クロスズメバチは、地元ではヘボ、スガレなどとも呼ばれ、信州人はその幼虫の蜂の子を”最高に美味”とのたまう。シーズンになると地元の道の駅などでかなり高価な値段で売られているところを見るとあながち嘘ではないだろうが、馴染みのない者にとっては今ひとつ同調し難いところもある。ましてや”地蜂せんべい”までになるとかなり引いてしまう。
秋になると、蜂の子を手に入れるため初老の男達が少年のように林の中を走り回る。ヘボ追い、スガレ追いなどと呼ばれ、JA長野のウェブサイトには”ヘボ追いは信州男児の通過儀礼”とまで書かれている。
物静かなイメージの信州人が、”蜂の子”や”すがれ追い”のことになると俄然熱っぽくなるのはなぜだろうか?