2009/06/08

五月の分蜂は荷馬車一台の干し草


A swarm of bees in May Is worth a load of hay;
A swarm of bees in June Is worth a silver spoon;
A swarm of bees in July Isn't worth a fly.

5月の分蜂は荷馬車一台の干し草の価値;
6月の分蜂は一本の銀のスプーン;
でも、7月の分蜂群にはアブ一匹の値打ちもない。

 . . . 英国の養蜂家に伝わる古い格言。言わんとするところは . . .
  • 野山には花が咲き乱れる5月の分蜂であれば、溢れる花蜜をセッセと集めながら群は大家族に増勢し、秋までにタップリとハチミツを貯めてくれる。

  • まだ蜜源花が残っている6月の分蜂なら、秋の採蜜時期までにはある程度の蜂蜜をたくわえるだろう。
  • 花々がシーズンを終えようとしている7月に入ってからの分蜂では、巣板造り、群の増勢、冬越し用の貯蜜の準備をするだけの花蜜は野山にはもうない。秋の採蜜どころか、来年の春が来る前に群は消滅してしまうだろう。
. . . と言うことなのか。

ちなみに、英国には言い回しの異なる類似の格言がいくつかあるが、元祖は1655年の Reformed Commonwealth of Bees とのことだ。(参考資料: Wordsworth Dictionary of Proverbs)

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この格言で一寸気にかかるのが、干し草の価値を銀のスプーンより高く置いていること。格言が生まれたのは江戸時代の初期、日本では銀の食器は庶民には全く手の届かない高嶺の花だったはずだ。当時のイギリスでは、銀食器は一般家庭でもある程度普及していた生活用品だったのだろうか?それともイギリス農民にとって、干し草はよほど貴重なものだったから?一度、イギリスで生活している友人に尋ねて見よう。

追記 :2009/06/04 友人からの返答 が届いた。