2021/08/19

キツネノカミソリ

庭の栗の木の根元でキツネノカミソリ(狐の剃刀 Lycoris sanguinea)が満開。春先に出た葉は球根に十分な栄養を蓄えると姿を消す。間もなく地中から一本の花茎がスッと伸びてきて先端に独特のオレンジ色の花を咲かせる。ヒガンバナやナツズイセンと同じく”葉見ず花見ず”と呼ばれる野草のひとつ。

名前の由来は、”葉をカミソリの刃に見立てて”とか、”花の色が狐色”などの説もあるようだが、”薄暗い林の中でひっそりと咲く花を狐火に例えて”という説が雰囲気として最も合う気がする。ただこの説では"カミソリ"の由縁については何も語ってくれないのが弱点。
であれば、一部地方で使われている”キツネノタイマツ”の名称が最適と思われそうだが、この呼び名はすでにスッポンタケ科のキノコの名前として定着しているだけでなく、ヒガンバナをキツネノタイマツと呼ぶ地方もあるらしいので話がややこしくなる。