2010/03/30

フクロウの巣箱


昨夜温泉に行こうと車を走らせていた時、車のヘッドランプの光の中にフクロウの姿が飛び込んできた。
山荘から直線距離で400メートル足らずの地点。時間は夜の8時5分前。

およそ30〜40メートルの距離を、車を先導するかのようにライトの中をフワリフワリと飛び、ほどなく右旋回して暗闇の林の中へ消えて行った。

赤松の大木が保存してある。随分前、大泉集落にある神社の境内で立ち枯れになり、切り倒されたのをもらい受け、近くの石材店のクレーン付トラックで運んでもらったものだ。

フクロウの巣箱には、70(H) x 45(W) x 45(D)センチくらいのサイズが必要らしい。100(H) x 65(D)のこの丸太であれば立派なフクロウの巣箱が出来そう。明日からフクロウの巣箱作りに挑戦してみようと思う。この春の営巣にはもう間に合わないが来春に期待を託す。

(埋 込写真 は、フクロウが巣作りに使ってくれた時のイメージ図。)

2010/03/29

不毛地帯


薄暗くなり始めた夕方、粉雪が斜めに吹きつける光景は、なんとなく「不毛地帯」のエンディングシーンの雰囲気だ。

ドラマ不作の最近のテレビ番組の中で、木曜夜の「不毛地帯」だけは待ち遠しく見た作品。山崎豊子原作の骨太のストーリーが楽しめた。「白い巨頭」もそうだったが、“女性作家”が、“男の心理“をかくも緻密に描くのには本当に感心する。(あるいは、女性だからこそ描ける?)

エンディングテーマのトム・ウェイツ(Tom Waits)の“トム・トラバーツ・ブルース”も印象的だった。(「白い巨頭」のヘイリー(Hayley)の“アメイジング・グレイス”もそうだったが。)

夜10時、既に外気温はマイナス7度。今夜は湯たんぽが必需品。

2010/03/28

雪。TBH製作。


朝の8時から夜7時まで、今日は11時間工作室に入り浸った。これまで使用していた、丸太巣箱x2個、重箱式x1個、分蜂群待箱x2個の天井部分をトップ・バー方式に変更する工作。

バーのサイズ(巾)と形状は、左図の三つの異なった物を作った。
Aは英国チャンドラーおじさん、Bは吉田翁、Cはインターネットで見た米国人養蜂家のアイデアの一部を拝借したもの。

バーの長さは、全ての巣箱で差替えができるよう重箱式巣箱のサイズ27cmに合わせて統一した。今シーズンはTBH(Top Bar Hive、上桟式巣箱)に賭けてみようと思う。

作業に夢中でいつ雪が降り出したのか気づかなかったが、工作室の窓からの光景はすっかり冬景色に逆戻り。夜11時、昼間の牡丹雪が粉雪に変わり今も降り続いている。外気温マイナス2度。

2010/03/25

またまた過保護?


2日続きのミゾレ混じりの雨。夜、雨は止んだが気温はグイグイ下がり、夜11時には既にマイナス2度、既に霜柱も立ち始めている。

この様子では明朝はかなり冷え込むに違いない。せっかく芽を出しているシレネブルガリスとニリンソウが霜で傷められてしまうのでは、と覆いを掛けることにした。

2010/03/24

春のミゾレ


昨日の夕方から降り出した雨が、今朝からミゾレに変わり、枯れ葉の上にうっすらと積もり始めた。

2010/03/23

シイタケ植菌作業


八ヶ岳薬用植物園に予約していたシイタケ原木と種駒が入荷したとの連絡。早速引取に出向き、キノコドリルを拝借し、植物園の庭の片隅を拝借して植菌作業を。

様子を見ていた園の職員KN氏から、「穴開けはやってあげるから、菌の打込みをしたら」と加勢の申し出。へっぴり腰のドリル操作を見かねたのだろう。

お陰で、購入した15本のコナラ原木(と、以前に剪定時に準備してあった9本)への穴開けと種駒の打込み作業を一時間足らずで完了。

原木はかなり乾いているので立て囲い方式を採用。
細い原木は内側、太いのは外側に並べる。
最高気温が10度C以下の日が続く時期は、ビニールシートで覆って保温・保湿する。
直射日光が射込まないよう80%寒冷紗で覆う。
. . . と、「きのこ栽培教室」で教わったとおりに管理する。

