2017/07/21

スイスのRoof-top beekeeping

「スイス旅行まとめ - ミツバチ編」


チューリッヒ(Zurich)のホテルの室内に置いてあった小冊子「THE VISITOR - ZURICH MAGAZINE」に、スイスのルーフトップ・ビーキーピング (Roof-top Beekeeping 屋上養蜂) についての記事があった。都市型養蜂 (Urban beekeeping)の一形態である「屋上養蜂」は日本では銀座ミツバチプロジェクトが有名だが、(ロスリン礼拝堂の巣箱に遡るまでもなく)ヨーロッパでの歴史はもっともっと古い。

チューリッヒでも、Baur au LacホテルGlobusデパートなどの屋上でミツバチを飼育しスイーツとして客をもてなしたり、ハチミツを販売していることも聞いていたが、マリオットホテルの屋上で26群もの蜂を飼育するほどの大きな規模で行われているとは知らなかった。

世界でミツバチの巣箱密度が最も高いと言われるスイスだが、チューリッヒの都会派ミツバチの密度も相当高そうだ。
ネット情報をもとにチューリッヒ中心街で屋上に巣箱を置いたビルを探すと、数百メートルおきに次々と見つかる。それも著名なお店やホテルが多い。

Globusデパートで飼育しているのは養蜂業用のセイヨウミツバチ (Apis mellifera)ではなくスイスの在来種ブラックビーだという。チューリッヒの都市養蜂が、エコロジー活動と表裏一体ということを示唆している。

バスの窓から見た市内の街路樹も、アカシア、ユリノキ、トチノキなど、"Bee-friendly"な樹種が多かった。

チャンスがあれば "ルーフトップ養蜂" の現場を見せてもらいたいと思っていたが、わずか半日の滞在ではその計画は実行できなかった。次回のスイス旅行ではぜひ実現したい課題。

(Marriott Hotel Zurichの写真。 18個のミツバチ巣箱が写っている。)

グリンデルワルトの蜂場

「スイス旅行まとめ - ミツバチ編」

  • 移動中のケーブルカーやロープウェイ・ゴンドラ、あるいはバス・電車の窓から巣箱らしいものを探し . . .
  • 帰宅するとGoogle Mapでその場所を推定し、バスや徒歩でそこまでのルートを調べ . . .
  • トレッキングの合間や雨天の日にその場所へ出向き、周辺を歩き回って巣箱を探す。
. . . こんな行き当たりばったりの形だったが、グリンデルワルト滞在中に7箇所の蜂場(上写真 ①〜⑦)を見学できたのは上出来だった。

全てがノーアポイントメントでの訪問なので、知りたかった情報が全て入手できたわけではないが、それでも実際に利用されているビーハイブやビーハウスの現物見学からは色々と得るものがあった。

①から③はプロの養蜂家のLA式巣箱。標高1100m-1250m-1600mの高度の違う三箇所に分散しておかれているのは花の開花時期に合わせてのことだろう。
(詳細は7/9に掲載済み)
④自宅の前の丘の上に十数個のLA巣箱を並べており、どの巣箱からもセイヨウミツバチが活発に出入りしていた。
(自分では良い写真が撮れなかったので右写真はGoogleストリートビューを転写させてもらったもの。2014年10月撮影だが訪問した時もほぼ同じような状態で巣箱が並んでいた。)

⑤スイス、オーストリア、スロベニアなどの伝統的ビーハウス(集合住宅式蜂小屋)。
小屋のサイズは小振りで今年は2群しか飼育していないことから察すると"趣味の週末養蜂家" のようだ。
⑥16個の巣箱が上下2段、合計32群を飼育する本格的なビーハウス。採蜜などの作業室も付属している。
すぐ近くの農家がビーハウスのオーナー。留守中のご主人に代わって老婦人と話したが、ミツバチの面倒はもっぱらご主人の仕事とのことであまり詳しい話は聞けなかった。

⑦今回見た唯一の丸太式巣箱。牧草地内の作業小屋の軒下に置かれていた。
黒光りしたログ、錆びたドア金具、荒削りの丸太巣箱、. . . 。全てが歴史を感じさせる絵になる光景。隣の丸太ベンチは、年老いた農夫がミツバチの出入りを眺めながら作業の合間にコーヒーブレイクをするためのものだろう。
雨天とあって作業小屋には誰もいなかった。

2017/07/20

スイスの蜜源植物:カルナ・ブルカリス

「スイス旅行まとめ - 蜜源植物」


高地寒冷地の八ヶ岳南麓の秋〜冬の蜜源植物として期待しているカルナ・ブルガリスやエリカ・カルネア。これらの花が蜜源花として優秀であることを裏付ける光景に出会いたいものと、スイスに来た時は毎回注意深く観察しているが今回もそんな光景を見ることはできなかった。(写真は Holenstein 標高1600m付近)

