この会合への参加が、毎年の“ミツバチ活動”事始めになる。
今年の研究会では、通常の研究発表や一般報告に加えて、佐々木正巳教授の特別講演があった。演題は「玉川大学での35年間のミツバチ研究を振り返って」。
今年の春で退官される佐々木先生は、1963年に玉川学園高等部に入学。昆虫少年として生物部で活躍し、その後、玉川大学農学部(昆虫学研究室)、東京農工大学(修士課程)、東京大学農学系研究科(博士課程)を経て、再び玉川大学に帰られてからはミツバチを中心にした研究者の道を歩まれたそうだ。
そして、1995年に英国Nature誌に発表して世界的な反響を呼んだ、ニホンミツバチ特有のスズメバチに対する熱殺技(ボーリング)に関する研究論文をはじめとして、数々の先駆的な研究成果を積み重ねて、今日の“ミツバチ学の世界的権威”としての地位を築かれた。
一昨年に出版され話題を呼んだ先生の著書「蜂からみた花の世界」。そこに掲載された680種、1,600枚に及ぶ写真画像のほとんどが先生ご自身の手で撮影されたのだという。この一事からだけからも、先生とミツバチの付合いの長さ、思い入れの深さが伺える。
退官後は、“ミツバチの導師”として我々のような趣味の養蜂家を指導して欲しい、と願うのは私一人だけではないはずだ。