2009/12/03

アンコール遺跡巡礼5/6 “修復”


「王は石と石を積み直して城壁を修復し、九つの尖塔堂の形で屋根を葺き換えた」 . . . と刻まれた、1579年頃の碑文がアンコール・ワットにあるという。(注)

もともと脆い砂岩で造られているせいもあるのだろう。崩壊と修復のイタチごっこは、今に始まったことではなさそうだ。

チョッと修復の手を抜くと、崩壊のスピードが俄然早まる。それが起きたのは、キリング・フィールドに代表されるカンボジアの内戦時代。ごく最近のことだ。

(注)出典:「アンコール・ワット—密林に消えた文明を求めて」 (ブリュノ・ダジャンス著、創元社、1680円)