親鳥が巣を留守にしたタイミングを見計らってコッソリ撮ったヒヨドリの卵、同じ野鳥の卵でも薄水色のメジロの卵とはずいぶん違う。
この機会にと調べたヒヨドリに関する雑学メモ :
- ヒヨドリは日本ではごくありふれた野鳥、野菜や果物を食い荒らす傍若無人振りから狩猟鳥獣に指定されている。
- そんなヒヨドリも世界的には珍鳥。日本列島周辺部の限られた地域だけにしか生息していないので、海外のバードウォッチャーが観察したがる野鳥の一つらしい。
- 以前は越冬のため韓国などから渡ってくる冬鳥だったが、次第に日本の環境に順化し一年中国内に居る留鳥になった。今日では、留鳥、渡り鳥、漂鳥の生態を保持する群が混在しているとの観察レポートもある。
- 暖かい地を求めて北海道から本州への渡りでは、ハヤブサからの襲撃を避けようと海面スレスレに飛び、時には津軽海峡の荒波に呑み込まれることもある。そんな決死の津軽海峡越えの姿が、2011年1月にNHK「ダーウィンが来た」で放映された。
- 源平合戦の"ひよどりごえの逆落とし" で有名な鵯越(ひよどりごえ)はヒヨドリの渡りの通過地点。海を渡ってきたヒヨドリが絶壁をなす急斜面を一気に舞い昇っていく光景からつけられた地名。義経が奇襲作戦を敢行した断崖絶壁が現在の鵯越(神戸市兵庫区)かどうかについては諸説がある。( 兵庫歴史研究会梅村伸雄氏のHPに詳しい。)
- ヒヨドリを"市の鳥"に指定しているのは富山県砺波市。市の花(チューリップ)、市の木(スギ)、市の花木(エドヒガンザクラ)についてはその指定理由が砺波市の広報に詳しく記述されているが、ヒヨドリに関する説明は実にアッサリとしている。"四季を通じて見られる身近な野鳥"がその理由らしいが、そんな市町村は日本中にごまんとある。あえて砺波市が"我が市の鳥です"と広言するからには何か他に理由があるはずだ。日本海を越えてくるヒヨドリの渡りと砺波市の地勢の間に接点があるのでは、と推測(期待?)して調べているのだがまだ手がかりは見つからない。
- ヒヨドリは仔飼いにすると人間によくなつき飼い主を識別する。だから平安時代の貴族はペットとして珍重し、鳴き声や姿形を競い合う鵯合(ひよどりあわせ)の遊びも盛んに行われたそうだ。