スイスでは、カルナ・ブルガリスやエリカ・カルネアは秋〜冬の寒い時期の観賞用として庭先や鉢植えでも育てられているそうなので、他の花々が少なくなった晩秋の季節にでも観察しないとミツバチが訪花している光景に出くわすことは無いのかもしれない。

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スイスの蜜源植物_イブキジャコウソウ

「スイス旅行まとめ - 蜜源植物」

イブキジャコウソウの仲間 (Thymus polytrichus)
Pfingsten Waldspitz  1918m   (撮影:2017/07/08)

石灰質の日当たりのよい地帯に群れて自生するシソ科の植物。カラミンサ、ミント、ラベンダー、セージ、タイム、ナギナタコウジュ、. . .  と、シソ科の植物はおしなべてミツバチがお気に入りの蜜・花粉源。
イブキジャコウソウはスイスアルプスではあちこちで見かけ、かなりの確率でミツバチの姿を見つけることができた。


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スイスの蜜源植物_ミヤコグサ

「スイス旅行まとめ - 蜜源植物」

Lotus alpinus / Fabaceae
First〜Bachalpsee 標高2100m付近(2017/7/6 撮影)

百花繚乱のお花畑で、一種類だけの花を選んで飛び回るミツバチの姿をしばしば目撃したが、ここではミヤコグサ(の仲間)が "選ばれた花" だった。ミツバチの嗜好によるものなのか、あるいはその花の流蜜量によるものなのかはよく分からない。

ミヤコグサはしばしば一つの岩を占拠して、他の花を寄せつけないかのように自分たちだけで固まって咲いていたが、. . .







時には、他の花と混じり合って咲いている所もあった。その光景は、あたかも良く設計された植え込まれた花壇かと思えるほど華やかで美しい。




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スイスの蜜源植物_フウロソウ

「スイス旅行まとめ - 蜜源植物」

フウロソウの仲間 (Geranium Sylvaticum / Geraniaceae)
写真:2017/6/22 Col de Balme〜Charamillon 標高2000m付近

写真を眺めていて気付いたが、フウロソウへ訪花しているのはスイスの在来種ブラック・ビーではなかったかと思う。

氷河期の時代からスイスの自然界に生息してきた"スイス・ブラック・ビー" (Swiss black bee)、ハチミツ生産量で商業用養蜂種に劣ることから、近代養蜂の普及とともに忘れ去られ一時は絶滅の危機に瀕していたようだ。

近年、そのブラック・ビーを再評価する機運が高まり、ブラック・ビー保護運動は、スイスだけでなくヨーロッパ各国で起きている。冬の寒さに強い耐寒性、伝染病への強い抵抗力など、ブラック・ビーの生態特性が再評価されているだけでなく、効率性、生産性一辺倒の近代養蜂への反発が運動の背景にあるように感じる。日本ミツバチの歴史と酷似しているようで興味深い。


注記:
ブラック・ビー”は、英国、北欧、中欧、ヨーロッパアルプスなどのヨーロッパ各地に生息し、それぞれの国で、 
British black beeGerman dark beeScandinavian black bee 、. . . などと呼ばれているが、全てセイヨウミツバチ(Apis mellifera)の亜種「Apis mellifera millifera」に分類される。
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スイスの蜜源植物_ミネズオウ

「スイス旅行まとめ - 蜜源植物」

loiseleuria / Azalea
Gornergrat〜Riffelsee  標高2600m付近 
(2017/6/25撮影)
Riffelseeへのハイク途中で見かけたミツバチの姿、今回の旅行中で最も高い場所で見つけたミツバチだった。マッターホルンを背景に広がるミネズオウ(の仲間)のお花畑。

他の高地でも同じような疑問を感じたが、ここに集まっているミツバチ達は一体どこから来ているのだろうか?森林限界を超えた標高2670m、はるか眼下に集落が見えなくはないが、そこまでは直線距離でゆうに5〜6キロ以上ありそうにみえる。移動養蜂家が運び込んできた巣箱が近くにあるとも思えない。
次回スイスアルプスを訪ねる時にはビーライニングボックスを持参し、巣の在り処を探してみたい気がしてきた。


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スイスの蜜源植物_アルペンローゼ

「スイス旅行まとめ - 蜜源植物」


アルペンローゼ (Rhododendron ferrugineum / Ericaceae)
写真:2017/6/22、Col de Balme〜Charamillon 標高2000m付近

アルペンローゼに囲まれてくつろぐスイスの老養蜂家の光景を映画「みつばちの大地」でも見た記憶がある。
エーデルワイス(ウスユキソウ)、ゲンティアナ(リンドウ)と並んでスイスアルプスを代表する花アルペンローゼ、全山を覆う花に群れるミツバチの光景を見て、アルペンローゼがスイスアルプスの主要な蜜源花であることを実感した。

