この秋、山荘のロックガーデンにツルコケモモを移植した。ツルコケモモ(vaccinium oxycoccus)はコケモモ(Vaccinium vitis-idaea)と同じツツジ科スノキ属、生育環境は同じだろうと早合点しコケモモの隣りの「日当りの良い砂礫地」に植えた。
ところが、奥日光湯元で滞在したホテルロビーのガイドブックで、近くにツルコケモモの自生地があることを知り訪ねてみると、そこはワタスゲやモウセンゴケなども生えている小さな湿原だった。
改めて調べてみると、確かにツルコケモモは「湿原に生え、茎の所々から根を出してミズゴケの上を這う蔓性植物」とある。「高山の岩山などに生育し、地中の根茎を伸ばして株を広げていく常緑小低木」のコケモモとは生育環境が異なるようだ。
リンネソウでもそうだったが、鉢植えの苗木を購入し露地植えしようとする時は、まず事前にその草木の自生地を観察して生育環境を学ぶことが肝要だということを改めて知らされた。 今秋はもうタイミングを失したので、来春早々には、ツルコケモモを野鳥の水飲み場下の湿地へ移すことにする。