10日ほど前にのぞいた時はほとんど姿がないので ”今年は不作かな” と思っていたが、今日再度立ち寄ってみると、沢沿いのあちこちのヤナギの木に獲りきれないほどのヤナギタケ(ヌメリスギタケモドキ)が顔を出していた。
早速、幼菌(右)はみぞれ和えで、成菌(左)はキノコ鍋で今年初の味覚を楽しませてもらった。縄文時代から延々と続く人間の営み。
地上部の茎が枯れた後にも根は活動を続け、根から毛細管現象で吸い上げられた水分が茎の裂け目からしみだし、氷点下の外気温に触れて凍ってできる氷の花。東京近郊では高尾山のシモバシラが有名だが、すぐ近くの野川公園や神代植物公園でも気象条件が揃うとできることがある。ただ、太陽が出て気温が上がるとすぐに溶けて姿を消してしまうので、平地で氷のシモバシラに出会うのはそう容易ではない。
冬はどうしても足が遠のく山荘の庭で”氷のシモバシラの花”はまだ見たことはないが、氷のカミソリはこれまで何度か見た。”シモバシラの花”と違い、こちらは枯れ草の茎に強風がぶつかり、空気中の水蒸気が風の流れと反対の方向に結氷したもの。気象条件や形成過程は全く違うがどちらも不思議で美しい自然の造形。(右写真は2009/3/3 撮影)