ネットで調べてみると . . .
オニグモは、昼間は軒下などにじっとしていて、暗くなるとそこから出てきて網を張る。そして夜明け前にはその網を片付けてから軒下へ帰る、と書かれている。
「昆虫記」で有名なフランスの博物学者ファーブルは、クモは網を片付ける時糸を丸めて食べ、夜にはその糸をおなかから出して再び網作りに利用する、というオニグモの不思議な生態を発見し世間の耳目を集めた。
ところが、後世のクモ学者の間でファーブルの説に疑問を呈する人が増え、ファーブルの説は否定されることになったらしい。「オニグモは、丸めた糸の固まりをしばらく口にくわえているが、その後口から弾きとばして捨てる。丸めた糸に食べ残しの小さな虫などが入っているとそれを食べることもあるので、ファーブルはたまたまそんな場面を見て誤解したのだろう」というわけだ。
しかし、その後オニグモが実際に網を食うことが改めて実証され、またクモの網に放射性同位体を与えて検査・分析した結果、早朝丸めて食べた糸と同じものがその日の夜の網作りで使用されていることが科学的に証明され、ファーブルのリサイクル説は再び蘇った。
これまで何気なく見ていた蜘蛛の巣だったが、その背後にこんなオニグモの生態や、専門家の論争があったことをこの歳になって初めて知った。