標高1000m〜2000m地帯に生育すると言われるアルペンローゼ。低地ではすでに満開の季節を終え萎れた花ガラが目立ち、標高の高い地点ではまだ満開までにはしばらく時間がかかりそうだった。リフトの上からの眺めると、標高の違いと開花状況の様子がはっきり分かった。

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スイス蜜源植物_一覧

「スイス旅行まとめ - 蜜源植物」

季節が良かったこともあり、今回の旅行ではずいぶんと多くのミツバチに出会うことができた。ミツバチが訪花していることを確認し、写真での記録ができた植物は全部で25種。正式な植物名、見かけた場所、標高、周辺環境などを整理してカテゴリー別に分類するつもりだがいつのことになるか分からないのでとりあえずは撮影した写真を7/20付けで記録として掲載し、今後おいおい整理していくつもり。

標高20000m以上の高山地帯で見かけたミツバチと蜜源花:


アルペンローゼ
アルペンローゼ (Rhododendron ferrugineum / Ericaceae)
写真:2017/6/22、Col de Balme〜Charamillon 標高2000m付近
ミネズオウの仲間
ミネズオウ (loiseleuria / Azalea)
写真:2017/6/25  Gornergrat〜Riffelsee  標高2600m付近

フウロソウの仲間
フウロソウの仲間 (Geranium Sylvaticum / Geraniaceae)
写真:2017/6/22 Col de Balme〜Charamillon 標高2000m付近
ミヤコグサの仲間
ミヤコグサの仲間 (Lotus alpinus / Fabaceae)
写真:2017/7/6 First〜Bachlpsee 標高2100m付近
イブキジャコウソウの仲間
イブキジャコウソウの仲間 (Thymus polytrichus) 
写真:2017/7/6 Waldspitz  1918m付近 & 2017/7/8  Pfingstegg 1400m付近

***** 以下は未整理 *****

ハンニチバナ(Helianthemum nummularium/Cistaceae ?)
写真:Sunnegga 2288m 6/30

コウゾリナの仲間 7/6

7/6  First - Bachsee  2262m

7/6  Bachalger  2000m


カルナ・ブルガリス (Callun vulgaris / Ericaceae)
写真: 2017/07/09 Grindelwald〜Holstein 標高1600m付近

Holenstein (撮影:2017/7/9)
ノイチゴ
 (撮影:2017/6/26)
xxxxx Interlaken (撮影:2017/7/1)

xxxxx Grindelwaldのシャレー庭 (撮影:2017/7/7 )

シモツケ Grindelwaldのシャレー庭 (撮影:2017/7/7 )

Thun城から教会への通路 (撮影:2017/7/11)
7/11  Thunの教会の庭 (撮影:2017/7/11)

Thunの城郭の花畑  カラミンサ (撮影:2017/7/11)
カラミンサはどこでも一番の人気もの。

 Grindelwaldの教会墓地 (撮影:2017/7/12)
ラベンダー Grindelwald のシャレー近くのバス停近くの民家花壇 (撮影:2017/7/12)

シロツメクサ (Grindelwald の教会の庭 7/12 撮影)  
Thunの教会の庭 (撮影:2017/7/11)

xxxxx  (Grindelwald の教会の庭 7/12 撮影) 

xxxxx Zurich空港近くの畑畦道  (撮影:2017/7/16)

ヒマワリ Zurich空港近くのヒマワリ畑  (撮影:2017/7/16)

2017/07/15

チューリッヒ (Zurich)

(スイス旅行 - 日記編 Day 26th 2/2)


グリンデルワルトをバスで出発。途中スタンス(Stans)の街に立ち寄りチューリッヒへ。

ホテル到着の直前にバスの窓から見えた広大なヒマワリ畑、チェックイン手続きを済ませすぐ現場に行ってみると案の定多くののミツバチが集まっていた。これだけのミツバチが集まるということは近くに蜂場があるに違いない。それも20〜30群が飼育されていそうだと周辺を歩き回ったが見つからなかった。
ヒマワリ畑の近くに咲いているxxx花にもミツバチが。









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スイスアルプス花紀行も今日で終了。初めてのグループツアーへの参加とあり出発前にはやや不安もあったが、いはゆる "団体ツアー" ではない自由気ままさがあり実に快適な4週間。ツアーディレクターのYK女史の豊富な知識や経験、そして何と言ってもその人柄がいっそう居ごこちの良いツアーにしてくれたように思う。4週間、"つかずはなれず" で気持ち良くお付き合いいただいたツアー仲間の皆さんにも深謝。
(チューリッヒ泊)