2008/11/30

ついに蜜源を見つけた














大学の庭のビワの樹だった。多くの蜜蜂が、花から花へと盛んに飛び回っている。高木で花付きも多く前々から注目していた樹だ。巣箱から東南方向に400m、外勤蜂が飛び出して行く方向とも一致している。

シーリー教授やフリッシュ博士なら、蜂の背中にマークを付け、巣箱に帰ってくる姿を確認するに違いない。でない自分は、「うん、この顔つきは我家のミツバチに違いない」と、即座に断定し、納得する。

2008/11/29

蜜源調査に神代植物公園へ

蜜や花粉をどこで集めているのか?今日こそはその場所を確かめようと、神代植物公園を歩いて見た。巣箱から2km圏内なので、十分採餌圏に含まれているはずだ。

冬桜や山茶花が咲いてはいるが、花蜜を出しそうな花木は思ったほど多くない。蜂の姿を見たのは、茶の花で蜜を集めていた一匹だけ。梅園の蕾が開き出す1月初旬までは、神代植物公園に蜜源として大きな期待はできそうもない気がする。

「ミツバチの知恵」の著者、シーリー教授は、花蜜を持ち帰った働蜂の尻振りダンスを解読して、採餌地点の方向や距離を知る、と書いている。そんな芸当の出来ない自分は、新人営業マンのように、コツコツと靴底を減らして歩き回るしか手はない。

公園のユリノキは既に落葉して丸裸。モミジバフウはやっと紅葉が始まったばかり。今日一番の見頃はメタセコイア(とラクウショウ)林。

2008/11/27

どっちも凄い

街の本屋さんで売られているような一般的なミツバチ書籍には大体目を通しているつもりだったが、この「ミツバチの知恵」はこれまで知らなかった本。北杜市の金田一春彦記念図書館の書架で偶然目に止まった。

採餌や巣作りで、蜜蜂達はどのように役割を分担し、労働力を配分し、シフト勤務を実行し、コロニー全体の労働生産性を高めているのか、に関する研究成果をまとめたもの。

社会性昆虫の頂点にいると言われるミツバチの生態には驚かされるが、と同時に、4000匹の蜂の背中に番号を付け、それぞれの個体の行動を逐一追いかける研究者の姿もそれと同じくらいの驚きだ。

手元に一冊置きたいと探したが出版元で品切れとのこと。ネットショップの古本屋で販売されているが価格が6000〜7000円と、新本定価3200円にしてはかなり強気の値付けだ。この本を買いたい個人がそんなにいるとは思えないので、大学研究室などの需要に向けた値段に違いない。癪にさわるのでネットショップでの購入はなしにして、神田古書街で時間をかけて探すことにした。

追記 (2009/01/12): 神田神保町の明倫館書店で定価どおりで販売されているのが見つかった。ラッキー!

2008/11/26

やむを得ず体重計で

巣箱の重さは、ミツバチの貯蜜量を推計するための重要な指標だ。

せっかくならレトロな道具で . . . とここ数ヶ月、骨董市やインターネットのオークションサイトでアンティーク計りを探しているがまだドンピシャのものが見つからない。ということで、結局、これまで計測そのものを実行しないできた。

不本意だったが、今日は風呂場の体重計を持ち出し、東京巣箱の重量を計った。総重量=28kg。春先までの重量の推移を記録し、冬季間の貯蜜の変化を見ようと思う。
また、この巣箱重量変化を、東京の巣箱と、山に置いた巣箱間で比較してみたい。冬場の養蜂手段に関するヒントが見つかりそうな気がする。

[12時30分、1分間に巣箱に帰る蜂数の数は約50匹、うち、1〜2匹が花粉を持って帰る。山の巣箱に比べ東京巣箱は格段に活発だ。]

2008/11/25

朝焼け

高速道路の朝の通勤割引(=通常料金の半額)を利用して東京へ移動するため、いつもより早い午前6時に起床。日の出直前の朝焼けの中に、すっかり葉を落としたカラマツや栗の樹のシルエットがきれいに浮かんでいた。

2008/11/24

ツルウメモドキの飾り付け

色褪せていた天井鴨居のドライフラワーを、全て今年収穫したツルウメモドキに入れ替えた。独特の朱色がランプの光に映え、部屋が随分明るくなったように感じる。

2008/11/20

気温差調査 NO.1

調査期間:11/19 08:00 〜 11/20 09:00
気象条件:晴れ/時々曇り、風速3〜5/秒

分かったこと:
1) 建物北側と気象庁データーとの差は、大泉(計測地標高差380m)で4〜5度、府中とは10〜15度。 (昨日は寒波が西から移動していたため府中との差が大きくなった可能性もある)
2) 建物北側と巣箱外壁の気温差は1〜2度。ただし、巣箱周辺に太陽光が当る午前中にはその差は3〜5度まで開く
3) 作業室内と気象庁府中との差はわずか2〜4度