良いホダ木を作るためには、仮伏せ開始後2週間の管理が勝負なのだそうだ。ポイントは水やり。「雨の日でも散水するくらいの気持ち」が必要らしい。

2週間後から、しばらくの間山荘を留守にする予定なので、今日の入荷はグッドタイミングになった。うまくいけば来年の春から収穫できるはずなのだが。

ついでに、去年の暮れ長坂Jマートで購入したナメコのタネも、剪定した栗の木の細めの枝木に植え込んだ。

蛇足:生育の違いを比較するため切口に、「種駒の入手先」、「原木作成場所」、「キノコドリル or 木工用ドリの穴開け器具」. . . などのの目印をつけた。

2010/03/22

霜柱

昨夜遅く山荘に着いた時には小雪が舞い外気温は0度。

朝起きて見ると10センチもの高さの霜柱が庭のあちこちに。一昨日大雨があったらしいので、その水気と昨夜の寒気が作ったもののようだ。

気象庁大泉観測地点の今朝の最低気温マイナス2.3度。ということは、この辺りではマイナス5〜6度まで下がったのかもしれない。

2010/03/21

ヒラタケの原木栽培 [仮伏せ]

ブログ読者からの要請により、ヒラタケの原木栽培のホダ木作り作業を以下に詳述。
(八ヶ岳薬用植物園の「きのこ栽培教室」のテキストを参考に作成。写真は研修会当日のスナップ写真から。)

原木:サクラ、ハンノキ、クルミなど WEBではエノキも良いとの記述も。
材料:ヒラタケ菌     1リットル
         米ぬか            1リットル
         オガクズ         5リットル
         水               約4リットル
         (原木0.3m3あたり=長さ 1m、直径10cmの原木30本の分量)

① まず、オガクズと米ぬかをよくかき混ぜ、その後、少しづつ水を加えて練り込む。(水加減は軽く握ると水が垂れる程度)

② オガクズが十分に吸水するまでしばらく置いた後で、菌を大豆大の玉状にほぐして① の練りオガクズに混ぜる。(粉々まで崩さないこと)

③ 菌入りオガクズを原木の一方端に2センチくらいの厚さで塗り付ける。

④ もう一方の原木をその上に乗せ、(オガクズから水が滲み出るくらいの強さで)上からギュッと押す。

⑤ 菌がこぼれたり、乾燥を防ぐため上下原木の接続部分にガムテープを巻きつける。

⑥ 2本の原木を紐で縛って上下原木を固定する。

⑦ 十分に水で濡らした新聞紙を原木頂部に乗せる。

⑧ スーパーの袋に入れビニール袋の口を軽く縛る。(水が貯まらないよう袋の底には前もってハサミで穴を開けておく)

. . . 以上で、仮伏せの準備完了。

直射日光が当らず、適度に風が通る場所に保管。新聞紙が乾いたら水を遣り適度の湿度を常に保つようにする。


蛇足:
上記は大鋸屑菌を使った短木断面接種栽培法。他に種駒を植菌する方法もあるようだ。

2010/03/20

遠来の友


午前中、八ヶ岳南麓日本ミツバチの会の総会に出席。(参加者36名)

その足で、東京へトンボ帰りしてデンマークから来日したS氏と新宿の寿司屋で会食。十数年振りの再会になる。

若い時代、ビジネスで苦労を共にした仲間。話題がつい昔の思い出話に向かうのはお互い齢を重ねた証拠だろう。

次回は、コペンハーゲンでsmørrebrødでの会食を約束をして散会。Smørrebrød、なかでもsild(ニシンの酢漬け)は、自分のお気に入りのデンマーク料理の一つだった。S氏はそのことをまだ覚えていたようだ。

蛇足:
Smørrebrød(デンマーク語名称を直訳するとバターパン。) 薄く切った黒パンにバターを塗り、トッピンングとして、生ハム、ベーコン、エビ、スモークサーモン、野菜、チーズ、. . .  と、色々なものを乗せて食べる。会社やピクニックでの弁当用と、レストランでディナーのコースで食べる場合では、同じメニューとは思えない程様子が違う(料金も)

2010/03/19

「山梨の道百選」


. . . というものがあるならぜひ加えて欲しいのが韮崎〜須玉間の農道。田圃の中を、北北西〜南南東にほぼ一直線に走っている。

北に向かって車を運転している時は、真っ正面には八ヶ岳の眺望、サイドミラーには富士山が映る。南方向へのドライブではその逆。(あいにく、今日走った時には富士山は雲の中だった。)

