「見つかりましたよ!」知り合いのアンティークショップの若オーナーからの一報。早速ショップを訪ねてみると"ビー・スケップ(Bee Skep)"と呼ばれる蜜蜂飼育篭だった。「海外の伝統的なミツバチ巣箱に興味あるので気にかけておいて下さいよ」とお願いしたのは3年ほど前のことだ。
ビー・スケップは、
近代養蜂が誕生する以前にはヨーロッパで主流のミツバチ飼育巣箱、一部の伝統的養蜂家は今でも愛用されているようで"skep beekeeping" のキーワードでYouTube検索をかけると
多くの映像がヒットする。
スケップの製作で使用する素材は、麦藁、葦、柳の小枝、つる草、. . . と、国や地域により様々のようだ。今回入手したスケップは木のフレーム蔦で編んである。バルカン半島で使われていたものとのことだが、確かなことは分からない。
泥付きのままでは防疫検査にひっかかるので、輸入は泥壁をそぎ落とした枠組みの部分だけにならざるを得なかったようだ。ミツバチの飼育で実際に使おうとする時には外壁に泥を塗って使う。(写真はスペインバスク地方の養蜂家)
泥壁には牛糞(右写真)や泥炭などを使う地域もある。ひび割れが出ず保温効果が高くひび割れが出ない、などがその理由のようだ。今回入手したスケップには、日本の伝統的な土壁をまねた外壁を塗り込みたい。壁土を扱いっている"ドロコン屋"は近年めっきりその数が減ったのだそうだが、 幸い長野県に二軒ほどあるようなので折を見て相談に訪ねてみよう。
壁土が手に入るまでは室内で利用しようとランプシェードとして床に置いてみたが思った以上に味があって良い。日本で養蜂目的でビー・スケップを買おうとする人はいないかもしれないが、室内装飾品としてのビー・スケップに興味を示す客層はかなりいそうな気がするのだが?