2016/04/01

念願の大羽釜


ついに念願の大羽釜を手に入れた。購入を思い立ってから足かけ7年、随分と時間がかかってしまった。

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蜜蜂巣箱の消毒は、以前は二硫化炭素などでの「薬剤消毒」が主流だったらしい。でも、その有毒性が嫌われ、今ではトーチバーナーで巣板表面を焼く「炙り消毒」が一般的だ。ただ炎を当て過ぎると必要以上に巣板を焦がして巣箱の老朽化を早める。反対に焼きが足りないと板の継ぎ目の奥深くに産みつけられたスムシの卵が生きのびてしまう。そこで熱湯による「煮沸(あるいはスチーム)消毒」が評価されるようになった。ただ、実行するためにはかなり大きな鍋が必要になる。

芋煮会の平鍋、味噌作りで大豆を煮る大釜、餅つき大会でもち米を蒸す羽釜などが使えそうだが、新品を購入しようとするとかなり高価でホビー養蜂家向きの道具とは思えない。そこで、安価な古道具を探すことにした。

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アンコールワットの旅で出会った大鍋、庭で砂糖椰子の樹液を煮詰めていた。”これだ!”と閃めくものがあったが、仮に品物を調達できてもカンボジアから日本まで持ち帰るにはかなり難儀をしそうなので購入は諦めた。
せたがやボロ市でカンボジア型に近いものを見つけた。コンディションも上々だったが結局は購入しなかった。理由は、”大釜が手に入ったらターシャおばあさんのようにキャンドル作りにも使いたい”と思い始めていたから。



ターシャ・チューダの世界を見るとかなり深い鍋を使っている。長いキャンドルを作る時にはこの深さが必要のようだ。で、ターゲットを”平鍋型”から”深釜型”にシフトした。

グル見学の折、豚汁を食べようと立ち寄った諏訪湖湖畔のタケヤ味噌工場。玄関前に大きな地釜が展示されていた。バランスが取れた美しいフォルムが魅力的な超大釜。もちろんこれは”タスキに長し”でハナから検討対象にはなりえない。

. . . そして今年の正月、坂浜のドント焼きの餅つき大会会場で、大きさ、形状ともにドンピシャと思われる鍋に遭遇した。そのレトロな雰囲気もおおいに気に入った。
以来、骨董市やネットショップで”坂浜ドント焼き釜”型に的を絞って探し、Yahoo!オークションで29,800円で競り落としたのが最上段写真の大羽釜。かまど付きというのも好都合だ。

信州松本平の農家の納屋に眠っていた物らしい。W65 x D55cmという釜のサイズは、重箱式巣箱や待ち箱なら十分に肩まで浸けることができる。木蓋は付いていないがこれは手元にあるサワラ板で自作できるだろう。この春の採蜜後の蜜ろう作りや、冬入り前の巣箱清掃作業で活躍してくれそうだ。