解説書を読むと、”リネンソウは種子の結実率が低く地下茎で個体群を増やしていくことが多い”とある。
ということは、素人が種子や挿木で増やすのは難しそうで、株分けができるほどに今の株を大きく育てられるかどうかにかかっていそうな気がする。
そこで、リンネソウの生育環境を確認したいと、以前リンネソウを見た湯の丸高原を再度訪れることにした。”花期はもう過ぎたのでは”と一抹の不安を抱いての訪問だったが、案に相違しまだ蕾も残す最高の見ごろのリンネソウに出会うことができた。 (下写真)
リンネソウが生えているのは、ハクサンシャクナゲ(Rhododendron brachycarpum)やコメツガ(Tsuba diversifolia)の樹で囲まれた大岩の上。太陽光は常緑樹で遮られ、遮光レベルは”半日陰”というより”木漏れ日が差し込む”程度。土壌は常時湿っていそうな場所だ。
大石には腐葉土が積り、その腐葉土の上には苔がビッシリと生えている。苔の中でリンネソウと混生しているのはガンコウラン、タカネスギカズラ、クロマメノキなどの灌木類や、ツマトリソウ、イチヤクソウ、マイヅルソウなど草本類の日陰〜半日陰を好む高山植物だった。
2箇所の自生地(下写真)の観察を終えて、なんとなくリネンソウの好む生育環境が体感できたような気がする。ロックガーデンのリンネソウ周辺はかなり手を加えて改善する余地がありそうだ。