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夜中の2時半頃のこと。寝床まで聞こえてくる物音で目を覚ました。懐中電灯を片手に庭に出て見ると暗闇の中で暴れまわっている大型動物。暗くてよくは見えないがネットに鹿が絡まってもがいているようだ。近くの暗闇の中には、数頭の仲間が見守っている気配もする。このネットにはこれまで何度も鹿が引っかかっている。そしてその度にネットを引きちぎって逃走する。破れたネットを補修しておけば、嫌な思いをした鹿はしばらくは近寄って来ない。そんな繰り返しで、これまで庭の野草や樹木はなんとか守られてきた。
でも今回は様子が違った。ネットの引っかかりどころが悪かったようで、夜が開けると力尽きた鹿の姿があった。
自分では手を出す勇気もなく、たまたま別件でわが家に見えていたログビルダー棟梁に急遽"おくりびと"役を勤めてもらい、なんとか野辺の送りを終えることができた。合掌。