タカの渡り観察ガイドブック(注)によれば、信越、関東北部で子育てを終えたワシタカの渡りは、
- 上昇気流を利用してできるだけ高く舞い上がり、
- 次のポイントめがけて一気に滑空飛行 . . .
- を繰り返し、体力を消耗しないで、ハイスピード飛行での移動を実現するそうだ。
- ハチクマのように朝鮮半島・中国大陸経由で東南アジアへ向かうグループ、
- サシバのように沖縄諸島・台湾経由で東南アジアを目指すどちらのグループも通過する渡り鳥銀座。
- 松本平野から梓川沿いの渓谷に流れ込んだ風が、奈川の渓谷で上昇気流を立ち上げる。その上昇気流を利用しようとワシタカが新潟、群馬、埼玉、栃木方面から集結する。
ということで、今日は大きな鷹柱の出現は無かったが、それでもサシバ、ハチクマ、ハヤブサなどの猛禽類が確認できたのでデビュー初日にしては上出来の成果だろう。
(上写真の円内は飛翔するハチクマ。米粒のように写った姿を思いっきり拡大したもの。)
前述の研究グループの調査では、昨年秋(9/1〜11/13)に白樺峠を通過したワシタカの総数は18,679羽。今シーズンはこれまでまだ7,843羽しかカウントされていないので、今年も昨年とほぼ同数のワシタカが白樺峠を通過するとするとすれば、これから10,000羽近い数のワシタカを見られるはずだ。
鷹柱が多く発生するのは、上昇気流が発生する雨上がり後の晴天日。台風20号が予定どおり通過すれば、今週金曜日(9/27)は今シーズンのピークになりそうな気配なので再度の白樺峠詣になりそうだ。
注記:信州ワシタカ類渡り調査研究グループ著、文一総合出版刊、2枚のスケッチは、同書掲載の図を転写し一部加工したもの。