens)との交雑による遺伝子汚染が問題視されて、今では日本でのアレチウリのように侵略的外来種として冷視されているようだ。種子や苗木の販売を禁止している州もある。
実を割りて蔓梅擬華やぎぬ (日隈 翠香)
2018/10/29
本谷川渓谷の紅葉
塩川ダム周辺の山肌の紅葉のピークは後数日先という感じだが、少し上流の増富温泉郷〜本谷川渓谷は今が紅葉狩りのハイシーズン。次の週末が最後のみごろになりそうだ。ちなみに本谷川の紅葉が一番美しく映えるのはV字谷に陽光が射し込む正午前後。
塩川ダム(瑞牆湖)のオシドリは数羽ていどしか見つからなかった。
2018/10/10
2018/10/07
キノコは危険
今日のANN NEWSは . . .
農林水産省のデーターでは、平成29年にキノコの食中毒で死亡した人は全国で3人。他の研究機関のデーターでも死亡例は毎年2〜3人(全国)らしい。
キノコは「食べる」よりも「採る」ことの方がはるかに危険、ということをもっと喧伝した方が良さそうだ。
長野県で今年8月以降キノコ狩りで16人が遭難し、うち10人が死亡した。. . . と報じていた。
農林水産省のデーターでは、平成29年にキノコの食中毒で死亡した人は全国で3人。他の研究機関のデーターでも死亡例は毎年2〜3人(全国)らしい。
キノコは「食べる」よりも「採る」ことの方がはるかに危険、ということをもっと喧伝した方が良さそうだ。
2018/10/05
オシドリ受難
そろそろオシドリが見られるのではと立ち寄った清里湖(大門ダム貯水池)、いつもは青く澄んでいる貯水が泥水に変わり、オシドリがたむろしているはずの対岸崖下の湖水は無数の流木や枯草で覆われてしまっている。台風24号の豪雨の仕業のようだ。
この時期、湖岸周辺の崖にはドングリがたっぷりと落ちる。そのドングリを目指してたくさんのオシドリが集まってくるのだが、今年のドングリは全部豪雨で洗い流されて湖底深くに沈んでしまったに違いない。オシドリたちにとって今年は厳しい冬になりそうだ。
ダム湖までの道筋には、突風で幹の中ほどでボッキリと折れたヒノキがまだ電線に宙吊りになったままだったり、. . .
湖岸を周る道路に溢流が流れて通行止になっている所も何箇所かあった。
台風24号が日本列島に上陸した9月30日、北杜市にも豪雨警報が出されたことはTVニュースで知っていたがこれほどまでとは想像していなかった。
2018/09/28
タマゴタケ
今年はキノコが当たり年らしい。TVニュースでは、長野では松茸が大豊作で価格も例年よりずいぶん安いのだそうだ。同時に、キノコを探していて崖から滑落する死亡事故や、毒キノコを食べた食中毒が例年以上に多発しているらしい。明治の昔から全く同じ警告が毎年毎年繰り返されている。
派手な極彩色を敬遠し普段は手を出さないキノコだが、今日は10個ほど採取し、四方八方から撮した写真を八ヶ岳南麓のキノコ博士A氏へ送ってタマゴタケであることを再確認してもらった上で夕食で食べてみた。
ネット情報では、”天然キノコの女王”とか、”生食もできる優秀な食用キノコ”などの記述があるが、夕食のオリーブオイル炒めではその美味さがいま一つ分からなかった。
2018/09/22
2018/09/21
2018/09/19
タカ見の広場
午後1時過ぎ、向かいの山裾からワシタカが飛び立ち上空で円弧を描き始めた。すると、周辺の森から旋回に加わる仲間が次々と現れる。
運良く今日の上昇気流は白樺峠へ向かって流れているようで、鷹柱はドンドンと頭上へと近づいて来る。
双眼鏡をのぞくと大半がサシバのようだ。この山あいのどこにこれだけ多くの個体が身をひそめていたのだろうかと不思議に思うほどの数だ。
鷹柱は上昇気流に乗って円弧を描きながら上へ上へと舞い上がり、十分に高度を得たところで西の方角へ向かって流れていく。そんな天空のドラマが小一時間にわたって途切れることなく続いた。
サシバはムクドリのように集団で生活する習性はないらしい。であれば、それぞれの個体が各々の感性で、渡りに適した日時・ルート・気象条件を判断し、個別に行動した結果、期せずして同日同時刻に奈川の峡谷に集結するとことになったのだろうか?それとも何らかの方法で情報交換をし合いながらここに集まることになったのだろうか?
