早朝から降り始めた雨が終日続いた。風も結構強い。そんな悪天候の中を走り回って待ち箱を設置した。例年ならゴールデンウィーク直前に行う作業だが、今年の分蜂はいつもより早そうだとの情報を得て急遽今日実行することにした。
春とはいえ、雨中での外仕事はまだ肌寒く、渓谷の濡れた岩場での作業には神経も使う。それでも悪天候下での待ち箱設置にはそれなりのメリットがある。
晴天・無風の好天気ではどんな場所も待ち箱設置の好ポイントに見えてしまう。しかし荒天の日に同じ場所を訪れると、橋脚から流れ落ちる泥水を被る場所だったり、大木の幹や大岩の割れ目を伝った雨水の溜まり場だったりする。あるいは絶え間なく風が吹き抜けるミツバチが一番嫌がる場所だということを知らされることもある。
分蜂群の捕獲は、ホビー養蜂家にとって最もスリリングでエキサイティングな時間だ。とりわけ、苦心して設置した待ち箱を探索蜂が訪れ始めた姿を認めた時の感動は、ホビー養蜂の醍醐味と言っても過言ではない。
分蜂群捕獲のKSFは、丸太巣箱でもキンリョウヘンでもなく、"待ち箱を設置する場所の選択" と信じている自分にとっては、好ポイントを見つけるためなら雨・風・雷などに怯んでいるわけにはいかないのだ。