中には、近くで蜂球を作らないで、上空高く舞い上がってそのままどこか遠くへ飛んで行ってしまう分蜂群もある。
原因は、敷地内の樹木が成長し、庭上空の空間デザインが変わったせいだろうと推測しているが確信はない。
實驗養蜂新書には、このような場合の対策として以下のような記述がある。(頁92=コマ番号61)
分蜂捕獲前に、働蜂が空中に亂舞し居る際、手「ポンプ」の如き者で空中に噴水するのは、從來我國でも歐米各国でも行はれたことであるが、其の最も必要な場合は、分封が、初まった頃、少しく風が吹くと、すぐに蜂群飛舞の輪形が吹き流されるときである。空中散水は、これまで逃去防止では結構利用し、その効果のほどは確認している。でも、散水で分蜂時の蜂雲を下方向へ誘導できるとは思いもしなかった。(上写真は逃去阻止のための散水) 折を見てこの春の分蜂で試してみたいと思うが判断に悩みそうな点も幾つかある。
殊に第二分封以下の時は、女王が未だ孕まぬから、體量軽く活潑で、空中高く舞い昇り、働蜂の渦巻く中を遠く行くものであるから、先ず女王の出門せぬ前に、水を空中に飛揚して働蜂等の刎を濡らし、巣箱の近傍に低く舞はしめ置く様にする施術である。
強制誘導の必要性があるケースか?
一旦高く上がった蜂雲が、再び低く下がってくることもしばしばある。できれば自由意思で低空飛行に移ってくれるのに越したことはない。
どのタイミングで散水を開始するか?
あまりに上空へ上がり過ぎてからではホースの水が届かなくなってしまう。かと言って早過ぎては、いたずらに分蜂行動の流れにに混乱を来すだけになってしまう。
どのくらいの水量を放水するか?
逃去阻止ではタップリの水量で巣箱内へ追い返す。でも、分蜂時の散水でずぶ濡れにしてしまうと、「蜂球形成〜女王蜂の合流〜巣箱への取込み」の過程で不都合が生じる原因を作るかも知れない。
. . . など。ともあれ一度トライしてみる価値はありそうだ。