道路の両側は、春の田植えから、秋の稲刈りまで四季折々の風景を見せる田圃が続き、景色をさえぎる電柱や電線がなく、自動販売機、看板、のぼりの類いも一切なく快適なドライブが楽しめる。ただし、農道なので農耕車が見えたら運転には多少の遠慮は必要だ。

2010/03/17

TBH:吉田翁に学ぶトップ・バー



ブログ読者からの示唆を受けたこともあり、自分でもTBH(トップ・バー・ハイブ)巣箱の設計に「實驗養蜂新書」の著者、吉田翁の知恵を組込んだトップ・バー(上桟)を試作してみることにした。

吉田式巣箱では、1寸1分巾の天板巣枠を隙間なく並べている。
巣板の厚さ8分、ビー・スペース(同書では“作業場”) が3分で合計1寸1分(=約33mm)巾の巣枠。この吉田翁の巣枠から、左右と下部の棒板を取り外せばニホンミツバチ用のトップ・バー幅になる。

市販されているニホンミツバチ用ラングストロース式巣枠では、巾30mm + 隙間5mm の「35mm」、イギリスのチャンドラーおじさんが推奨するスペックは「35-36mm」。
セイヨウミウバチより一回り身体の小さいニホンミツバチにとって、「33mm」は理にかなった寸法のようにも思えるのだが . . . 。

(上図は、国立国会図書館 近代デジタルライブラリー「實驗養蜂新書」45/86〜47/86から抜粋引用。)

追伸:2015/11/05
この5年間、さまざまに変えて試した現時点での結論:
  • 日本ミツバチには、バーの間隔(中心線と中心線)は33mmが適当
  • スターターは三角棒でOK。三角棒は最小のサイズで良い。
  • トップ・バーへの三角棒の付着は、釘や木工ボンドよりグルー・ガンが工作しやすい。

2010/03/16

蜜源植物:ダンコウバイ、アブラチャン


泉ライン沿い、標高1060mの地点でダンコウバイが開花した。

春の遅い高原で、ミツバチ達が待ちに待っていた早春の重要な蜜源・花粉源。(円形埋込写真は、09年4月2日、標高1260m地点で撮影したもの)

近くにあるアブラチャンの蕾が開くのはもう少し先になりそうだ。

蛇足:
アブラチャン、漢字名 油瀝青。クロモジ属。“チャン(瀝青)”は、ピッチやコールタールの総称。種子や樹皮に油を多く含むことからついた名前。昔、油を灯火用に、強靭な材を杖や輪かんじきに利用したのはクロモジ属樹木で共通。(山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花—離弁花[1]」より)

過保護?

先日の八ヶ岳薬用植物園の「きのこ栽培教室」でお土産にもらったヒラタケ原木とシイタケのホダ木に、留守中の対策を施した。

ヒラタケ原木は、 . . .
  • 切り口に濡れた新聞紙を乗せてビニール袋で包み、板塀で直射日光を遮って乾燥を防ぐ。
  • 屋根から落ちる雨垂れが袋の口に降り注ぐような場所におき、留守中の水やり代わりにする。
この状態で乾燥させないようにして7月頃まで待つと、2本の丸太の間にサンドイッチ状に種菌を挟みガムテープで留めてある上下原木に菌糸がはびこり立派なホダ木にしてくれるはずだ。

シイタケホダ木は、. . .
  • 雨水があたり、風が適当に通り抜け、湿潤ではあるがベトベトし過ぎない場所に、
  • 光は入るが直射日光が直接当らないよう周囲を小枝や枯れ草で囲う。
  • 地上に低い角度で寝かせ、地中から蒸発してくる水分がホダ木全体にかかるようにする。
特にこのシイタケホダ木は、去年植菌し薬用植物園で1年間管理して、切口に菌糸紋が見られるまでに育ててくれたもの。留守中の乾燥で、せっかく活着した菌を殺してしまっては申し訳ないので、少々過保護な処置に。

