ビー・ハンティングに必要な道具はほぼ揃った。
初めての試みなので、できる限りシーリー博士のやり方をそっくり真似ようと、餌付け箱(=Bee Lining Box)は米国 Betterbee社から購入し、他の道具類も「野生ミツバチとの遊び方」に記載されているのと同じものを準備した。
博士は同書の中で次のように述べている。
ミツバチ研究の大御所、シーリー博士の言葉だから間違いなどあるはずがない。であれば、八ヶ岳南麓でビー・ハンティングを楽しむチャンスは十分にありそうだ。
神社林のサワラの大木、渓谷に生える広葉樹の巨木、ログハウスの天井裏や軒天、石垣や岩場の隙間、. . . 巣となる空洞はそこら中にある。事実、そんな空洞にミツバチが住み着いているのはこれまで数多く確認している。
博士はまた、ビー・ハンティングの最適シーズンは "流蜜期の前後" なのだと言う。蜜源花が豊富な流蜜ハイシーズンには、ミツバチは自然の花密に夢中で、餌付け箱に惹きつけるのはむずかしいのだそうだ。
八ヶ岳南麓でのビー・ハンティングのベストシーズンは、「田畑の土手にヒメオドリコソウが咲き乱れる早春」と、「草叢の中を歩くとナギナタコウジュが香りが強く鼻につく晩秋」ということになりそうだ。
残る疑念は、"誘因剤" とシーリー博士が太鼓判を押す「アニス精油」がセイヨウミツバチだけでなくニホンミツバチにも効果があるのかどうかだ。その確認を取りたいと、庭の飼育群を相手に実験中だが、まだ評価を下すまでの明確な状況に出会えていない。
秋のビー・ハンティング・シーズンは間もなく始まる。それまでにアニス精油のテストを終えること。そして、ビー・ハンティングを最初に試みるフィールドを決めること。国土地理院の "2万5千分の1地形図" を片手に野山を歩き回っているが、ドンピシャリの場所を見つけるのはそう容易なことではなさそうだ。