2008/11/18

スガレ追い


ここ数日、これまであまり見かけなかった蜂が給餌器の砂糖水を盗みにくる。図鑑で調べてみると「クロスズメバチ」のようだ。長野、岐阜、山梨などでは、 “ジバチ”、“ヘボ”、“スガレ”などとも呼ばれ、昔から珍味とされてきた「はちのこ」を採るスズメバチの一種だ。

クロスズメバチを捕まえるには、セミやカエルなどの肉片を木の枝にぶら下げて囮にする。アブラゼミの背肉が一番の好物という説もある。餌場に来た一匹を捕まえ、綿片を結んでから空に放つ。目立つ綿片をたよりに巣に帰る蜂を後を追いかけ巣のありかを見つけると、地中の巣を掘り出して巣板の幼虫を甘辛煮にする。信州、甲州の人達が愛してやまないハチノコだ。

このクロスズメバチ狩りが"スガレ追い"と呼ばれる。9月下旬〜10月の頃、泉ラインやレインボーラインの道端に軽トラを止め、藪の中を走り回っている高齢者の男達がいたらまず間違いなくスガレ追いの人達だ。(写真は「富士癒しの森公式ブログ」から拝借)

以前、井戸尻考古館に縄文人の人形のかたわらに地バチの巣が陳列されていたことがある。この地では、縄文の時代からスガレ追いが行われていたことを示すためだろうと勝手に解釈していたがいつの間のか引っ込められてしまった。
来館者に間違った歴史知識を与えないために展示を中止したのだろうと、これも勝手な解釈だ。