2010/03/15

薄手の布団に

今日は、野草畑の落葉を少し剥ぎ、合い掛け布団に換えた。

まだ、寒さがぶり返すかもしれないが、しばらく山荘を留守にするので少し早めの作業。

落葉の下には予想していた以上に色々の野草の新芽が既に顔を出している。
芽を出している主な野草は . . .
シレネブルガリス(マンテマの仲間)、ホタルブクロ、マツムシソウ、ニリンソウ、リュウノウギク、キンミズヒキ。( . . . と、スーパーで買って埋めたまま食べ忘れていた泥つきゴボウ。)
その他、まだ特定できない芽も数種類。フキ、スイセンは間もなく開花しそうだ。

2010/03/14

講演会:八ヶ岳の鳥たち ー 四季折々の楽しみ方


八ヶ岳自然ふれあいセンター八ヶ岳自然クラブ共催の公開講座。

講師は、野辺山在住の野鳥写真家吉野俊幸氏。野鳥撮影のテクニックの話が聞けるのでは、と勝手に期待しての参加だったが、氏の撮影した八ヶ岳山麓の野鳥のスライド写真の供覧中心で撮影技術の話はなかった。
それでも600mm望遠レンズを駆使して撮影した野鳥写真の数々から、構図の取り方、背景風景の写し込み方など、カメラワークについても色々と参考になった。

講演会終了後、キープファームショップで、雪に埋まる牧場越しに金峰山を眺めながら、清泉寮パン工房の菓子パン、キープ農場のジャージ牛乳、熱いカプチーノで遅めの昼食。まだ観光客の姿もまばらで静かな清泉寮の午後。

2010/03/13

きのこ栽培教室


愛読書「シイタケの絵本」ではいま一つ分からない点を確認しようと八ヶ岳薬用植物園の「きのこ栽培教室」に参加。

“絵本には、適材はチリメン肌とサクラ肌とあるんですが?”

. . . の質問には、原木実物を並べての解説。(中央写真、①から適材の順位)

“水分35〜36%まで乾燥させる、と絵本に書いてあったのですが?”

. . . 「中心部に小さなひび割れができたら適期。これ以上ひび割れが大きく開くと乾き過ぎ。樹皮や辺材部にまだ緑色が残っているようなら乾燥不十分です。」

どんな質問にも実践的、単純明快な回答でサッと理解させてくれる。

シイタケとヒラタケのホダ木各一本のお土産付きで参加費1000円のお得講座。定員20名の募集に対し希望者が殺到し、急遽30名に増員したというのもうなずける。
もちろん、講師が“山梨県のきのこ博士”柴田尚氏で あることもその一因だろう。

2010/03/11

雪景色の中央本線


八ヶ岳へ向かう途中、初狩パーキングエリアからの中央本線。雪景色の中で、車体のカラーリングがいつもより映えてかっこ良く見えた。

2010/03/09

大雪 & 事故


昼頃から降り出した雪は時間が経つごとに本降りに変わってきた。夜に予定していた東京移動を早めて午後4時山荘を出発。

山荘から大泉の集落へ下りるまでの約2キロの間に . . .
  • 側溝にハマって動けなくなった車一台
  • 下り坂で運転を諦め放置された車四台
  • 雪で折れ電線に絡まった木の枝を排除する東電の作業車2台

絶え間なく降る雪で中央道の路面はドンドン白くなっていく。にもかかわらず、車間をつめたまま追い越し車線をかなりのスピードで飛ばす車が結構多い。 . . . そして、八王子インターまでに遭遇した交通事故3件、故障車一台。
+ + + + +
自宅に着いて知った“長坂〜須玉間閉鎖”のニュース。通常の倍以上かかったドライブになったが、帰り着いただけでラッキーだったようだ。

2010/03/08

樹氷4態

牧場で見た光景 - 3/3:

同じ樹氷でも付着する樹や場所によってずいぶんイメージが違う。

カミソリと歯ブラシ


牧場で見た光景 - 2/3:
去年は”氷のカミソリ”のように見えた牧草の樹氷(右写真)が、この冬は”使い古しの歯ブラシ”という感じだ。気温、湿度、風速などの気象条件で、結氷の姿は大きく変わってしまうようだ。

氷の花

牧場で見た光景 - 1/3:

あちこちで見かけた樹氷。純白のロウバイの花のように見える。

シャッターチャンスなし


目を覚ますと外は白銀の世界。雪景色のブログヘッダーを撮影しようと朝食もそこそこに八ヶ岳牧場へ。

到着してみると牧場は霧の中。 2時間ほど待つと少し視界が開けてきたが、背景の南アルプスは全く姿を見せてくれない。

天気は回復傾向だが、午後になるとこの方角は逆光になってしまう。気温も上がり始めたのでキナシの枝の雪も明朝までには落ちてしまうだろう。
次のシャッターチャンスは来年ということになりそうだ。

