山荘を出ると坂道の雪でスリップしたトラックに小一時間足止めをくらい、. . .
中央道を2時間ほど走ってたどり着いた我が家の庭では既に桜の花が散り始め、藤の花や柿の新緑に替わりつつあった。
2019/03/10
チュアラングとオオミツバチ
チュアラングハニーを手に入れたので、この際チュアラングの木のことも少しは知っておこうとネットで調べた。
チュアラングは、熱帯雨林植物層の超高木層の中でも突出して背が高く、時には80mを越すをほどの樹高まで成長する。群生しないで一本立ちするため、その高さが一層際立ち飛行機から見ても容易に識別できるそうだ。
オオミツバチは水平方向に伸びている枝に半円月型の大きな巣板を造る。一本の木に100個ちかい群が巣を架けることもあり、そんな時には400〜500kgもの蜂蜜が収穫できるらしい。
オオミツバチが営巣場所としてチュアラングの木を選ぶ理由は色々考えられる。
第一は、周辺に花蜜や花粉が豊富こと。
熱帯雨林の低地帯、湿潤な地に生育するチュアラングの周辺は植物多様性の宝庫。多種多様な植物が繁茂し、一年を通して花蜜や花粉が豊富に供給される。一本の樹に100個もの群が棲み着いて生活できること自体がその裏づけだ。
第二は、樹冠は冷涼で湿気が少ないこと。
霧や低い雲で覆われることが多い熱帯雨林では、地表近くはジメジメと湿度が高く蒸し暑い。一方、霧や雲の上に顔を
出すことができるチュアラングの樹冠は、陽光を一身に浴び、涼風が流れ、比較的乾燥した空気に包まれる。集めた花蜜の水分を蒸散させハチミツへと加工する環境としてはベストな場所のように見える。
第三は、超高層で外敵が少ないこと。
草木が繁茂した低〜中〜高木層には、アリなどの昆虫類、ネズミや猿などの野生動物、野鳥類がなど多くの外敵が棲息している。そんな喧騒から距離を置く超高層の樹冠はミツバチにとって比較的静穏な場所。その上、チュアラングの幹は地上高30〜40mまでは枝が全くなく、樹皮はなめらかで滑りやすいのも好都合。ハチミツが大好きなマレー熊もこの木を登ることは出来ない。
こんな諸々の事情が重なって、”チュアラングの木=オオミツバチの巣” の関係が出来上がったのだろう。
(資料&写真 Rainforest Journal Living Asian World Biomes 他)
第二は、樹冠は冷涼で湿気が少ないこと。
霧や低い雲で覆われることが多い熱帯雨林では、地表近くはジメジメと湿度が高く蒸し暑い。一方、霧や雲の上に顔を
出すことができるチュアラングの樹冠は、陽光を一身に浴び、涼風が流れ、比較的乾燥した空気に包まれる。集めた花蜜の水分を蒸散させハチミツへと加工する環境としてはベストな場所のように見える。
第三は、超高層で外敵が少ないこと。
草木が繁茂した低〜中〜高木層には、アリなどの昆虫類、ネズミや猿などの野生動物、野鳥類がなど多くの外敵が棲息している。そんな喧騒から距離を置く超高層の樹冠はミツバチにとって比較的静穏な場所。その上、チュアラングの幹は地上高30〜40mまでは枝が全くなく、樹皮はなめらかで滑りやすいのも好都合。ハチミツが大好きなマレー熊もこの木を登ることは出来ない。
こんな諸々の事情が重なって、”チュアラングの木=オオミツバチの巣” の関係が出来上がったのだろう。
(資料&写真 Rainforest Journal Living Asian World Biomes 他)
2019/03/04
チュアラングハニー(Tualang honey)
プラザ・シンガプーラ(Plaza Singapura)のウィンドウショッピングで目に止まった巨大なミツバチ巣板、熱帯雨林蜂蜜(Wild rainforest honey)の専門店でオオミツバチの巣から採蜜したオーガニックな天然野生蜜を販売していたので迷わず1瓶購入した。
以前から熱帯雨林蜂蜜には興味があったが、街中の食料品店などで見かけることはまずない。以前に旅行したマレーシアのハニーショップでもずいぶん探したが熱帯雨林蜂蜜は扱っていなかった。
*オオミツバチ(英名: Giant honeybee 学名: Apis dorsata)
購入したのは600g入ボトル一本がSGD $ 80 (約6,400円)だから通常のハチミツ価格に比べるとかなり高価だ。
チュアラングハニーのセールスポイントは、甘味料としてではなく医薬効果のようで、店頭のディスプレイや店員さんの説明もそのコンセプトで貫かれている。
適応症は、便秘、喘息、不眠症、結核、癌、胃腸障害、痛風、腰痛、心臓病、腎臓病、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症、アンチエイジング、. . . と聞くと、やや眉唾的な疑念を感じなくもないが、”8日で咳が止まり、4本飲んだら便秘が治る。でなければ代金はお返しします”とまで広言するからにはそれなりの根拠もあるのだろう。
チュアラングハニーの医薬効果が注目されてきたのは最近のようで、ラボテスト、動物実験などの研究論文はネット上で数多く見つかる。医薬品として認可されているマヌカハニーとの成分比較などもあり、既に臨床試験が行われている症例もあるようだ。
ニホンミツバチの作る蜂蜜同様、チュアラングハニーも多種の花蜜がブレンドされた百花蜜(multiflora honey)。その点を売りにして、単一花蜜のマヌカハニーよりさらに高い医薬効果が期待できると喧伝している文献もある。濃厚な色合いや独特のオーガニックな風味には漢方薬的な雰囲気もあり、素人目にはなんとなく効き目がありそうに感じるのだが(?)