とりあえずの結論:
A)庭の中で日照時間の一番長い場所に巣箱を移動すれば防寒効果を高められる
B)巣箱を作業室内に置けば、山での越冬は間違いなく可能

必要な追加調査:
a)曇天、雨天、積雪、長期間の連続悪天候など、異なった気象条件下のデーターを収集
b)記録式寒暖計で、巣箱室内の経時的温度変化を直接計測

[今日正午の巣箱北側壁面の気温は8度。飛び立ちはしないが、巣門近くを2〜3匹の蜂が歩き回っている。]

2008/11/19

山から雪


陽光の中を雪がキラキラと舞っている。八ヶ岳から吹き下ろして来る雪だ。本格的な冬はもうそこまで来た。 

昼間は1〜2匹の蜂が巣門から出て来て給餌器に行っていたが、気温が0度を切った15:00頃からはまったく姿を見せなくなった。

2008/11/18

初雪

夜8時、雪が降り始めた。粉雪。今年始めての雪だ。寒暖計はマイナス1度。風が強いので体感温度はもっと低い。
昼間、給餌器の砂糖水を飲んでいた蜂も、今夜はひっそりと静まりかえっている。

追記(23:30):
15〜20分後で雪は止んだ。ベランダの手すりに小麦粉を薄く振りかけた程度の降りで終わった。

食べきれる?


干し柿は、朝早くから、夕方遅くまで、タップリと陽の光を浴びている。 「そんなに作って食べきれるの?」と心配する声も一部から聞こえて来る。確かにその恐れはある。でも、ある程度の数を吊るさないと、“干し柿のある風景” になってくれないのだ。

スガレ追い


ここ数日、これまであまり見かけなかった蜂が給餌器の砂糖水を盗みにくる。図鑑で調べてみると「クロスズメバチ」のようだ。長野、岐阜、山梨などでは、 “ジバチ”、“ヘボ”、“スガレ”などとも呼ばれ、昔から珍味とされてきた「はちのこ」を採るスズメバチの一種だ。

クロスズメバチを捕まえるには、セミやカエルなどの肉片を木の枝にぶら下げて囮にする。アブラゼミの背肉が一番の好物という説もある。餌場に来た一匹を捕まえ、綿片を結んでから空に放つ。目立つ綿片をたよりに巣に帰る蜂を後を追いかけ巣のありかを見つけると、地中の巣を掘り出して巣板の幼虫を甘辛煮にする。信州、甲州の人達が愛してやまないハチノコだ。

このクロスズメバチ狩りが"スガレ追い"と呼ばれる。9月下旬〜10月の頃、泉ラインやレインボーラインの道端に軽トラを止め、藪の中を走り回っている高齢者の男達がいたらまず間違いなくスガレ追いの人達だ。(写真は「富士癒しの森公式ブログ」から拝借)

以前、井戸尻考古館に縄文人の人形のかたわらに地バチの巣が陳列されていたことがある。この地では、縄文の時代からスガレ追いが行われていたことを示すためだろうと勝手に解釈していたがいつの間のか引っ込められてしまった。
来館者に間違った歴史知識を与えないために展示を中止したのだろうと、これも勝手な解釈だ。

気の早いスイセン

本格的な寒さはこれからだというのに、落葉の中に早くも芽を出したスイセンがある。今年の春、東京から移植した株かもしれない。山の冬を知らないようだ。本格的な寒波がくると、今出ている葉は凍結し春を見ないで枯れてしまう。

効果のほどは定かではないが、落葉の布団をタップリ掛けておいた。

2008/11/17

「八ヶ岳南麓日本みつばちの会」に入会


今日の午後はその11月定例会議に参加した。

去年の5月に発足したばかりのミツバチ好きの集まり。蜜源・花粉源調査、作業ノート制作、製品規格と販売、ホームページ立ち上げ、などの部会に分かれて活動しているらしい。

今日の出席者は17名。うち女性が7名。東は明野、西は原村と、かなり広い地域から集まっている。会長のS氏は以前パノラマの湯の浴槽でミツバチの話をしていた人のような気がする。独特のヘアースタイルに記憶がある。他の人 (こちらもあご髭を生やしたいかにも山男風の人) と話中だったので、風呂上がりにでもつかまえて面識を持とうと考えていたが見失ってしまったことがある。

分蜂時、会員間で蜂を融通し合っているのも、この会のメンバーになる動機付けの一つでもあるようだ。会員間相互間で分蜂群の譲り合いをしているとのこと。(一群/20,000円)