(上写真:一番条件の良い時に撮影したもの。)

2010/03/07

八ヶ岳南麓の山火事


ミツバチの蜜源植物の延長で、八ヶ岳南麓の植生を調べていて目に止まった大泉村の大山火事の話。詳しく知りたいとインターネットで資料を探したが見つからない。
近くの図書館に出向き、図書館司書の助けも借りながらやっと見つけたのがガリ版刷りの「大泉村史」に記載された短い記述。
降雨もなく大旱魃であった。 . . . 小淵沢の山野から失火し、烈風にあをられて篠尾、小泉両村の山野を滑めつくし、終に大泉村の宝庫である恩賜林及び私有林に延焼し. . . 三昼夜に及んで燃え続けた。
. . . とある。昭和20年4月のことらしい。もともと雑木林だった八ヶ岳南麓の森林が、この火災後の植林で、カラマツなどの単一針葉樹林に変わったのだそうだ。

春の新緑、秋の黄葉とカラマツ林は美しい。でも、野鳥、昆虫、小動物などにとっては、花、果実、樹液などが豊富な広葉樹の雑木林にはかなわない。この山火事は、八ヶ岳南麓のニホンミツバチにとっても大きな環境変化をもたらしたに違いない。

火事前・火事後の植生分布比較に興味が湧いて来る。観音平下の防火帯もこの火事を契機に設けられたとある。次のコンタクト先は営林署ということになりそうだ。

(上写真:火事のニュース写真を探したが見つからない。やむを得ず、当時の光景を想像して合成写真で作成したイメージ図)

淡雪


このまま春になるのでは、と思わせるような温かい日が続いていたが、今日は朝から湿り気の多い雪がチラツイている。膨らみかけていたダンコウバイやスイセンの蕾もすっかり雪で覆われてしまった。午後5時の外気温0度。

2010/03/06

凍死は夏起きる?


雨の一日。「ニホンミツバ チの文化誌」を読み返していたら、越冬中のミツバチ死滅事故に関する一文が目に止まった。
  • この野中(和歌山県中辺路町)の里で、約三十箱あったものが、生き残ったのはわずかに二箱の群れのみだった。
  • 直接の原因は寒さによるものだが、そもそも夏頃から蜂の群れに生彩がなかった。蜜の採取活動がじゅうぶんに行なわれていなかったからである。
  • 食物が少なく、蜂の数も限られて、集団としての活力が衰えたところへ、例年にない寒波に見まわれたのだ。
ミ ツバチの「冬の凍死」の背景には「秋の弱群」があり、秋の弱群は「夏の流蜜不足」のせいとの判断だ。ミツバチの凍死対策は、「藁で巣箱を巻く」というような単純なものではなさそうだ。

蜜源環境は一朝一夕で改善できない。ましてや天候となるとアウト・オブ・コントロールの世界。蜂飼いにできることと言えば「秋の適切な給餌」ということになるのだろうか。
“あるがままをに”をモットーに、これまで給餌は控えてきたが再考の余地があるのかもしれない。「ABC and XYZ ...」にも次のような記載がある。
Feeding bees is a critical management practice. This one activity may make the difference in clolony survival.(p247)
(写真は昨年冬のもの。スタイロフォームで囲って無事冬を越した。今年も同じような防寒を施したが凍死した。)

2010/03/05

最初の芽生え


冬枯れだった庭にやっと春の兆し。フキとキンミズヒキが芽を出した。

2010/03/04

再び「雨氷」の話

昨日の朝、NHK“おはよう日本”で美ヶ原高原の「雨氷」のことを報じていた。

美ヶ原高原は、「霧氷」の撮影ポイントとして毎冬多くのカメラマンが集る。ところが、今年は霧氷ではなく雨氷の景色が出現する異変が起きていると言う。

例年、美ヶ原高原では寒さがゆるむ3月の中旬に雨氷が発生し、それもすぐに融ける。ところが今年は、2月中旬から発生し、その光景が長期間続いているそうだ。美ヶ原に30年間通いつめているというカメラマンも“初めての経験”とコメントしていた。上空の気温が例年より高いということなのだろう。

