山荘の庭に野草の芽吹きは始ったが、ミツバチの刎音がしない庭は寂しい限りだ。
身近な蜂仲間からも同様の情報が次々ともたらされるが、往々にして悲報は不運な人に集まりやすいもの。我が身に起きた不幸が、この冬の一般的な傾向かどうかはまだ分からない。
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- 晩秋〜冬季間では異例の逃去行動?
- スムシ、スズメバチ、外敵動物からの攻撃?
- 農薬禍?
- 伝染病やダニの発生?
- 未交尾、事故死、産卵能力低下など、女王蜂にトラブル?
- 弱小蜂群 or アンバランスな老若蜂の構成など、冬入り前の群に問題?
- 貯蜜不足 or 貯蜜凝固による食料・燃料不足?
- 厳寒による凍死?
- 防寒シェルター内の過濃度CO2 or 湿気?
- 越冬クラスターの崩壊?
あるいは . . .
- 周辺地域で過剰に増えた蜂群数の自然調整?
- CCD(蜂群崩壊症候群)で話題になった要因...過労、電磁波、栄養アンバランス、...?
- 佐々木教授がCCDに関して示唆された“自然界のゆらぎ”?
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知りうる限りのミツバチ消滅の要因をピックアップし、それぞれの「予兆」と「形跡」を書籍やネット情報で調べ、我家の巣箱で実際に起きたことを検証しようとしているが、未だそれらしきものは見つからない。その支障になっているのが、晩秋〜冬期間の観察データーが極端に乏しいこと。
春の分蜂シーズンにはミツバチ同様人間もエキサイトし、終日巣箱に張りついて小さな変化も見逃すまいと仔細に観察し記録をとる。
夏の流蜜期には、日々大きくなっていく蜂群の姿を見るのが嬉しくて、(あるいは、逃去を企てられるのが心配で)、頻繁に巣箱を訪れてミツバチのご機嫌を伺う。
ところが、秋が深まり、巣門を出入りするミツバチの姿が少なくなると、人間の足はすっかり巣箱から遠のき、観察記録らしいものはほとんど残していない。昨年秋に懸念を感じた時でさえ、その後のフォローアップ観察を怠っていた。
これでは群盲評象で、事件の全体像が理解できないのは当たり前のことだろう。そんな反省をしながら読んでいた本の一冊で目に止まった耳に痛い一文。
"In asking questions about bee biology, it is important to devise experiments that are answered by bees, not by armchair logic."
(The ABC & XYZ of BEE CULTURE, Forty First Edition, Page 831)
(写真は "silent spring" のキーワドで検索してヒットしたdeviantART.comから拝借したもの)