柿と甲斐駒ケ岳


昨日の雨は山頂では雪だったようだ。今朝の甲斐駒ケ岳はうっすらと雪化粧。

撮影風景としては山がもう少し白くなるのを待ちたいが、そうも言っておれない。山が雪で覆われるのを待っていると、柿は摘果されて丸裸になってしまう。全てがこちらの思い通りに運んでくれるとは限らないから。

干し柿

去年はテラスが工事中だったため断念した干し柿作りを再開。今年はこの付近でもっとも一般的な甲州丸にエボ柿を加えて合計168個。甲州丸はパノラマ市場で(108個 1500円)、エボ柿はひまわり市場で(17kg=60個 2280円)調達した。
今日の日中の気温は8度、秋晴れの陽射しも一杯。カビも入らないで良い干し柿になってくれそう。

地元の農家(写真下)の風格には遠く及ばないが、我家の山荘もそれなりに晩秋らしくなった。

2008/11/15

八ヶ岳の蜜蜂

たかね図書館企画の「八ヶ岳講座」、今年度の最終回は“八ヶ岳の蜜蜂”。

講師は伊那谷出身の富永朝和氏。「ハチのことはオレの方が詳しいから、色々ハチに教えているんだ」と自己紹介するハチ漬けオジサン。氏の著作の書名が「蜂になった男」(信濃毎日新聞社刊)というのも頷ける。

スズメバチに色々変わった巣を造らせる 蜂の巣造形家”でもある。写真は長野冬季オリンピックで展示された 聖火ランナー型蜂の巣。“氏の指導のもとに” スズメバチが作ったものだ。

終始漫談調のハチ四方山話の講義だったが結構楽しめた。

捕らぬ狸の . . .

テレビドラマ「風のガーデン」に、ガッツ石松演じる養蜂家の場面が盛んに出てくる。野原に数十個の巣箱を並べている光景に触発され、来春の分蜂に備え昨日は巣箱の置き場所の造成工事を。

今年のペースで分蜂が起きれば「2群 x 各2回の分蜂 = 6つのコロニー」になるはず。ということで巣箱の置き場所も6箇所に増設した。新しい巣箱は冬場の室内仕事で制作する予定。

蜂友K氏がこの光景を見たら、笑い出すか、ただ沈黙するか、どちらかだろう。

2008/11/13

イルミネーション点灯


庭のイルミネーションを今日から点灯した。期せずして東の空から満月が。電飾の淡い光と、煌々と青白く輝く月の光で今夜の山荘は原宿表参道並みの華やかさ。

防寒シェルターの第2分家の様子

“群がって”という風ではないが、昨夜準備しておいた給餌器の砂糖水を盛んに飲んでいる。一日で400ccの砂糖水を消費したところを見るとかなりの食欲。花粉の収集もかなり活発で、1分間に6〜8匹の蜂が花粉を持って帰ってくる。

給餌器に時折やってくるスズメバチに一斉に飛びかかって熱殺する門番蜂。攻撃をしかけてから(12:30)、熱殺のスクラムが解かれるまで(13:50)約1時間半かかった。蜜蜂にとって、スズメバチとの戦いはかなりの大仕事のようだ。

その戦いの最中にも花粉や蜜を集める蜂は戦いには全く無頓着。あたかも、それは自分の仕事ではない、といった風だ。この縦割制度的振る舞いと、コロニー全体が集団として取る一糸乱れぬ統一行動は実に対照的だ。

2008/11/07

盛んに花粉団子を

東京に引っ越した本家蜜蜂は朝から活発。特に花粉団子を集める姿が目につく。一分間に15〜20匹もの働蜂が花粉団子を持ち帰って来る。その数は、春〜夏の蜂児養育期間以上に多い。冬越し用の花粉がまだ十分に貯蔵されていないのだろうか?それとも、引越前に山で与えた砂糖水のせいで、女王蜂が産卵を始めてしまい蜂児が沢山育っているのか?
山に残して来た第2分家の蜂達の花粉の貯蔵情況もチェックしてみる必要あがありそうだ。

どこで蜜や花粉を集めるているのだろうかと、近くの大学の庭や神社やお寺の境内を歩いてみたがそれらしい花は見つからなかった。蜜蜂の採蜜圏、半径2キロからすると意外と神代植物公園の方まで出かけているかも知れない。

2008/11/06

本家巣箱の東京疎開

昨夜東京へ移動した本家巣箱が今朝は “定位飛行” でにぎやかだ。新しい巣箱位置を脳裏に焼き付けようと多くの外勤蜂が、巣門前や巣箱周辺を飛び回っている。その数がかなり多く目立つので、隣近所の人を驚かすのではと気にかかる。