+ + + + +

冬期間も美ヶ原高原へのドライブルートが開かれていることを今回の報道で初めて知った。来年の冬は、スノーシューを携え、ぜひ美ヶ原高原への霧氷(or 雨氷)の撮影紀行を実行したい。

(写真は県営八ヶ岳牧場天女山分場の霧氷)

2010/03/03

ストーブの木灰


一冬で薪ストーブから出る木灰はかなりの量になる。

庭で適当な場所を見つけて撒いているが、冬も終わりの頃になると、新しい撒き場所を見つけるのに苦労することもしばしばだ。

ずいぶん以前に購入した本「むらに生きる先人の知恵」(稲村半四郎著、農山漁村文化協会発行)に、木灰に関する記述があった。

明治34年生まれの著者の子供時代の話だから、明治末〜大正初期の話だろう。当時、木灰はかなり重要なカリ肥料(=土壌中和剤)だったようだ。
次の文章を読むと、農家の人々が木灰をどれだけ大事にしていたかがよく分かる
母は毎朝、火をたきつける前にひじろの灰を取り、裏口の大きい土がめの中に入れた。
「灰っちゅうもんはおかしなもんで、毎朝とればたまるけんど、そのままで火を燃すと、灰は重くはなるけんど、たまらないもんだよ。」

そう言いながら風呂の火をたきつける時にも、必ず灰をとってから火をたきつけたものであった。
 

木灰を元肥にすると、“トマトやエンンドウ豆のおいしさや甘さがびっくりするほど増し”、“柿も甘くなる”ともある。
肥料以外でも、山菜のアクヌキ、梅漬けの前処理、鍋や釜の磨粉、馬鈴薯種芋の防腐剤、. . . 等々、木灰は生活の色々な場面で活用されていたようだ。

これまでの「灰の捨て場所を探す」という感が強かった態度を反省し、先人の知恵に学んでこれからは木灰をもっと大切に扱うようにしようと思う。
まずは、“裏口に大きな土がめ”が必要だが、これは中華料理店からもらってきて放ったらかしにしていたザーサイの壷で代用できそうだ。

ちなみに、著者の稲村半四郎氏は、富士見村(現笛吹市の一部)村長も務めた山梨県生まれの篤農家で農民運動家。

写真は「絵本 はなさかじいさん」(いもとようこ著 岩崎書店刊)の表紙の一部。

衣替え


ちょっと気が早いけど、ここ数日の温かい気温につられ、ブログのヘッダー写真を春バージョンに衣替え。

ヘッダー写真は、2009年5月21日、県営八ヶ岳牧場天女山分場で撮影したもの。中央は満開のキナシ。
上写真は、同日に同じ樹を別角度から撮影したもの。

2010/03/02

フキノトウ (蕗の薹)


通りがかりの道端で見つけたフキノトウ。

しばらく前から、スーパーの野菜コーナーにパック入りのフキノトウが並んではいたが、横目で見るだけにしてきた。

野辺に芽を出したフキノトウを見つけ、自分の手で摘み、蕗味噌を作り、炊きたてのアツアツの白ご飯に乗せて食べる。

口の中にフワーと広がる独特の香りと苦みが、冬の終わりと春の訪れを同時に感じさせてくれる早春の旬の味。2〜3回は楽しめそうな量が収穫できた。

塵取りに入れて戻りぬ蕗の薹  (鈴鹿 野風呂)

2010/03/01

春告花


大泉高原に春の訪れを告げるセンノキ通りの座禅草(ザゼンソウ)が咲いた。

ザゼンソウは、開花時、花序から25度C近い熱を発生すると言われる。雪の中で顔を出した去年は、その発熱で融けた雪の痕跡がクッキリと観察できたが、雪の少ない今年は枯れ葉の中での開花。
相変わらず花粉をタップリ出しているが、ミツバチの姿は見かけない。

大泉高原では、これからフキ、ダンコウバイ、アブラチャン、. . . と、慎ましやかに春を告げる草木が開花し、そして . . .

吐竜の滝のフサザクラ、林の中のヤマザクラやマメザクラ(フジザクラ)、里のソメイヨシノやシダレザクラ、谷戸城址のエドヒガン、甘い香りのウワミズザクラ、最後を締めくくるミヤマザクラと、華やかな桜の饗宴が続く。