かっては飛騨高山の農家の少女たちが諏訪や岡谷の製糸工場を目指して歩いた野麦峠を、今日は南の島々を目指すワシタカが飛ぶ。日本列島中央部に聳える山塊を越えるにはこの野麦峠越えがベストと、鳥も人間も同じ判断をしたことが愉快だ。
信州ワシタカ類渡り調査研究グループのカウントでは、今日一日で4138羽のワシタカ(うち3907羽がサシバ)が野麦峠を越えたそうだ。
サシバはムクドリのように集団で生活する習性はないらしい。であれば、それぞれの個体が各々の感性で、渡りに適した日時・ルート・気象条件を判断し、個別に行動した結果、期せずして同日同時刻に奈川の峡谷に集結するとことになったのだろうか?それとも何らかの方法で情報交換をし合いながらここに集まることになったのだろうか?
かっては飛騨高山の農家の少女たちが諏訪や岡谷の製糸工場を目指して歩いた野麦峠を、今日は南の島々を目指すワシタカが飛ぶ。日本列島中央部に聳える山塊を越えるにはこの野麦峠越えがベストと、鳥も人間も同じ判断をしたことが愉快だ。
信州ワシタカ類渡り調査研究グループのカウントでは、今日一日で4138羽のワシタカ(うち3907羽がサシバ)が野麦峠を越えたそうだ。
2018/09/18
2018/09/10
自由農園の椎茸ホダ木
ここ数年スーパーで売られる椎茸がすっかり菌床栽培ものに変わってしまったのが不満だった。しばらく手抜きになっていた椎茸栽培だが、原木栽培のドンコを自家栽培で味わいたいと自由農園で8本ほどのホダ木を仕入れた。(小木900円、大木1000円)
2018/08/27
八島ヶ原湿原のミツバチ
東京から見えた某公園ボランティアグループの八島ヶ原高層湿原での植物観察会に合流。この夏の異常な酷暑のせいか湿原は早くも草モミジの景色に変わり始めていた。
ヤナギランの花は既に白い綿毛になっていたが、マツムシソウ、アサマフウロ、アケボノソウ、ハバヤマボクチ、エゾリンドウやオヤマリンドウ、. . . など、霧ケ峰高原は夏草と秋の野草の端境期に入っていた。
気になったのはマルバハギの花に集まるミツバチたち。八島湿原を一周してまんべんなく見かけたが、集まっていたのはセイヨウミツバチだけでニホンミツバチは1匹も見つけることができなかった。
熱殺戦法を知らないセイヨウミツバチは日本の自然界では自生できないとされている。ということは、ここに集まっているセイヨウミツバチ達はどこかの飼育箱から来ている蜂だろうか?
八島ヶ原湿原は人里からかなり離れた場所。最も近いスキーリゾート地の強清水まで約2キロ ①、ホテルやマンションが集まる北山地区までは4キロ以上あり ②、交配用ミツバチを飼っていそうな北山柏原の農村までは8キロもある。
蜜源としてはそんなに魅力的でもないマルバハギを目指して、こんな遠くまで、これだけ多くのミツバチが採餌に来るだろうか?日本の自然界には、飼育巣箱から”箱抜け”したセイヨウミツバチが意外と数多く棲息しているのではないだろうか?同じ疑問はビー・ライニングをしていてしばしば感じることがある。チャンスがあれば八島湿原周辺でもビー・ライニングを実行し自然巣を探してみたい気がしてきた。
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