2023/08/28

伊豆大島のバス停

美味しい魚を食べようと出かけた伊豆大島旅行で見かけたバス停ポール、大島観光の有名スポットの「地層大切断面」前のバス停に立っていた。

地層大切断面は高さ約30メートル、長さ約700メートルにわたって続く縞模様の断層。おおよそ1500020000年の間に100200年ごとに繰り返し発生した大噴火による降下火砕物が堆積してできたらしい。この地層の下には、海面までさらに約5000年以上の噴火の歴史が重なっているそうだ。

1953(昭和28)年、島周回道路の建設工事で山を削った時に偶然見つかった世界的にも貴重なジオパーク。その形状から地元では「バームクーヘン」とも呼ばれている。そこで、バス停看板をバームクーヘンを模したデザインにし、そのバームクーヘンにフォークを刺すという念の入り用のデザインが微笑ましい。

2023/08/14

オニグモの網張り

「夕べあったクモの巣、今朝はないね」. . . 夏休み山荘に遊びに来た4歳の孫の言葉に教えられて、翌日から注意して見ていると、確かに軒下の蜘蛛の巣は、夜寝つく頃には通路を邪魔するほど大きく拡がっているが、翌朝目を覚ます頃には跡形もなく姿を消している。そして、それが毎朝、毎晩繰り返して起きている。

ネットで調べてみると . . . 

オニグモは、昼間は軒下などにじっとしていて、暗くなるとそこから出てきて網を張る。そして夜明け前にはその網を片付けてから軒下へ帰る、と書かれている。


「昆虫記」で有名なフランスの博物学者ファーブルは、クモは網を片付ける時糸を丸めて食べ、夜にはその糸をおなかから出して再び網作りに利用する、というオニグモの不思議な生態を発見し世間の耳目を集めた。


ところが、後世のクモ学者の間でファーブルの説に疑問を呈する人が増え、ファーブルの説は否定されることになったらしい。「オニグモは、丸めた糸の固まりをしばらく口にくわえているが、その後口から弾きとばして捨てる。丸めた糸に食べ残しの小さな虫などが入っているとそれを食べることもあるので、ファーブルはたまたまそんな場面を見て誤解したのだろう」というわけだ。


しかし、その後オニグモが実際に網を食うことが改めて実証され、またクモの網に放射性同位体を与えて検査・分析した結果、早朝丸めて食べた糸と同じものがその日の夜の網作りで使用されていることが科学的に証明され、ファーブルのリサイクル説は再び蘇った。


これまで何気なく見ていた蜘蛛の巣だったが、その背後にこんなオニグモの生態や、専門家の論争があったことをこの歳になって初めて知った。