その定位飛行も12時半頃には収まり、午後は盛んに蜜や花粉を集めに出かけている。もうどこかに花蜜源を見つけたようだ。

2008/11/04

巣門の門番蜂

20:20 外気温5度。
第2分家の巣門近くでは4〜5匹の門番兵が動き回っている姿が見える。(写真上)
一方、本家の巣門には番兵の姿が全く見えない。全ての蜂が巣箱中央に集まって暖をとっているのだろう。(写真下)
この本家、第2分家の違いは昨夜も同様だった。防寒対策の有無からくる差と思う。

23:00 外気温は3度Cを切っている。本家巣箱を東京に移動させる日は迫ってきたようだ。

今日の様子

今日一日、本家(写真上)、第2分家(写真下)のどちらの蜂も給餌器に群がり実に良く砂糖水を飲んでいる。

今日も第2分家前で2〜3組の取っ組み合い。昨日この給餌場所を覚えた本家の蜂が、自分の巣門前でなくここに来ているのだろう。

寒さのせいだろうか、蜜蜂は随分攻撃的になり昨日は2箇所刺された。防護ネットなしでの作業はこれからは無理のようだ。

ツルウメモドキの収穫適期


10/30日
から干し始めたツルウメモドキが完全に乾燥した。「外皮が色づくと中の種子の色はより赤くなる」との記述したWEBが目に止まったので、試験的に外皮がグリーンとオレンジの両方を収穫して見たが、種子の赤色が両者間で際立って差があるとも思えない。

新しい発見は、外皮の緑色は乾燥しても緑のままということ。リースにした時、「レッドとグリーン」、あるいは、「レッドとオレンジ」のどちらの色の組み合わせを好むかが、収穫時期の判断材料になりそうだ。
このグリーンがどれくらいの早さで退色していくか、という点はまだ分からない。

「緑色収穫」には、(a) ツルの柔軟性が高く加工が容易、(b)実付きがよりしっかりしている、 という別の利点のあることは確かだ。

2008/11/03

防寒工事後の異変

朝から第2分家の巣門前が騒々しい。もしや、防寒工事で巣箱が密封され巣内が酸欠状態なのでは、との不安が頭をよぎる。蜜蜂はCO2濃度を関知する能力があるそうだから。

結局、原因は第2分家前に置いた給餌器をめぐる本家と第2分家の蜂間の争いと判明。地面上には20組近い蜂が組んず解れつの戦いを繰り広げている。急遽本家巣箱にも給餌を開始。蜜不足だったのだろうか。本家、第2分家とも暗くなるまでそれぞれの給餌器の砂糖水を貪るように飲んでいた。
第2分家前での喧嘩騒動は結局日暮れまで続き、地上には戦いで傷ついた50匹近い蜜蜂が。

それにしても疑問は残る。
10/26に今年最後の採蜜をした第2分家の巣箱前にはこの一週間ずっと砂糖水を置いていた。でも昨日まではどちらの蜂も全く見向きもしなかった。今日の突然の行動の変化はなんだろうか?明日の動きを注視。

山荘周辺のカラマツも間もなく終わり

山荘周辺のカラマツの落葉がドンドン進み、あと数日もすれば林は冬枯れの立木だけになりそう。

2008/11/02

防寒シェルター


今年は一群を東京に移さず山で冬越しさせようと、巣箱に防寒対策を施した。

内 容:
1) 湿気対策として巣箱を麻袋でラッピング(二重)
2) その周囲を外面に耐水ベニア板を接着した断熱ボード(50mm厚)で被う
3) 晴天時、太陽光の温もりを受けるよう、巣箱前面の断熱ボードは2分割し、下部ボードを取外し自由に(写真は外した状態)
4) 外面は白ペンキで塗装(蜜蜂は白色や黄色を好むとの研究論文を呼んだ記憶がある)
5) 通常60mmの巣門幅を25mm間隔に狭め、冷気の吹き込みを減らす

冬季、蜜蜂は巣中央部に集まり寒さに耐える。蜜蜂は飛翔筋運動で熱を出し蜂球内の温度を30〜35度Cに保つという。氷点下1o〜15度の厳しい環境の中で、この防寒対策で十分かどうか、一抹の不安がないでもない。
ただ、以前山荘の浴室天井裏に作った自然巣で数年間生き続けていた蜜蜂がいた。可能性は十分あるはずだ。

材料費:
1) ボリスチレン断熱材(スタイロフォーム、50mm厚)、2枚) 3,500円
2) 耐水ベニヤ板(2mm厚、2枚) 1,996円
3) ペンキ(スイセイSコート、0.7L) 1,780円
4) 麻布(2枚) 798円
(合計 8,074円)