追記:Tualang honeyは日本でもネット販売されていることが分かった。Black Wild Honeyの名称で 200g 8,618円(税638円)とシンガポールの3倍の価格。
2019/02/23
2019/02/21
待望の新刊書 - Thomas D. Seeley著
ミツバチ研究のグル、Thomas D. Seeley教授の新しい著作「The Lives of Bees」が今年6月出版されるらしい。「養蜂上のトラブル解決策は野生ミツバチに聴け」というのがこの本のメッセージのようだ。
- 飼育群の死滅が騒がれる一方で野生ミツバチたちは元気に暮らしている . . .
"We need to rethink beekeeping. . . . how honey bees survive--and thrive--living naturally inside trees. Mean while, within vast beekeeping industries, honey bee mortality remains at an all-time high."(Nicola Bradbear, Director of Bees for Development)
- ミツバチと養蜂家の間にある利害対立 . . .
"Seeley meticulously guides us through the natural history of honey bees while examining the tension between what is best for the bees versus what is best for their keeper. "(Rusty Burlew, HoneyBeeSuite.com)
- その場しのぎの解決策を探すのはもう止めよう. . .
"We need to stop inventing temporary solutions to honey bee problems, and just listen to what the bees are telling us by example."(Kirk Webster, Champlain Valley Bees and Queens)
- . . . . . . . . .
数年前から地元の中高校生たちと実行しているビーハンティング/ビーライニング 。その技を習得し、八ヶ岳南麓に散在する野生のミツバチの巣を見つけ、自然巣のミツバチたちの生活を観察する。そんな構想に確かな道筋を示してくれる一冊と期待している。
訳本出版の噂はまだ聞かないが、大御所シーリー先生の著作なので近いうちに日本語版も出てくるはずだ。
2019/01/31
2019/01/08
冬の都会派ミツバチたち
市内で見かけるミツバチの多くはセイヨウミツバチだが、ここに集っているのはいつもニホンミツバチなのは好ましいが、気になる飛び方の蜂が目につく。
写真を撮ってみると、目視では気づかなかったが翅が折れた個体が少なからずいる。翅の折れ具合は、ダニや病気によるものではなさそうで、晩秋の八ヶ岳高原でよく目にする、終末期を迎えた蝶のほころびた翅によく似ている。
これまでは、”冬でも花蜜や花粉に恵まれている都会派ミツバチはなんて幸せ者だろう”と思っていた。が、翅が折れてもセッセと花粉を集めるミツバチの姿を見ているうちに、そう単純な話ではないのかも知れないと思い始めた。
この時期八ヶ岳高原の高齢ミツバチは巣外へ出ること滅多にない。天気の良い暖かい日に、脱糞のため時折外出する程度で、それ以外は終日温かい巣内で静かな余生を過ごす。
一方、都市のミツバチたちは、翅が朽ちても外へ出かけて花粉を集めている。暖地に棲む女王蜂の産卵力が寒冷地の女王ほど低下しないため、冬場でも蜂児のタンパク源になる花粉の需要が高いせいだろうか?それとも、”生涯現役”とか”働き方改革”と煽られ、のんびりと隠居生活をさせてもらえるような雰囲気が都市に棲むミツバチにはないせいだろうか?
これまでは、”冬でも花蜜や花粉に恵まれている都会派ミツバチはなんて幸せ者だろう”と思っていた。が、翅が折れてもセッセと花粉を集めるミツバチの姿を見ているうちに、そう単純な話ではないのかも知れないと思い始めた。
この時期八ヶ岳高原の高齢ミツバチは巣外へ出ること滅多にない。天気の良い暖かい日に、脱糞のため時折外出する程度で、それ以外は終日温かい巣内で静かな余生を過ごす。
一方、都市のミツバチたちは、翅が朽ちても外へ出かけて花粉を集めている。暖地に棲む女王蜂の産卵力が寒冷地の女王ほど低下しないため、冬場でも蜂児のタンパク源になる花粉の需要が高いせいだろうか?それとも、”生涯現役”とか”働き方改革”と煽られ、のんびりと隠居生活をさせてもらえるような雰囲気が都市に棲むミツバチにはないせいだろうか?
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