午後1時過ぎ、向かいの山裾からワシタカが飛び立ち上空で円弧を描き始めた。すると、周辺の森から旋回に加わる仲間が次々と現れる。
運良く今日の上昇気流は白樺峠へ向かって流れているようで、鷹柱はドンドンと頭上へと近づいて来る。
双眼鏡をのぞくと大半がサシバのようだ。この山あいのどこにこれだけ多くの個体が身をひそめていたのだろうかと不思議に思うほどの数だ。
鷹柱は上昇気流に乗って円弧を描きながら上へ上へと舞い上がり、十分に高度を得たところで西の方角へ向かって流れていく。そんな天空のドラマが小一時間にわたって途切れることなく続いた。
サシバはムクドリのように集団で生活する習性はないらしい。であれば、それぞれの個体が各々の感性で、渡りに適した日時・ルート・気象条件を判断し、個別に行動した結果、期せずして同日同時刻に奈川の峡谷に集結するとことになったのだろうか?それとも何らかの方法で情報交換をし合いながらここに集まることになったのだろうか?
かっては飛騨高山の農家の少女たちが諏訪や岡谷の製糸工場を目指して歩いた野麦峠を、今日は南の島々を目指すワシタカが飛ぶ。日本列島中央部に聳える山塊を越えるにはこの野麦峠越えがベストと、鳥も人間も同じ判断をしたことが愉快だ。
信州ワシタカ類渡り調査研究グループのカウントでは、今日一日で4138羽のワシタカ(うち3907羽がサシバ)が野麦峠を越えたそうだ。
サシバはムクドリのように集団で生活する習性はないらしい。であれば、それぞれの個体が各々の感性で、渡りに適した日時・ルート・気象条件を判断し、個別に行動した結果、期せずして同日同時刻に奈川の峡谷に集結するとことになったのだろうか?それとも何らかの方法で情報交換をし合いながらここに集まることになったのだろうか?
かっては飛騨高山の農家の少女たちが諏訪や岡谷の製糸工場を目指して歩いた野麦峠を、今日は南の島々を目指すワシタカが飛ぶ。日本列島中央部に聳える山塊を越えるにはこの野麦峠越えがベストと、鳥も人間も同じ判断をしたことが愉快だ。
信州ワシタカ類渡り調査研究グループのカウントでは、今日一日で4138羽のワシタカ(うち3907羽がサシバ)が野麦峠を越えたそうだ。